守田です。
本当に残念なことながら、情勢はますます厳しい方向に進んでいます。
このようなことを書くのは苦痛です。しかし必要を感じるので書きます。
報道を見ている限り、政府も東電も、どんどん手詰まりになっているように
思えます。特に深刻な危機に陥っているのは、福島第一原発1号機から
4号機までですが、今、焦点があたっているのは、プルサーマルを行って
いた3号機の燃料棒付近からの水蒸気らしきものの発生です。
これは3号機の使用済み核燃料棒貯蔵プールの水位が下がっているために
燃料棒が過熱して起こっているわけですが、これに対する対処がほとんど
まる1日できてこなかった。しかも今日の午前中に、自衛隊ヘリからの放水が
行われましたが、あまり効果があったとは思えません。
テレビのコメンテーターによれば、1日に50トンの水が冷却に必要なそうですが、
そもそも自衛隊機は7・5トンを4回しか運べていない。しかも映像でみていると
多くは、3号機の建物にもあたっていませんでした。
この後、警視庁第一機動隊の高圧放水車と、自衛隊の放水車で、30トンの
放水が行われようとしています。これもがどれほどの効果をあげられるのか。
もちろんこうした試みのすべてがうまくいって欲しいです。しかし最低でも100トン
以上、あるいはもっと大量の水を放水しないととても届かないと思われます。
このやり方を批判しているのではありませんが、もうこんな方法しか残って
いないのかと、嘆息せざるを得ません。
こうした危機的な状態に対して、2人の方が、極めて悲観的な見通しを宣言して
います。広瀬隆さんは、原発震災、とくに津波による原発の崩壊を繰り返し、
繰り返し、述べられてきた方です。そのため「だからあれほど言ったじゃないか、
あれほど止めろと言ったじゃないか」という思いがあふれていて、よりコメントは
厳しいです。読んだら落ち込むかもしれないと思いますが、どうかみなさん、
希望的観測だけに流れてしまなわにように、これと向き合ってください。
一方で、片岡(栗田)さんが、原発設計者が、積極的に提言を行っている
ツイートを見つけてくれました。この方は、まだまだ方法があり、それが
届かないのが悔しいと書いています。
http://twitter.com/#!/ueharams
この内容に対する真偽判断は、現場を知っている方でしかできないと
思うのですが、「事態を止めることは可能だ」と言う方がいるのならば、ぜひ
その知恵が現場に届いて欲しいです。
> 2011年3月16日
>
>
>
> 日本の悲劇 -東北巨大地震と福島原発
>
> ~本当のことを何も知らされない日本人~
>
>
>
> 北海道岩内原発研究会代表 斉藤武一
>
>
>
> はじめに
>
>
>
> 太平洋沿岸に並んでいる10基の福島原発が次々と深刻な状
態になっている。どんなことが起きているのか、日本人は何も
知らされていない。さらに、これから起きる本当の悲劇のこと
も何も知らされていない。今もなお、電力会社と政府と原子力
工学の専門家とマスコミは、本当のことを国民に欠くし、国民
をだまし続けている。
>
>
>
> 1. 福島原発の弱点
>
>
>
> 原発には。加圧型(PWR)と沸騰水型(BWR)があるが
、福島原発はBWRタイプである。BWRの弱点は二つある。
一つは、ブレーキに当たる制御棒が圧力容器の下から挿入さ
れるという点にある。制御棒は、竹やりのような形で圧力容器
の下にぶら下がっている。制御棒は水圧で押し上げるが、ぶら
下がっているため、地震で揺れた時は、制御棒が入りずらいと
いう弱点がある。今回の地震では、「幸運にも」制御棒が入り
、原子炉が停止したということを日本人は知らされていない。
>
> そして、二つ目の弱点は、圧力容器内の水を循環される循環
ポンプにある。BWRは、構造上、循環ポンプが圧力容器の外
にぶらさがっている形になっている。そのため地震の震動に対
して非常に脆い。循環ポンプは、燃料棒を冷却する重要な役目
があり、今回、原子炉が停止した後、崩壊熱を出し続ける燃料
棒を冷却ができなくなった理由は、循環ポンプの弱点のあるこ
とを、国民は知らされていない。
>
>
>
> 2.
> 非常用発電機が津波で流されていた
>
>
>
> 原発では、通常は内部電力といい原発自身が作った電気を使
って運転されている。地震で原子炉が停止すると、最初に内部
電力がなくなる。 すると、外部電力といい送電線から電力が
供給されることになっている。しかし、地震で外部電力もこな
かった。
>
> その時は、非常用ディーゼル発電機が作動することになって
いるが、大津波で発電機のある施設をすべて押し流していた。
しかし、電力会社は、津波で発電機が不能になったという程度
で、施設そのものが流されていたという重大な事実を隠してい
た。やがてバッテリーもきれ、福島原発は、電気がなくなり、
完全に不能となり、電源喪失に陥る。 そして、電源喪失とい
う重大事故は、福島原発の第一原発の2号機で、巨大地震の9
か月前の2010年6月17日にも起きていた。その反省もな
いまま放置していた。
>
>
>
> 3.
