2025年の日本経済は、30年来の不振を脱却して、健全な成長経済に向けて進む可能性があると考えていますが、この所の現実の動きを見ていますと、何か不安材料ばかりが目に付いて困っています。
まずは、トランプさんの考えている経済政策です。
経済政策というより関税政策のようですが、たとえば、USスチールについては、日鉄などに身売りしなくても、関税政策で忽ち元気が出て、昔のような高収益の会社になると言っているようです。
世界に自由貿易を普及させることにで、世界発展を促進し、アジア諸国をはじめ世界の国々が経済発展し、アメリカはそこに企業進出し、低コストを利用し。確かにアメリカ企業は収益を上げました。
しかし、中国をはじめ、アメリカが進出した国々が、技術革新を学習し、アメリカの下請けに甘んじず、自国製品を開発してアメリカに輸出するようになると、途上国は生産基地になり、アメリカの消費者は、そうした国々から安価で質の良い製品を輸入し、アメリカ製は高くて売れないことになります。
戦後を考えれば、その先鞭をつけたのは、日本でしょう。日本は、繊維から自動車、半導体まで、対米交渉で、何とか折り合いをつけてきました。プラザ合意で円高も受け入れ、成長をしない国に転落しました。
しかし、人口13億の中国の場合は、超巨大な世界の工場になり、元高を拒否、対抗意識を持ち、米中関係は、経済だけではなく覇権争いにまで発展する気配になりました。
トランプさんは、その問題の解決を関税政策でという事のようです。それが上手くいくかどうかは大変心配です。
アメリカの方は既にトランプ景気だという事で元気づいて、NYダウも好調のようです。
それにつられてか、今日は日経平均も上げていますが、日本の実体経済の方は政府の見通しのように、うら淋しいしい状態です。
13兆円の補正予算が通っても今年度の実質経済成長は0.4%だそうで、政府は来年度は1.2%成長と言っていますが、今年度も当初は1.3%と言っていました。
テレビでは今年度の経済はという事で、多くの評論家が説明をしてくれていますが、今年は右肩上がりで順調という説明をしているのは、大抵、証券会社系の評論家の方々です。
アメリカのマネーマーケットが盛況という事で東京市場もつれ高もあるようですが、株価は上っても、庶民生活は潤わないという巷の声の方が深刻なようで、これは春闘、特に中小、非正規の方々の所得の上昇の実現が問題です。
こんな実態が多く聞かれますと、今年も低成長の中で格差社会の深刻化の様相が見えて来るようで、何か心配が先に立ってしまいます。
経済といっても何か視点が狂っているような日本ですが、やはり実体経済や格差問題にに注目しないといけないのではと感じるばかりです。