お世話になっております。東大ヨット部新4年、470クルーの五熊と申します。「ラストイヤーにかける思い」。今までは読む側だったのに、もう書く側になっていました。本当に時が経つのは早いものです。気づけばブログ期限も過ぎていました。
チームに関しては、市毛槇枝西間が書いてくれるでしょう。このブログでは自分について書こうと思います。
まず去年を振り返って、一言でまとめると、「辛かった」です。「楽しむ」ことが代として掲げてられていたにも関わらず。ずっと首を浅く絞められているような、息の詰まる閉塞感。神様がいるとしたら、それはきっと自分を否定する存在なのだろうとさえ思いました。時期ごとに振り返った文章を書いてはみたのですが、あまりに鬱すぎたので載せません。ただ、一年を省みて、なぜ前を走ることができなかったのか。その結論だけは書こうと思います。それは、「無思考」です。
ヨットは、船という道具を使い風という自然を相手にするスポーツです。船も、風も、ある程度自分の力ではどうしようもない部分がある。でも、そこで思考を止めてはいけなかった。自分の乗る船が新艇でないのなら、どうやって同じくらいの走りにするのか。自分の反対海面が伸びたなら、何か前兆はなかったのか。自分の力では如何ともし難いことがあっても、それは無思考の理由ではない。卑屈な僕は、負ける理由を考えてはいてもそれを打開するための、死に物狂いの努力ができませんでした。そこがきっとヨットの真髄であるのに。「神様がいるとしたら、それはきっと自分の否定しかしない存在なのだろう」とさっき書きましたが、これも無思考の表れだったと思います。
人間的成長なんて、どこにもありませんでした。
そして今年、最上級生になります。もう、この一年を繰り返したくない。一年後の江ノ島でどんな人間になりたいか自分に問うて、真っ先に思い付いたのは「“強い”人間」でした。僕らが掲げたスローガンの一つに「心の強さ」があったけど、僕にとってはそれ以上の意味もある。寒い強風の中でも動き続ける肉体の強さ。チームを信じる強さ。ーーー自分を信じる強さ。どれも、妥協したり逃げたりしたら手に入れることはできません。自分の現在位置を冷静に分析し、目標に至るための現実的なステップを歩み続け、一年後に「これ以上はできない」と思えるほどの質と量を尽くす。その果てに、「紡ぐ」チームと、「全日本総合入賞」があると信じています。
「紡ぐ」というスローガンには、未来への祈りが込められています。これからも続く東大ヨット部の躍進への祈り。「全日本総合入賞」というのは東大ヨット部が歩んでいく道のりの一つの中継地点と言えるでしょう。でも、91代個人個人にとっては、終着点です。僕らは「紡ぐ」存在でもあるけれど、同時にかつての先輩方が「紡いできた」果てにいるのです。LBの方々が流してきた涙を嬉し涙に変え、東大ヨット部という物語の一章を、今年で終わらせたい所存です。
4年生 五熊健
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