> なぜ放射性物質が大量に放出されたのか
>
>
>
> 原発で、どのような燃料を使っているのか何も知らされてい
ない。 まず、ウラン燃料であるが、現在は4.8%という濃
度が高いものをつかっている。高燃焼度燃料というものである
。濃度が高いということは、核分裂によって生まれる死の灰の
放射性が高まる。さらに、燃えた後の使用済み燃料は、濃度の
低い燃料より多くの崩壊熱を出し続ける。そして、福島原発第
一原発3号機 (Iの3号)では、高い濃度のウラン燃料に加
え、プレトニウム燃料も使っている。プレトニウムは、ウラン
よりも激しく燃えるため、死の灰の放射能レベルは高く、燃や
した後の使用済み核燃料の崩壊熱も高い。つまり、冷却するこ
とができなくなり、燃料棒が推移面から露出して、水素が発生
し、格納容器が爆発したとき、大量の放射性物質が放出された
のは、燃料に大量の死の灰が入っていたからである。福島Iの
3号機のしゅうへんで400ミリシーベルト(mSv)という
とても高いレベルになったのは、濃度の高いウラン燃料とプレ
トニウムによるものである。このことも、日本人には何もしら
されていない。プレトニウムから生まれる死の灰の恐ろしさが
隠されている。
>
>
>
> 4. 使用済み核燃料が爆発した
>
>
>
> 福島第一原発4号機のプールに保管してある使用済み核燃料
から水素が発生し爆発した。なぜ爆発したのか、これも本当の
ことが隠されている。にほんでは、原発が出るゴミである使用
済み核燃料が大量に出てきて、その保管に困り果てている。そ
のため、プールには、昔に比べてぎっしりと原発のゴミが詰め
込まれていた。つまり、使用済み燃料全体から出る崩壊熱は、
以前に比べて多くなる。電源喪失により、プールの水を循環で
きなくなり、冷却できなくなり、プールの水がすこしずつ蒸発
し、使用済み核燃料が水面から露出し、崩壊熱により水素が発
生し爆発した。つまり、原発のゴミの処理に困り果て、プール
に異常に詰め込んだことが被害を大きくしたことになる。この
ことも何も知らされていない。
>
>
>
> 5.外部被ばくと内部被ばくの違い
>
>
>
> 何度も水素爆発が起き、死の灰が福島地方に降り注ぎ、さら
に首都東京にも少しずつ届いている。しかし、原子力の専門家
も政府もテレビも、健康に心配ないと繰り返している。その際
、レントゲン撮影に比べたら低い値だと強調し、国民をだまし
続けている。外から放射線を受けるのを外部被ばくというが、
レントゲン撮影は外部被爆のことである。 健康に心配なのは
、外部被ばくよりも、放射性物質を吸い込み体の中から被ばく
する内部被ばくのほうである。政府も専門家も、わざと外部被
ばくと内部被ばくを同等に扱い、健康に心配ないと国民をだま
し続けている。
>
>
>
> 6. 内部被ばくの恐ろしさ
>
>
>
> 外部被ばくは、瞬間の被ばくである。放射線の量が多ければ
、それに比例して癌になるリスクが高まる。しかし、内部被ば
くの場合は、体の中にある放射性物質が、じわじわと長期間に
わたって放射線を出す。そのため放射線によって周りの細胞は
破壊される。具体的には、免疫細胞が破壊され、遺伝子が傷つ
くことになる。そのため、放射線の量がごくごく微量でも、健
康に被害が出る。内部被ばくの場合は、10年後、20年後に
癌にかかるということになる。内部被ばくの恐ろしさは、目に
みえないごくごく小さなほこりを吸い込み、被ばくしたとはし
らないうちに癌にかかるリスクが高まっていくということにあ
る。 政府や専門家やマスコミは、この内部被ばくの恐ろしさ
を、まったく国民に知らせていない。
>
>
>
> 終わりに 日本の悲劇から世界の悲劇へ
>
>
>
> 本当のことを何も知らされないまま、おおくのにほんじんが
放射性物質にさらされています。このままだと日本の子供たち
は危ないです。内部被ばくした子供たちの遺伝子は傷つき、傷
ついた遺伝子は10年後、20年後、子供たちの体に襲いかか
ってくるのです。 悲劇は始まったばかりなのです。悲劇が始
まっているのに、その悲劇を日本人は知らされていません。日
本人が日本人を救えないのです。日本人の多くが、政府に悲劇
を訴えかけております。しかし、なかなか日本政府は本当のこ
とを言いません。福島原発の悲劇は、すでに全世界の悲劇へと
発展しています。全世界の人たちに心より訴えかけます。全世
界で原発を一刻も早く停止するようにこころより訴えかけます
。
> ◆破局は避けられるか――福島原発事故の真相
広瀬隆
> >
> >
> 2011年3月11日、東北地方三陸沖地震が起こって、福島第一
原発1号機で格納容器内の圧力が異常に上昇し、そのあと建屋
が爆発。続いて3号機も同じく爆発。さらに2号機は、格納容器
内にあるサプレッションプール(圧力抑制室)が破損した。破
損が進めば絶望的な破局に向かう。これと並行して、日本人の
頭の上に大量の放射能放出を始めた。一体、何が起こったのか
。
> >
> >
