守田です。(20110325 11:55)
昨日、僕は、ロイター通信の記事に踏まえて、現在進行する事態は、
ゆっくりと進むチェルノブイリ級事故なのではないかという洞察を書きました。
これに対して、朝日新聞からも同様の内容を伝える記事が出ましたので
紹介します。
福島原発から放出された放射性ヨウ素は、3万から12万テラベクレル
それによると事故発生後、24日までに発生した放射性ヨウ素は、3万から
12万テラベクレル(テラは1兆倍)にもなるとのことで、事故レベルは、
スリーマイル島事故を超え、数千テラベクレルから数万テラベクレルの放射性
ヨウ素の放出にあたるレベル6になるとのことです。
これに対してチェルノブイリ原発事故での放出量は180万テラベクトル。
まだそこにはおよんでいませんが、福島原発はまだまだ放射性物質と放射線を
出し続けています。
ただしこの記事の後段には注意が必要です。ここでは次のようなことが載って
います。
汚染地での被害について、
「長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)は「チェルノブイリ原発事故後でも
小児甲状腺がん以外の健康障害は認められず、すぐに健康を害するとは
考えにくい。高い汚染が見つかった地域では、データをもとに住民と十分に
話し合って対応を考えてほしい」と話している。」
という記事です。
・・・とうとう、チェルノブイリ級事故であっても、「すぐに健康を害するとは考え
にくい」という言説が飛び出してきました!
ちなみに昨夜のNHKクローズアップ現代でも、「チェルノブイリの経験から
大人は被曝しても問題はない」という唖然とする断言が行われていました。
放射線量と被曝の関係についての整理を急ぐ必要があります。
現場の専門家が、福島原発の危機的状況を指摘
次に、原発の現状に関して、冷静な観点で、危機をも踏まえていると思われる
記事が産経新聞に載りましたので、紹介します。
妙な言い方ですが、こういうトーンの記事が出た方が、僕は少しだけ安心できる
ように思えました。現場が危機と正面から向かい合っている感じが伝わって
くるからです。
記事の中では
「今後の対策、展望は 電源が回復しても、1~3号機は炉心が一時的に
露出し、専門家は「予断を許さない状況に変わりはない」と口をそろえる。
注水できないという最悪シナリオを想定すれば、核燃料が溶け出し、
原子炉圧力容器を溶かして破壊するケースも否定し切れないという。」
と最悪のケースにもきちんと触れられています。
こうした認識があってこそ、最悪の事態を防止する最大限の力が発揮されうる
のではないでしょうか。しかも専門家が口をそろえているとのことで、私たちも
こうした現場の緊張感とタイアップしながら、それぞれの場で、自分たちを、
人々を、放射能から守る工夫を重ねたいものです。現場の命を削った奮闘と
手を取り合って、さらに努力を重ねましょう。
情報発信を続けます。
****************************
福島第一原発事故、スリーマイル超えレベル6相当に
東京電力福島第一原発の事故は、放出された放射能の推定量からみて、
国際評価尺度で大事故にあたる「レベル6」に相当することがわかった。
すでに米スリーマイル島原発事故(レベル5)を上回る規模になった。
局地的には、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に匹敵する土壌汚染も見つかっている。
放出は今も 続き、周辺の土地が長期間使えなくなる恐れがある。
原子力安全委員会は、SPEEDI(スピーディ)(緊急時迅速放射能影響予測)システムで
放射能の広がりを計算するため、各地での放射線測定値をもとに、
同原発からの1時間あたりの放射性ヨウ素の放出率を推定した。
事故発生直後の12日午前6時から24日午前0時までの放出量を単純計算すると、
3万~11万 テラベクレル(テラは1兆倍)になる。
国際原子力事象評価尺度(INES)は、
1986年のチェルノブイリ原発事故のような最悪の「レベル7=深刻な事故」を
数万テラベクレル以上の放出と定義する。
実際の放出量は約180万テラベクレルだったとされる。
今回は少なくともそれに次ぐ「レベル6」(数千~数万テラベクレル)に相当する。
経済産業省原子力安全・保安院は18日、
福島第一原発の1~3号機の暫定評価を「レベル5」と発表したが、
今後放出量の見積もりが進めば、再検討される可能性が高い。
土壌の汚染は、局地的には、チェルノブイリ事故と同レベルの場所がある。
原発から北西に約40キロ離れた福島県飯舘村では20日、
土壌1キログラムあたり16万3千ベクレルのセシウム137が出た。
県内で最も高いレベルだ。京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)によると、
1平方メートルあたりに換算して326万ベクレルになるという。
チェルノブイリ事故では、
1平方メートルあたり55万ベクレル以上のセシウムが検出された地域は強制移住の対象となった。
チェルノブイリで強制移住の対象となった地域の約6倍の汚染度になる計算だ。
