東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

まだ道なかば

2022年05月12日 23時34分13秒 | レース反省

こんばんは。春インカレの余韻から抜けられず、講義に出席しながらコースの反省ばかりしております。

4年470クルーの工藤です。

 

3年ぶりの開催となりました5/7(土)~5/8(日)に行われた春インカレ決勝の報告させていただきます。

詳しい結果につきましては、他の部員のブログを参照いただければと思います。

大会直前に日本大学の部員からCOVID-19陽性者が発生し、一時は大会の開催自体も危ぶまれましたが、大会関係者のご尽力により開催することができました。誠にありがとうございました。

 

まずは3年前の前回の春インカレの際に多賀谷さんが書かれたブログ真似てリスペクトしてインカレの備忘録を書こうと思います。

 

1日目。

9時40分D旗予定ということで、、9時30分にスロープに船を運ぶ。インスタライブに向けて意気込みを語ったり集合写真を取ったり、インカレらしい雰囲気だ。この緊張感は嫌いじゃない。9時39分、ジブは巻いたままバウを持ち上げて出艇の準備。カウントダウンをして出艇!、と思ったらホーンがならない。どうやら10分APらしい。出鼻を挫かれたが落ち着いて出艇。曳航を手際よく開始して、一番最初に海面に到着。本船の横で曳航を終えて挨拶に行こう、としたら本船が風下に移動していく。急いでスピンを張って追いかけるも横を他大が曳航したまま抜かしていく。少し損した気分。2度目の挑戦でやっと本船へ挨拶を済ませ、滑りを確認。相変わらず引き波で海面は汚いが感触は悪くない。ここでレスキューからAPが上がるとの報告。それならばと、滑りを確かめるため、上っていく。本船へ近づこうと降り始めると、オレンジが上がっている。

そして、風がなくなった。

 

まずい。

 

あっといまに予告信号、準備信号が掲揚される。UFDを避けるため、ひとまず右海面にリーチングで走る。U旗が降りる、というタイミングでAPが掲揚された。明らかに自分たちのためのAPだった。

 

「スタートラインから離れるな」

 

あれだけ小松さんに教えられた言葉なのに。その後は、2回スタートをするもノーレースに。どちらも下スタを決めてシングルの見た目だったので、少し残念。しかし、3艇UFDを回避させてもらったことを踏まえれば、これでもお釣りがくる。その後は風が落ちて一旦風待ち。ここで想像以上に自分が火照っていたことに気づく。

やっと頭を冷やすことができた。

 

第1レース-3位 40° 4-5knot

陸の方に雲が入ってきたと思うと風が入ってきてやっと始まりそうだ。上有利のスタートで、上5番目付近からスタートするも混雑していて上手く決まらない。4回ほどタックをしてフレッシュを掴む。すると、右側から風が入ってきてフルパワー、さらにはオーバーに。自分たちのレーンがレイラインとなって上マークまで1本だ。オーバーセールをして船に被されながら1上を10番程度で回航。強風のリーチング動作には自信があるので2艇ほど上突破。上し合いを続ける前の艇団を尻目にマーク際でしっかりと下してサイドマークで即ジャイ。この時点で1下に対してオーバーセール。これで順位は決まった。あとは上りも下りも後ろをカバーしながら順位をキープして3位。後ろを見ると他の2艇も悪くない。3艇合計35点。

出来すぎたレース。どうやら今日はラッキーデーらしい。

 

第2レース-10位 70° 3-4knot

再び風がなくなった後に、14時過ぎに雲が晴れてきた。下有利のスタートで下10番目からスタート。上の船に合わせてタックを返すも、さらに下でスタートを決めた船に被される。2回タックをして風を掴む。ここで下の船と近い関係となるもロングだったこともあり耐え続けてしまった。1上は20位付近。上りがポートロングだったので、リーチングレグは自艇を上のレーンに置いて走らせる。すると途中で風が右に振った。外側で即ジャイできないため、少し伸ばしてからジャイブ。艇団から離れたこともありここで5艇ほど順位を上げる。2上では、フレッシュでロングを走ることだけを意識。2下も順位を落とすことなく10位フィニッシュ。

ちゃんと走れれば10位は取れる。

 

第3レース-24位 70° 9knot

第2レースが終わり、そのままスタートラインに戻るとオレンジ旗が上がった。どうやらもう1レースやるらしい。風も強くなってきた。3艇で集合してノーケースノートラブルの意識をもう一度確認。海面を見ると右側が強そう。再び上5程度から出るも決まらない。逃げタックしてフレッシュを掴み、右からのブローに合わせて早めにスタボに。このまま上マークまで伸ばす。すると、右奥がどんどん伸びていき、1上では右に展開していた横国のスピンが3枚連続であがる。自艇の1上は20番弱。右の風は見えていただけに悔しい。前を走るトップ艇団がガイバックしているのを見てルーズと判断。周りがホイスト前に上っていく中で、自艇はすぐさまスピンを張って会心のベアコース。サイドマークまでに5つほど順位を上げて即ジャイ。ここでオスカーが上がる。ロッキングが苦手にも関わらず、後ろからきた早慶のロッキング合戦に付き合ってしまい順位を落とす。そして、1下で明らかに低いゲートを他艇とラップしながら回航するという痛恨のミス。ここだけで10個近く順位を落としてしまったらしい。残りは集中して走らせるも結果は24位。大きく展開することとゲートアプローチの大切さを痛感。