> ○「想定外」の言葉を濫用する電力会社とマスメディアの異
常津波そのものによる天災は、避けることができない。これは
日本人の宿命である。
> >
> しかし福島原発で起こったこの悲惨な事故は人災である。そ
れを起こした責任者は、電力会社だけではなく、これまで何も
この事態を警告をしなかったテレビと、テレビ
> >
> に出てデタラメを解説している専門家と呼ばれる大学教授た
ちである。
> >
> >
> 2011年3月11日14時46分頃、北緯38.0度、東経142.9度の三陸
沖、牡鹿半島東南東130km付近、震源深さ24kmで、マグニチュ
ード9.0の巨大地震が発生した。マグニチュードが当初8.4→次
に8.8→最後に9.0に修正されてきたことが、疑わしい。原発事
故が進んだために、「史上最大の地震」にしなければならない
人間たちが数値を引き上げたのだと思う。これは四川大地震の
時に中国政府がとった態度と同じである。
> >
> >
> 地震による揺れは、宮城県栗原市築館(つきだて)で2933ガ
ルを観測し、重力加速度の3倍である。しかし2008年の岩手・
宮城内陸地震では、マグニチュード7.2で、岩手県一関市内の
観測地点で上下動3866ガルを記録している。今回より大きい。
> >
> >
> NHKなどは「1000年に1度の巨大地震」と強調するが、この東
北地方三陸沖地震の実害と、原発震災を起こした原因は、津波
であった。では、津波の脅威は、誰にも予測できなかったもの
なのか。日本の沿岸地震では、ほんの100年前ほどの1896年(
明治29年)の明治三陸地震津波で、岩手県沿岸の綾里(りょう
り)では8.2m、吉浜(よしはま)24.4m、田老(たろう)14.6m
の津波高さが記録されている。「想定外」の言葉を安っぽく濫
用するなとマスメディアに言いたい。被害が出たあとに、被害
を解析してくれても困る。事故後に、「想定できなかった」と
いうことは、専門家ではない、ということだ。すべて私のごと
き人間に想定でき、昨年8月に発刊した『原子炉時限爆弾~大
地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社)に書いたことば
かりが起こったのである。電力会社が「故意に想定しなかった
」だけであり、想定しなかったその責任は、被曝者に対してき
わめて重大である。
> >
> > ○冷温停止に至っているのは原子炉11基のうち3基だけ
> >
> >
>
昨年のことから理解しておくべきである。昨年3月25日に、1971
年3月26日に運転を開始した福島第一原発1号機について、東京
電力は、この原発が40年を迎えるというに、超老朽化原発の運
転続行という暴挙を発表し、60年運転も可能だと暴言を吐いて
、原子力安全・保安院がそれを認めた。これは福井県の敦賀原
発・美浜原発に続く、きわめて危険な判断であった。さらに昨
年10月26日、営業運転開始から34年が経過した老朽化原発・福
島第一原発3号機でプルトニウム燃料を使った危険なプルサー
マル営業運転に入った。
> >
> >
> 地震発生時の運転状況は、○福島第一1・2・3号機は運転中
→スクラム(緊急自動停止)4・5・6号機は定検停止中○福島
第二1・2・3・4号機はすべて運転中→スクラム。制御棒が挿入
され、核分裂反応は、全機が停止した。しかし……
> >
> >
> 地震発生後、原発は「止める」「冷やす」「閉じ込める」機
能があるので大丈夫だ
> >
> と宣伝してきたが、ほかの原発も含めて、自動停止した11基
の原子炉のうち、原子炉内の温度が100℃以下で、圧力も大気
圧に近い状態で安定した「冷温停止」に至っているのは、地震4
日目の14日現在、福島第二原発3号機と女川原発1・3号機の3基
だけであり、残り8基が迷走運転中である。
> >
> >
> ○炉心溶融(メルトダウン)は2800℃どころか、わずか600
℃で起こる
> >
> 電気出力100万kW原子炉では、熱出力がその3倍の330万kWあ
る。この原子炉では、原子炉自動停止しても、その後に核分裂
生成物が出し続ける崩壊熱は、1日後にも、1万5560kWもある。
またその発熱量がどれほど小さくなっても、永遠に熱を出し続
けるので、燃料棒が原子炉にある限り、それを除去し続けなけ
ればならない。なぜなら、原子炉という閉じ込められた容器内
では、熱がどんどんたまってゆくからである。
> >
> >
> それを除去できなければ、水は100℃で沸騰するから、水が
なくなり、燃料棒がむき出しになる。そうなれば、超危険な放
射性物質が溶け出し、燃料棒の集合体が溶け落ちる。それが炉
心熔融であり、メルトダウンと呼ばれる。燃料棒の集合体が次
々に溶け落ちると、炉の底にたまって、ますます高温になり、
灼熱状態になる。やがて原子炉圧力容器の鋼鉄を溶かし、お釜
の底が抜けると、すべての放射性物質が、外に出て行く。これ
が「チャイナ・シンドローム」と呼ばれる現象である。
> >
> >
