降って来るもの

写真と散文とぽえむ

千年の夢想に

2017-03-03 05:25:05 | 

 

        千年の夢想に

 

僕は生物学的な見地からでも

人類学の範疇で分類しても

どう詮索しても”雄”には違いないから

自分で命を産み出すことはできない

 それでも

何とか自分の一部を

其処に含めてあげることはできる

ーそれが幸か不幸かは定かではないけれどー

赤子という姿形で

連綿と続いてきた命の奇蹟の

偉大なる胚胎は無理だけれど

 それでも

この無力な存在の僕が

この世界に残せるものはないかと

四六時中踠いているのだ

兆しを求め

契機を捜して奔走する日々

限られた日時を背負って

引き継げる何かがないかと

疾駆する日々なのだ

泳ぐことを止めない魚のように

歩くことを止めない蟻のように

 狂ったように

四周を駆け巡る日々なのだ

 

千年の時空を超えて

花開く蓮のように

太古の地層から

或る日吼え掛かる恐竜のように

僕が書き残しておく一篇のソネットの

四行のうちの一行の

一小節の一言でも

 古来希なる出来事のように

誰かの胸に宿れば・・

 

何時かそれが

縁の末裔たちの誰かの胸に

きっと芽生える筈だと

 ときどき

千年の夢想に魅入られては

こうしてペンを走らすのだ

03/03 05:25:05

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