tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ガザの停戦合意、一層の進展を望む

2025年01月17日 13時52分30秒 | 国際関係

1月15日、ハマスとイスラエルがガザでの停戦に合意したというニュースが入ってきました。

何か世界中がホッとした感じを受けましたが、その後の進展は容易でないようです。イスラエル軍のガザ地区への攻撃は、その後も続いているようですし、イスラエル政府の正式承認の手続きも、必ずしも順調ではないようです。

停戦の合意のニュースは、ガザは勿論、イスラエルの人々も歓迎と報じられていますが、為政者の、特にイスラエル側の為政者は、必ずしも心から歓迎という様子ではないような感じも受けます。

停戦の合意の中身は、1月19日から6週間、42日。その間に人質の解放を進め、停戦から16日の間に、その後についての合意を得るというという事になっているようですが、まだ予断をうるさない情勢のようです。

しかし、ガザの停戦は世界の世論の望むところですし、バイデン大統領の努力、カタールの仲介の進展と、トランプ次期大統領の、1月20日の就任までに解決するという発言など多様な動きの中で進んでいるということで、特に、イスラエルのネタニヤフ首相の支援者と言われるトランプさんの影響は大きいようです。

世界中のほとんどの人々が心を痛めているガザとウクライナという地球上の2個所の戦闘状態について。トランプさんは早期に止めさせるという自信を口にしていますが、トランプ流の解決方法でも、人間同士の破壊や殺戮が解決するのであれば、それは大きな前進という事も言えるでしょう。

今回のガザの停戦も、トランプさんは自らの手柄と自賛しているようですが、この動きが暫定的な停戦から本格的な戦争の終結に繋がれば世界にとって最も望ましい事でしょう。

しかし、そこまでの到達は、現実には至難の業のように思われます。もともとネタニヤフ首相は、ハマスの殲滅を望んでいるように見受けられます。おそらくパレスチナの地は、旧約聖書によれば、ユダヤ人に与えられた約束の地だという事で、それが本来の姿だという事でしょうから、そういう人間が一国のリーダーになっているという問題は、今日の民主主義の原則に従えば、イスラエルの人たちが、そういう人を選ぶのか、それとも人類社会の平穏な所謂多様性の共存を認める人を選ぶのかによって決まる問題なのでしょう。

イスラエルの人たちがネタニヤフ氏をリーダーとして選び、トランプさんが、イスラエルを支援するアメリカのリーダーとして、ネタニヤフ大統領を強力に支援するという関係ならば、この問題の本質的な解決はかなり困難なのではないでしょうか。

ハマスにしてみれば、これ以上の破壊とパレスチナの人命の損傷は避けたいという意味で停戦に合意したとしても、人質の変換が終了した後に何が待っているかという巨大な危惧の払拭は、恐らく不可能でしょう。

トランプさんが、いかなる判断で停戦の成功を自賛しているのかは解りませんが、トランプさん、ネタニヤフ首相、ハマスの人々の間に、「みんな同じ人間なのだ」というような意識が生まれる可能性はないのでしょうか。