> 一方、燃料棒被覆管のジルコニウムが水と反応して酸化され
るので、水素ガスを発生する。水素ガスの爆発限界は、最小値
が4.2%であるから、この濃度になれば爆発する。原子炉の正
常な運転条件は、福島原発のような沸騰水型では、280~290℃
、70気圧である。従来は燃料棒の過熱温度が2800℃で炉心溶融
が起こるとされていたが、スリーマイル島原発事故などの解析
によって、実際には600℃で起こることが明らかになった(2009
年7月6日~7日にNHK・BS1で放映されたフランス製ドキュメン
ト「核の警鐘~問われる原発の安全性」)。NHKなどは、御用
学者を動員して「史上空前のマグニチュード9.0」を強調して
いるが、建物の崩壊状況を見て分る通り、実際の揺れは、兵庫
県南部地震(阪神大震災)のほうがはるかに強烈だった。この
地震被害の原因は、揺れではなく、ほとんどが津波であった。
> >
> >
> ○地球の動きがもらたす未曾有の「原発震災」が現実化した
> >
> 福島第一原発では、地震から1時間後、15時42分に全交流電
源が喪失して、外部からの電気がまったく来なくなった。あと
は、所内の電源が動かなければ、何もできない状態である。と
ころがそこに津波が襲って、15時45分にオイルタンクが流失し
て、さらに配電盤などの配線系統が水びたしになって、内部は
どうにもならなくなった。初めは炉心に水を注入するためのECCS
(緊急炉心冷却装置)を作動したが、すぐに注水不能となった
。非常用ディーゼル発電機はまったく作動しない。電気回路が
大量の水を浴びて、配線系統がどうにもならない。コンピュー
ターも何もかも、電気がなければ何もできない。
> >
> >
> このような所内電源と非常用ディーゼル発電機による電力の
すべてが失われた事態
> >
> に備えて、原子炉隔離時冷却系と呼ばれるECCSの一種がある
。これは、炉心の崩壊熱による蒸気を利用してタービンを起動
させ、ポンプを駆動して注水する装置である。しかし、これも
制御機能が失われれば、駄目になる。
> >
> >
> そもそも、地震発生当初から、非常用ディーゼル発電機がま
ったく働かないという
> >
> のだから、電源車が到着したかどうかに鍵があるのに、その
最も重要なことについて
> >
> さえ、報道されなかった。テレビの報道陣が、いかに原発事
故について無知であるか
> > をさらけ出した。
> >
> >
> そして1号機の原子炉内の水位がぐんぐん下がり始めた。非
常用復水器と原子炉隔離時冷却系によって、何とか水位の復帰
につとめたが、格納容器(ドライウェル)内の圧力が、設計上
の使用最高圧力4気圧をはるかに上回る8気圧に達している可能
性が高く、加えて、除熱ができていないので、水位が下がって
ゆき、4メートルの燃料棒の頭は、1メートル以上が水の上に顔
を出した。
> >
> >
> 事故の経過を見ると、悲観的にならざるを得ない。もうすで
に、事故解析の段階は
> >
> 過ぎたようだ。15日昼頃には、敷地内での放射能が通常の3
60万倍に達した。テレビでは、コメンテーターも政府もみな
、微量、微量と言い続けた。ここまでくれば、みな、おそるべ
き犯罪者たちである。さらに2号機では、格納容器の破損が起
こり、4号機では建屋内の使用済み核燃料のプールが沸騰を始
めたという。ここには、原子炉より多くの放射性物質が入って
いる。作業者が近づけない場所である。福島第一原発の6基の
うち、1基がメルトダウンすれば、そこには職員がいられなく
なる。すべてを放棄して逃げ出すだろう。あとは連鎖的に事故
が起こる。
> >
> >
> この発電所には、全部合わせて、事故を起こしたチェルノブ
イリ原発の10倍を超える
> >
> 放射能があると思われる。あとは、この放射能が無害である
と、政府と原子力安全保安院と電力会社とテレビの御用学者た
ちは言い続けるはずだ。もし日本の国民が愚かであればそれを
信じて、汚染野菜を食べることだろう。明日、すぐには死なな
いからだ。しかし間違いなく発癌することが分っている。津波
の被害でみな、泣きそうな状態になっているというのに、その
上に放射能を浴びせるとは、ひどすぎると思わな
> >
> いだろうか。子供たちを守れるのは、事実を知っているあな
ただけである。
>
> >
> >
> > 『原子炉時限爆弾』で、私はこう書いた。
> >
> >
> ──「10年後に、日本という国があるのだろうか」と尋ねら
れれば、「かなり確率の
> >
> 高い話として、日本はないかも知れない」と、悪い予感を覚
える。……この先には、まったく報じられない、とてつもなく
巨大な暗黒時代が待ち受けているのだ。その正体は、想像した
くもないが、人知のおよばない地球の動きがもたらす「原発震
災」の恐怖である。──と。
> >
> >
> その通りになってしまったのだとすれば、悔やんでも悔や
みきれない。
>
本当に残念なことながら、情勢はますます厳しい方向に進んでいます。
