POCO  A  POCO  協働舎

住まいは人権! 一般社団法人協働舎
暮らしを高めるのは福祉制度の充実。
福祉制度の充実には私たち一人ひとりの声

手話サークルあすなろのあゆみ ②

2014-10-14 | 手話

  手話サークルあすなろは、1974年に生まれましたが、最初の頃からろうあ協会青年部と一緒にいろんなことをやってきました。「日本映画に字幕を」の取り組みもそのひとつです。

  初めての映画会は「男はつらいよ」だったと思いますが、翌1975年には11月30日に広島ろうあ協会青年部とサークルの共催で中区千田町の広島大学会館で「OHPによる字幕併映・朝焼けの詩」の上映会を開いています。(若い人たちが集まって作ったあすなろは当時よく広島大学会館で役員会や行事を開いていました。)

チラシにはこう書いてあります。                                    「現在私たちろうあ者が一番望んでいることは、手話通訳者と、テレビや映画に字幕をつけてほしいことです。ろうあ者の世界は健聴者と違って、目で覚え、それによっていろいろなことを知っています。ろうあ者にも知る権利があります。ぜひ字幕を!」

 

  朝焼けの詩は1973年に熊井啓監督によって作られた映画で「日本アルプスの大自然を背景にして、破壊されてゆく原生林、緑の広野、離散する開拓村一家に、日本の未来をみつめながら、自然の中に育くまれた若い男女の激しい愛を描く。」映画のセリフの録音ができないので会員が熊井啓監督に手紙を送り監督から台本の提供を受けて実現したのでした。

  (OHPは今はほとんど使われなくなりましたが、明るい光源と冷却ファンを内蔵した箱の上部に、レンズが付属した装置で、その上にアームが伸びていて、光を反射してスクリーンに投影する。OHPシートをレンズの上に置く。光源の光はOHPシートを透過し、反射鏡に集まり、スクリーンにOHPシートの内容が表示される。)

  映画の上映の横でシートに油性インクでセリフを書いた文字を写していきます。ただ、映画と文字の明るさとが違うと映画が見づらくなってしまうので広島大学の学生が研究室からスライド式変圧器を借りてきてくれて明るさを調整したものでした。また、画面との同調は会員が2・3人で映画の進み具合に合わせてフィルムを移動させていました。

  初めての上映会では 字幕は横書き でも 会館の舞台の高さで映画の下に映すとなると 前の席の人にしか見えません。2度目の上映会からは画面の横に縦で映すようになりました。 「人は右利きが多いので字幕は右側の方が目も自然に動いて見やすいかもしれません」と教えてくださったのは朝日新聞支局の記者さんでした。

                 広島ブログ