今中さんは「飯舘村は避難が必要な汚染レベル。
チェルノブイリの放射能放出は事故から10日ほどでおさまったが 、
福島第一原発では放射能が出続けており、
汚染度の高い地域はチェルノブイリ級と言っていいだろう」と指摘した。
金沢大の山本政儀教授(環境放射能学)によると、
1メートル四方深さ5センチで、土壌の密度を1.5程度と仮定すると、
飯舘村の1平方メートルあたりのセシウム濃度は約1200万ベクレルに上る。
チェルノブイリの約20倍。「直ちに避難するレベルではないが、
セシウムは半減期が30年と長い。
その場に長年住 み続けることを考えると、土壌の入れ替えも必要ではないか」と話した。
健康への影響はどうか。チェルノブイリ原発事故では、
強制移住の地域では平均50ミリシーベルト程度の放射線を浴びたとされる。
しかし汚染地での長期の住民健康調査では、成人では白血病などの発症率は増えていない。
甲状腺がんは増えたが、事故当時小児だった住民が
放射性ヨウ素で汚染された牛乳などを飲んで内部被曝(ひばく)したためとみられている。
飯舘村の24日午後までの放射線の総量は、3.7ミリシーベルトだ。
長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)は
「チェルノブイリ原発事故後でも小児甲状腺がん以外の健康障害は認められず、
すぐに健康を害するとは考えにくい。高い汚染が見つかった地域では、
データをもとに住民と十分に話し合って対応を考えてほしい」と話している。
2011年3月25日3時0分 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0324/TKY201103240465.html
電源回復「これから本当の勝負」どうなる福島第1原発
東日本大震災で深刻な被害を受けた東京電力福島第1原発の1~4号機で
通電が可能な状態になり、復旧に向け光明が差しつつあるが、
専門家は「電源回復だけで事態が好転するわけではない」と、楽観を警戒する。
第1原発は今後どうなるのか。
核燃料が残されたままの1~3号機の原子炉圧力容器内では一部炉心 が溶融した可能性もあり、
専門家は「予断を許さない状況に変わりなく、これからが本当の勝負」とみる。
■当面の状況は原発を運転・監視する“頭脳”である中央制御室の電源が回復すれば、
原子炉の状況が正確に把握できるようになると期待される。
京都大原子炉実験所の宇根崎博信教授(原子力基礎工学)は
「電源回復で計測機器のデータが正確なのか把握でき、
故障箇所が分かれば修理すべきところもはっきりする」と強調 する。
大阪大の宮崎慶次名誉教授(原子力工学)も
「放射性物質(放射能)を除去できる空調を動かして放射能レベルを下げられ、
中央制御室での長時間作業が可能になる。照明で夜間も作業できる」と期待を示す。
ただ、専門家は「電源回復=設備復旧」という単純な見方には否定的だ。
宇根崎教授は「電源回復でも、本格的復旧にはまだ時間がかかる」とし、
九州大学の工藤和彦特任教授(原子力工学)も「電源回復と機能復旧は違う。
ただちに原子炉の状況が好転するとは限らない」と指摘する。
課題は何か。
電源が回復しても冷却水を循環する冷却システム自体が損傷などで機能しない可能性があるが、
「機器がどれだけ壊れているのかも分からない」(工藤特任教授)。
機器の健全性確認が急務となる。
■懸念材料は 懸念材料は機器損傷だけではない。
「現場で対応している作業員の体力、精神力は限界に達している。
ヒューマンエラーの発生が懸念される」と指摘するのは、宇根崎教授だ。
実際、14日には職員がパトロールで目を離したすきに、
2号機へ海水を注入していたポンプが燃料切れで停止。原子炉内の水位が低下し、
“空だき”状態になる事態が発生した。
宇根崎教授は「電源回復で新しい作業が増えると、今まで以上に慎重さが求められる」
と警鐘を鳴らす。
一方、原子炉や使用済み核燃料貯蔵プールに注入された海水が故障原因となったり、
海水の蒸発で結晶化した塩が燃料棒に付着、冷却を妨げる恐れもあり、
工藤特任教授は「海水は緊急避難措置。早く真水に変えるべきだ」と強調する。
■今後の対策、展望は 電源が回復しても、1~3号機は炉心が一時的に露出し、
専門家は「予断を許さない状況に変わりはない」と口をそろえる。
注水できないという最悪シナリオを想定すれば、核燃料が溶け出し、
原子炉圧力容器を溶かして破壊するケースも否定し切れないという。
ただ、冷却水を供給する本来のシステムが復旧しなかった場合でも、
熱交換器と呼ばれる装置を緊急的に取り付けて冷却させることが可能だといい、
工藤特任教授は「核燃料が完全に溶けて大きな核分裂反応につながることはない。
冷やすことが大事だ」と話す。
一方、原子炉建屋が壊れ、放射性物質を含んだ水蒸気を
大気中に放出したとみられる使用済み核燃料貯蔵プールも厳しい状況だ。
工藤特任教授は「放射能の放出を抑えるには、
今後、コンクリートか鋼鉄製のふたで密封することが必要」と指摘している。