このようなことを書くのは苦痛です。しかし必要を感じるので書きます。
報道を見ている限り、政府も東電も、どんどん手詰まりになっているように
思えます。特に深刻な危機に陥っているのは、福島第一原発1号機から
4号機までですが、今、焦点があたっているのは、プルサーマルを行って
いた3号機の燃料棒付近からの水蒸気らしきものの発生です。
これは3号機の使用済み核燃料棒貯蔵プールの水位が下がっているために
燃料棒が過熱して起こっているわけですが、これに対する対処がほとんど
まる1日できてこなかった。しかも今日の午前中に、自衛隊ヘリからの放水が
行われましたが、あまり効果があったとは思えません。
テレビのコメンテーターによれば、1日に50トンの水が冷却に必要なそうですが、
そもそも自衛隊機は7・5トンを4回しか運べていない。しかも映像でみていると
多くは、3号機の建物にもあたっていませんでした。
この後、警視庁第一機動隊の高圧放水車と、自衛隊の放水車で、30トンの
放水が行われようとしています。これもがどれほどの効果をあげられるのか。
もちろんこうした試みのすべてがうまくいって欲しいです。しかし最低でも100トン
以上、あるいはもっと大量の水を放水しないととても届かないと思われます。
このやり方を批判しているのではありませんが、もうこんな方法しか残って
いないのかと、嘆息せざるを得ません。
こうした危機的な状態に対して、2人の方が、極めて悲観的な見通しを宣言して
います。広瀬隆さんは、原発震災、とくに津波による原発の崩壊を繰り返し、
繰り返し、述べられてきた方です。そのため「だからあれほど言ったじゃないか、
あれほど止めろと言ったじゃないか」という思いがあふれていて、よりコメントは
厳しいです。読んだら落ち込むかもしれないと思いますが、どうかみなさん、
希望的観測だけに流れてしまなわにように、これと向き合ってください。
一方で、片岡(栗田)さんが、原発設計者が、積極的に提言を行っている
ツイートを見つけてくれました。この方は、まだまだ方法があり、それが
届かないのが悔しいと書いています。
http://twitter.com/#!/ueharams
この内容に対する真偽判断は、現場を知っている方でしかできないと
思うのですが、「事態を止めることは可能だ」と言う方がいるのならば、ぜひ
その知恵が現場に届いて欲しいです。
> 2011年3月16日
>
>
>
> 日本の悲劇 -東北巨大地震と福島原発
>
> ~本当のことを何も知らされない日本人~
>
>
>
> 北海道岩内原発研究会代表 斉藤武一
>
>
>
> はじめに
>
>
>
> 太平洋沿岸に並んでいる10基の福島原発が次々と深刻な状
態になっている。どんなことが起きているのか、日本人は何も
知らされていない。さらに、これから起きる本当の悲劇のこと
も何も知らされていない。今もなお、電力会社と政府と原子力
工学の専門家とマスコミは、本当のことを国民に欠くし、国民
をだまし続けている。
>
>
>
> 1. 福島原発の弱点
>
>
>
> 原発には。加圧型(PWR)と沸騰水型(BWR)があるが
、福島原発はBWRタイプである。BWRの弱点は二つある。
一つは、ブレーキに当たる制御棒が圧力容器の下から挿入さ
れるという点にある。制御棒は、竹やりのような形で圧力容器
の下にぶら下がっている。制御棒は水圧で押し上げるが、ぶら
下がっているため、地震で揺れた時は、制御棒が入りずらいと
いう弱点がある。今回の地震では、「幸運にも」制御棒が入り
、原子炉が停止したということを日本人は知らされていない。
>
> そして、二つ目の弱点は、圧力容器内の水を循環される循環
ポンプにある。BWRは、構造上、循環ポンプが圧力容器の外
にぶらさがっている形になっている。そのため地震の震動に対
して非常に脆い。循環ポンプは、燃料棒を冷却する重要な役目
があり、今回、原子炉が停止した後、崩壊熱を出し続ける燃料
棒を冷却ができなくなった理由は、循環ポンプの弱点のあるこ
とを、国民は知らされていない。
>
>
>
> 2.
> 非常用発電機が津波で流されていた
>
>
>
> 原発では、通常は内部電力といい原発自身が作った電気を使
って運転されている。地震で原子炉が停止すると、最初に内部
電力がなくなる。 すると、外部電力といい送電線から電力が
供給されることになっている。しかし、地震で外部電力もこな
かった。
>
> その時は、非常用ディーゼル発電機が作動することになって
いるが、大津波で発電機のある施設をすべて押し流していた。
しかし、電力会社は、津波で発電機が不能になったという程度
で、施設そのものが流されていたという重大な事実を隠してい
た。やがてバッテリーもきれ、福島原発は、電気がなくなり、
完全に不能となり、電源喪失に陥る。 そして、電源喪失とい
う重大事故は、福島原発の第一原発の2号機で、巨大地震の9
か月前の2010年6月17日にも起きていた。その反省もな
いまま放置していた。
>
>
>
> 3.
