夢現の旅客
ちいさな物語を創り続ける
細やかなメロディーを奏で続ける
短いUtaを謡い続ける
真夜の沈黙を紡ぎ続ける
無の時を有の時間に書き続ける
僕は此処に居て僕を生きる
ちゃんと眠りの夜を
確かな昼の現の為に
遠くで夢の足音がする
時間が一人で歩いてゆく
僕は何時でも夢と現を行き交う旅客
何人もの僕が
一様に騒ぎ立てる
闇夜を走るお伽列車のように
commaを振って句点を探し続ける日々
ちいさな物語は
儚く、果てしなく続く
遡った時代から時の匂いを持ち帰る
anataをお浚いしてanataを忘れない
耳を澄ませば
目を閉じれば
夢現を彷徨えば
有無を流離えば
漂泊の旅は変わらず続く