なんとも尻すぼみな1日に。しかし、崩しても24位というところに去年からの成長も実感。

 

2日目。

普段通り7時にハーバーに入って8時には艤装を済ませる。チーム全体の雰囲気が昨日よりも明るい。良くも悪くも緩んでいる感じ。自分は適度な緊張感を持ちたいので、「今日は全部シングル」と自分に言い聞かせて気を張るようにする。9時にクラス別を終えて、出艇の準備。ここで1時間APと風の噂。仕方ないので、みんなで座って休憩。ここで緩みすぎるのも良くないと思い、輪の端に座って気持ちを整える。良い緊張感で悪くない感じ。ようやくの出艇すると朝に吹いていた北風は弱くなり、スピンを下ろしてから途中から曳航。ここの流れもスムーズ。

 

第4レース-18位 80° 8knot

昨日の第2,3レースと同じような風向風速。昨日の傾向を踏まえみんなが右に行きたいために、上側が混んでいる。なおかつ上有利のスタート。ゼネリコ後のブラックで高いラインにバウを揃えられず1/2艇身凹んで上よりからスタート。すぐにタックして右側に出す。しかしながら、右海面が混んでいて中々風が掴めない。マークに近づくと52が圧倒的な高さで左海面からやってくる。少し気持ちが落ち着く。サイド、1下とフレッシュのなかで集中して走らせるも、あまり順位をあげられず上位の大学に離される。わかっていたことだが、前からうねりがくるようなランニングが課題。2上もフレッシュで走らせて少し順位を上げるものの、ランニングでは上げられない。悔しい。しかしながら、2下のアプローチではジャイブの精度で自艇を有利な位置につけることができ、18位でフィニッシュ。

動作は裏切らないことを痛感。

 

第5レース-8位 170° 10knot

再び風待ちの後、南から風が入ってきた。この風のクローズのボートスピードには自信がある、優秀の美を飾ろうと意気込んでスタート。ゼネリコ後のブラックでバウが出せず、1分ほど耐えてタックできるようになってからタック。数艇のスタボをディップして集中して滑らせる。しばらくして周りを確認すると、右艇団が少なく有力な大学がいない。そして、振り返ると左海面の雲が黒い。急いでタックして左に寄せる。高原には前を通れなくなった時点で受けてタックすることを伝える。すると、ほとんど全艇の前を通ることができ、奥までだしてタック。いやぁ、圧倒的ボートスピード。そのまま上マークにアプローチして1上は5位。しかしながら、ランニングで上手く波に乗せることが出来ず、1下と2下で数艇ずつ順位を落としフィニッシュ。

上りは圧倒的だっただけに悔しい。

APAが掲揚され、3艇揃ってリーチングでハーバーバック。

 

自艇のレースは上のような感じでした。学年が上がり定石といえる部分は外すことが少なくなりましたが、まだまだ風を見て走らせられていないことが、自分自身の一番の課題です。また、動作をとっても帆走をとっても完璧と言える風域はないので、まだまだ自分に甘えずに練習を続けていきたいと思います。

 

470チームとしては7位という結果になりました。スナイプチームが5位入賞をしているなかで非常に悔しく思います。

それぞれの艇が例年以上に走ることができているというフォローをいただけるかもしれませんが、結局は7位です。

数年後に見返したときに、一体何人が1艇1艇の細かいリザルトを見るでしょうか?多くは470成績の大学別順位のみを眺めて終わりでしょう。だからこそ、今回の結果は非常に悔しい。

でも、その一方で今回の結果は実力だったと思います。上位の大学に対しては明らかに力不足でした。

 

「全日本入賞」

 

この目標に向けて、さらに実力をつけなければなりません。

今回の春インを通して、結果というものの重要性を痛感したからこそ、より一層入賞への思いが強くなりました。

 

 

結果は出せなかった一方で、チームとして多くの課題を見つけることが出来ました。

470チームはサポートとして挑んだ女子インと春イン予選で、手続きのミスでSTPをつけてしまったこと。

ペナルティーを通して学んだルールの大切さとスポーツマンとしてのヨットに対する向き合い方。

レース間での艇の間、クラスの間での情報共有。

毎年のように言われていることばかりです。しかし、幸運なことに春インカレがあったおかげで秋の本番の前に再認識できました。

 

また、これらの課題に向き合う中でチームとしての団結が強まったように思います。

特に陸や海にいる下級生が必死にサポートをしてくれたことは本当に嬉しかった。着艇の際にある後輩が、結果を聞く電話が面白かったですという言葉を言ってくれました。今の2年生にそんなことを言ってもらえるなんて半年前には想像もできなかった。

あと半年間、目標に向けて共に頑張ろう。

 

そして、2日間を通して多くのLBの方々に応援にきていただきました。

バースに声をかけにきていただいた方。運営を手伝っていただいた方。観覧艇から声援を送っていただいた方。

みなさまの声援が本当に力になっています。これからもワクワクするような結果を届けられるよう頑張ります。

 

「好み好まれる」

 

今年のスローガンに一歩ずつ近づいていくにつれて、その素晴らしさを身をもって実感しています。

これからもご声援よろしくお願いします。

 

470チームリーダー 工藤光生


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