> なぜ放射性物質が大量に放出されたのか
>
>
>
> 原発で、どのような燃料を使っているのか何も知らされてい
ない。 まず、ウラン燃料であるが、現在は4.8%という濃
度が高いものをつかっている。高燃焼度燃料というものである
。濃度が高いということは、核分裂によって生まれる死の灰の
放射性が高まる。さらに、燃えた後の使用済み燃料は、濃度の
低い燃料より多くの崩壊熱を出し続ける。そして、福島原発第
一原発3号機 (Iの3号)では、高い濃度のウラン燃料に加
え、プレトニウム燃料も使っている。プレトニウムは、ウラン
よりも激しく燃えるため、死の灰の放射能レベルは高く、燃や
した後の使用済み核燃料の崩壊熱も高い。つまり、冷却するこ
とができなくなり、燃料棒が推移面から露出して、水素が発生
し、格納容器が爆発したとき、大量の放射性物質が放出された
のは、燃料に大量の死の灰が入っていたからである。福島Iの
3号機のしゅうへんで400ミリシーベルト(mSv)という
とても高いレベルになったのは、濃度の高いウラン燃料とプレ
トニウムによるものである。このことも、日本人には何もしら
されていない。プレトニウムから生まれる死の灰の恐ろしさが
隠されている。
>
>
>
> 4. 使用済み核燃料が爆発した
>
>
>
> 福島第一原発4号機のプールに保管してある使用済み核燃料
から水素が発生し爆発した。なぜ爆発したのか、これも本当の
ことが隠されている。にほんでは、原発が出るゴミである使用
済み核燃料が大量に出てきて、その保管に困り果てている。そ
のため、プールには、昔に比べてぎっしりと原発のゴミが詰め
込まれていた。つまり、使用済み燃料全体から出る崩壊熱は、
以前に比べて多くなる。電源喪失により、プールの水を循環で
きなくなり、冷却できなくなり、プールの水がすこしずつ蒸発
し、使用済み核燃料が水面から露出し、崩壊熱により水素が発
生し爆発した。つまり、原発のゴミの処理に困り果て、プール
に異常に詰め込んだことが被害を大きくしたことになる。この
ことも何も知らされていない。
>
>
>
> 5.外部被ばくと内部被ばくの違い
>
>
>
> 何度も水素爆発が起き、死の灰が福島地方に降り注ぎ、さら
に首都東京にも少しずつ届いている。しかし、原子力の専門家
も政府もテレビも、健康に心配ないと繰り返している。その際
、レントゲン撮影に比べたら低い値だと強調し、国民をだまし
続けている。外から放射線を受けるのを外部被ばくというが、
レントゲン撮影は外部被爆のことである。 健康に心配なのは
、外部被ばくよりも、放射性物質を吸い込み体の中から被ばく
する内部被ばくのほうである。政府も専門家も、わざと外部被
ばくと内部被ばくを同等に扱い、健康に心配ないと国民をだま
し続けている。
>
>
>
> 6. 内部被ばくの恐ろしさ
>
>
>
> 外部被ばくは、瞬間の被ばくである。放射線の量が多ければ
、それに比例して癌になるリスクが高まる。しかし、内部被ば
くの場合は、体の中にある放射性物質が、じわじわと長期間に
わたって放射線を出す。そのため放射線によって周りの細胞は
破壊される。具体的には、免疫細胞が破壊され、遺伝子が傷つ
くことになる。そのため、放射線の量がごくごく微量でも、健
康に被害が出る。内部被ばくの場合は、10年後、20年後に
癌にかかるということになる。内部被ばくの恐ろしさは、目に
みえないごくごく小さなほこりを吸い込み、被ばくしたとはし
らないうちに癌にかかるリスクが高まっていくということにあ
る。 政府や専門家やマスコミは、この内部被ばくの恐ろしさ
を、まったく国民に知らせていない。
>
>
>
> 終わりに 日本の悲劇から世界の悲劇へ
>
>
>
> 本当のことを何も知らされないまま、おおくのにほんじんが
放射性物質にさらされています。このままだと日本の子供たち
は危ないです。内部被ばくした子供たちの遺伝子は傷つき、傷
ついた遺伝子は10年後、20年後、子供たちの体に襲いかか
ってくるのです。 悲劇は始まったばかりなのです。悲劇が始
まっているのに、その悲劇を日本人は知らされていません。日
本人が日本人を救えないのです。日本人の多くが、政府に悲劇
を訴えかけております。しかし、なかなか日本政府は本当のこ
とを言いません。福島原発の悲劇は、すでに全世界の悲劇へと
発展しています。全世界の人たちに心より訴えかけます。全世
界で原発を一刻も早く停止するようにこころより訴えかけます
。
> ◆破局は避けられるか――福島原発事故の真相
広瀬隆
> >
> >
> 2011年3月11日、東北地方三陸沖地震が起こって、福島第一
原発1号機で格納容器内の圧力が異常に上昇し、そのあと建屋
が爆発。続いて3号機も同じく爆発。さらに2号機は、格納容器
内にあるサプレッションプール(圧力抑制室)が破損した。破
損が進めば絶望的な破局に向かう。これと並行して、日本人の
頭の上に大量の放射能放出を始めた。一体、何が起こったのか
。
> >
