高取城址㈨讃歌~BOKUの恒久を~
鬱蒼とした静謐に
息を潜め毅然と佇むkimiよ
kimiは
どんな栄枯盛衰を眸に映してきた?
どんな千変万化を見届けてきた?
此の国原を見晴るかす高台に立って
数多のinochiの一回限りの
どれ程の数を記憶してきた?
その石垣の一つ一つに
どれ程の夢の数が封印されている?
僕は今、kimiの足元に耳を澄ませて
TOKIの流れの音を拾い
横溢する活力と勇猛の響きと
鬨の声の雄叫びと
終焉の慚愧の声を聴く
歴史の歯車が軋みながら回る音を
総毛を戦慄かせ、血を滾らせ
震えながら耳にするのだ
苔生すままにkimiは此処に居て
幾百年の不動を全うする
僕は唯、一過性の鼓動を昂ぶらせ
今日、ほん僅かの時分を同行した
けれど
深々と刻まれたその数刻は
kimiと同じ永遠を携え
やがて
僕の懐で共に、身動ぎもせず
僕の恒久を生きるだろう