> >
> ○「想定外」の言葉を濫用する電力会社とマスメディアの異
常津波そのものによる天災は、避けることができない。これは
日本人の宿命である。
> >
> しかし福島原発で起こったこの悲惨な事故は人災である。そ
れを起こした責任者は、電力会社だけではなく、これまで何も
この事態を警告をしなかったテレビと、テレビ
> >
> に出てデタラメを解説している専門家と呼ばれる大学教授た
ちである。
> >
> >
> 2011年3月11日14時46分頃、北緯38.0度、東経142.9度の三陸
沖、牡鹿半島東南東130km付近、震源深さ24kmで、マグニチュ
ード9.0の巨大地震が発生した。マグニチュードが当初8.4→次
に8.8→最後に9.0に修正されてきたことが、疑わしい。原発事
故が進んだために、「史上最大の地震」にしなければならない
人間たちが数値を引き上げたのだと思う。これは四川大地震の
時に中国政府がとった態度と同じである。
> >
> >
> 地震による揺れは、宮城県栗原市築館(つきだて)で2933ガ
ルを観測し、重力加速度の3倍である。しかし2008年の岩手・
宮城内陸地震では、マグニチュード7.2で、岩手県一関市内の
観測地点で上下動3866ガルを記録している。今回より大きい。
> >
> >
> NHKなどは「1000年に1度の巨大地震」と強調するが、この東
北地方三陸沖地震の実害と、原発震災を起こした原因は、津波
であった。では、津波の脅威は、誰にも予測できなかったもの
なのか。日本の沿岸地震では、ほんの100年前ほどの1896年(
明治29年)の明治三陸地震津波で、岩手県沿岸の綾里(りょう
り)では8.2m、吉浜(よしはま)24.4m、田老(たろう)14.6m
の津波高さが記録されている。「想定外」の言葉を安っぽく濫
用するなとマスメディアに言いたい。被害が出たあとに、被害
を解析してくれても困る。事故後に、「想定できなかった」と
いうことは、専門家ではない、ということだ。すべて私のごと
き人間に想定でき、昨年8月に発刊した『原子炉時限爆弾~大
地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社)に書いたことば
かりが起こったのである。電力会社が「故意に想定しなかった
」だけであり、想定しなかったその責任は、被曝者に対してき
わめて重大である。
> >
> > ○冷温停止に至っているのは原子炉11基のうち3基だけ
> >
> >
>
昨年のことから理解しておくべきである。昨年3月25日に、1971
年3月26日に運転を開始した福島第一原発1号機について、東京
電力は、この原発が40年を迎えるというに、超老朽化原発の運
転続行という暴挙を発表し、60年運転も可能だと暴言を吐いて
、原子力安全・保安院がそれを認めた。これは福井県の敦賀原
発・美浜原発に続く、きわめて危険な判断であった。さらに昨
年10月26日、営業運転開始から34年が経過した老朽化原発・福
島第一原発3号機でプルトニウム燃料を使った危険なプルサー
マル営業運転に入った。
> >
> >
> 地震発生時の運転状況は、○福島第一1・2・3号機は運転中
→スクラム(緊急自動停止)4・5・6号機は定検停止中○福島
第二1・2・3・4号機はすべて運転中→スクラム。制御棒が挿入
され、核分裂反応は、全機が停止した。しかし……
> >
> >
> 地震発生後、原発は「止める」「冷やす」「閉じ込める」機
能があるので大丈夫だ
> >
> と宣伝してきたが、ほかの原発も含めて、自動停止した11基
の原子炉のうち、原子炉内の温度が100℃以下で、圧力も大気
圧に近い状態で安定した「冷温停止」に至っているのは、地震4
日目の14日現在、福島第二原発3号機と女川原発1・3号機の3基
だけであり、残り8基が迷走運転中である。
> >
> >
> ○炉心溶融(メルトダウン)は2800℃どころか、わずか600
℃で起こる
> >
> 電気出力100万kW原子炉では、熱出力がその3倍の330万kWあ
る。この原子炉では、原子炉自動停止しても、その後に核分裂
生成物が出し続ける崩壊熱は、1日後にも、1万5560kWもある。
またその発熱量がどれほど小さくなっても、永遠に熱を出し続
けるので、燃料棒が原子炉にある限り、それを除去し続けなけ
ればならない。なぜなら、原子炉という閉じ込められた容器内
では、熱がどんどんたまってゆくからである。
> >
> >
> それを除去できなければ、水は100℃で沸騰するから、水が
なくなり、燃料棒がむき出しになる。そうなれば、超危険な放
射性物質が溶け出し、燃料棒の集合体が溶け落ちる。それが炉
心熔融であり、メルトダウンと呼ばれる。燃料棒の集合体が次
々に溶け落ちると、炉の底にたまって、ますます高温になり、
灼熱状態になる。やがて原子炉圧力容器の鋼鉄を溶かし、お釜
の底が抜けると、すべての放射性物質が、外に出て行く。これ
が「チャイナ・シンドローム」と呼ばれる現象である。
> >
> >
> 一方、燃料棒被覆管のジルコニウムが水と反応して酸化され
るので、水素ガスを発生する。水素ガスの爆発限界は、最小値
が4.2%であるから、この濃度になれば爆発する。原子炉の正
常な運転条件は、福島原発のような沸騰水型では、280~290℃
、70気圧である。従来は燃料棒の過熱温度が2800℃で炉心溶融
が起こるとされていたが、スリーマイル島原発事故などの解析
によって、実際には600℃で起こることが明らかになった(2009
年7月6日~7日にNHK・BS1で放映されたフランス製ドキュメン
ト「核の警鐘~問われる原発の安全性」)。NHKなどは、御用
学者を動員して「史上空前のマグニチュード9.0」を強調して
いるが、建物の崩壊状況を見て分る通り、実際の揺れは、兵庫
県南部地震(阪神大震災)のほうがはるかに強烈だった。この
地震被害の原因は、揺れではなく、ほとんどが津波であった。
> >
> >
> ○地球の動きがもらたす未曾有の「原発震災」が現実化した
> >
> 福島第一原発では、地震から1時間後、15時42分に全交流電
源が喪失して、外部からの電気がまったく来なくなった。あと
は、所内の電源が動かなければ、何もできない状態である。と
ころがそこに津波が襲って、15時45分にオイルタンクが流失し
て、さらに配電盤などの配線系統が水びたしになって、内部は
どうにもならなくなった。初めは炉心に水を注入するためのECCS
(緊急炉心冷却装置)を作動したが、すぐに注水不能となった
。非常用ディーゼル発電機はまったく作動しない。電気回路が
大量の水を浴びて、配線系統がどうにもならない。コンピュー
ターも何もかも、電気がなければ何もできない。
> >
> >
> このような所内電源と非常用ディーゼル発電機による電力の
すべてが失われた事態
> >
> に備えて、原子炉隔離時冷却系と呼ばれるECCSの一種がある
。これは、炉心の崩壊熱による蒸気を利用してタービンを起動
させ、ポンプを駆動して注水する装置である。しかし、これも
制御機能が失われれば、駄目になる。
> >
> >
> そもそも、地震発生当初から、非常用ディーゼル発電機がま
ったく働かないという
> >
> のだから、電源車が到着したかどうかに鍵があるのに、その
最も重要なことについて
> >
> さえ、報道されなかった。テレビの報道陣が、いかに原発事
故について無知であるか
> > をさらけ出した。
> >
> >
> そして1号機の原子炉内の水位がぐんぐん下がり始めた。非
常用復水器と原子炉隔離時冷却系によって、何とか水位の復帰
につとめたが、格納容器(ドライウェル)内の圧力が、設計上
の使用最高圧力4気圧をはるかに上回る8気圧に達している可能
性が高く、加えて、除熱ができていないので、水位が下がって
ゆき、4メートルの燃料棒の頭は、1メートル以上が水の上に顔
を出した。
> >
> >
> 事故の経過を見ると、悲観的にならざるを得ない。もうすで
に、事故解析の段階は
> >
> 過ぎたようだ。15日昼頃には、敷地内での放射能が通常の3
60万倍に達した。テレビでは、コメンテーターも政府もみな
、微量、微量と言い続けた。ここまでくれば、みな、おそるべ
き犯罪者たちである。さらに2号機では、格納容器の破損が起
こり、4号機では建屋内の使用済み核燃料のプールが沸騰を始
めたという。ここには、原子炉より多くの放射性物質が入って
いる。作業者が近づけない場所である。福島第一原発の6基の
うち、1基がメルトダウンすれば、そこには職員がいられなく
なる。すべてを放棄して逃げ出すだろう。あとは連鎖的に事故
が起こる。
> >
> >
> この発電所には、全部合わせて、事故を起こしたチェルノブ
イリ原発の10倍を超える
> >
> 放射能があると思われる。あとは、この放射能が無害である
と、政府と原子力安全保安院と電力会社とテレビの御用学者た
ちは言い続けるはずだ。もし日本の国民が愚かであればそれを
信じて、汚染野菜を食べることだろう。明日、すぐには死なな
いからだ。しかし間違いなく発癌することが分っている。津波
の被害でみな、泣きそうな状態になっているというのに、その
上に放射能を浴びせるとは、ひどすぎると思わな
> >
> いだろうか。子供たちを守れるのは、事実を知っているあな
ただけである。
>
> >
> >
> > 『原子炉時限爆弾』で、私はこう書いた。
> >
> >
> ──「10年後に、日本という国があるのだろうか」と尋ねら
れれば、「かなり確率の
> >
> 高い話として、日本はないかも知れない」と、悪い予感を覚
える。……この先には、まったく報じられない、とてつもなく
巨大な暗黒時代が待ち受けているのだ。その正体は、想像した
くもないが、人知のおよばない地球の動きがもたらす「原発震
災」の恐怖である。──と。
> >
> >
> その通りになってしまったのだとすれば、悔やんでも悔や
みきれない。
>