産経新聞 3月24日(木)20時27分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110324-00000638-san-soci
昨日、僕は、ロイター通信の記事に踏まえて、現在進行する事態は、
ゆっくりと進むチェルノブイリ級事故なのではないかという洞察を書きました。
これに対して、朝日新聞からも同様の内容を伝える記事が出ましたので
紹介します。
福島原発から放出された放射性ヨウ素は、3万から12万テラベクレル
それによると事故発生後、24日までに発生した放射性ヨウ素は、3万から
12万テラベクレル(テラは1兆倍)にもなるとのことで、事故レベルは、
スリーマイル島事故を超え、数千テラベクレルから数万テラベクレルの放射性
ヨウ素の放出にあたるレベル6になるとのことです。
これに対してチェルノブイリ原発事故での放出量は180万テラベクトル。
まだそこにはおよんでいませんが、福島原発はまだまだ放射性物質と放射線を
出し続けています。
ただしこの記事の後段には注意が必要です。ここでは次のようなことが載って
います。
汚染地での被害について、
「長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)は「チェルノブイリ原発事故後でも
小児甲状腺がん以外の健康障害は認められず、すぐに健康を害するとは
考えにくい。高い汚染が見つかった地域では、データをもとに住民と十分に
話し合って対応を考えてほしい」と話している。」
という記事です。
・・・とうとう、チェルノブイリ級事故であっても、「すぐに健康を害するとは考え
にくい」という言説が飛び出してきました!
ちなみに昨夜のNHKクローズアップ現代でも、「チェルノブイリの経験から
大人は被曝しても問題はない」という唖然とする断言が行われていました。
放射線量と被曝の関係についての整理を急ぐ必要があります。
現場の専門家が、福島原発の危機的状況を指摘
次に、原発の現状に関して、冷静な観点で、危機をも踏まえていると思われる
記事が産経新聞に載りましたので、紹介します。
妙な言い方ですが、こういうトーンの記事が出た方が、僕は少しだけ安心できる
ように思えました。現場が危機と正面から向かい合っている感じが伝わって
くるからです。
記事の中では
「今後の対策、展望は 電源が回復しても、1~3号機は炉心が一時的に
露出し、専門家は「予断を許さない状況に変わりはない」と口をそろえる。
注水できないという最悪シナリオを想定すれば、核燃料が溶け出し、
原子炉圧力容器を溶かして破壊するケースも否定し切れないという。」
と最悪のケースにもきちんと触れられています。
こうした認識があってこそ、最悪の事態を防止する最大限の力が発揮されうる
のではないでしょうか。しかも専門家が口をそろえているとのことで、私たちも
こうした現場の緊張感とタイアップしながら、それぞれの場で、自分たちを、
人々を、放射能から守る工夫を重ねたいものです。現場の命を削った奮闘と
手を取り合って、さらに努力を重ねましょう。
情報発信を続けます。
****************************
福島第一原発事故、スリーマイル超えレベル6相当に
東京電力福島第一原発の事故は、放出された放射能の推定量からみて、
国際評価尺度で大事故にあたる「レベル6」に相当することがわかった。
すでに米スリーマイル島原発事故(レベル5)を上回る規模になった。
局地的には、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に匹敵する土壌汚染も見つかっている。
放出は今も 続き、周辺の土地が長期間使えなくなる恐れがある。
原子力安全委員会は、SPEEDI(スピーディ)(緊急時迅速放射能影響予測)システムで
放射能の広がりを計算するため、各地での放射線測定値をもとに、
同原発からの1時間あたりの放射性ヨウ素の放出率を推定した。
事故発生直後の12日午前6時から24日午前0時までの放出量を単純計算すると、
3万~11万 テラベクレル(テラは1兆倍)になる。
国際原子力事象評価尺度(INES)は、
1986年のチェルノブイリ原発事故のような最悪の「レベル7=深刻な事故」を
数万テラベクレル以上の放出と定義する。
実際の放出量は約180万テラベクレルだったとされる。
今回は少なくともそれに次ぐ「レベル6」(数千~数万テラベクレル)に相当する。
経済産業省原子力安全・保安院は18日、
福島第一原発の1~3号機の暫定評価を「レベル5」と発表したが、
今後放出量の見積もりが進めば、再検討される可能性が高い。
土壌の汚染は、局地的には、チェルノブイリ事故と同レベルの場所がある。
原発から北西に約40キロ離れた福島県飯舘村では20日、
土壌1キログラムあたり16万3千ベクレルのセシウム137が出た。
県内で最も高いレベルだ。京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)によると、
1平方メートルあたりに換算して326万ベクレルになるという。
チェルノブイリ事故では、
1平方メートルあたり55万ベクレル以上のセシウムが検出された地域は強制移住の対象となった。
チェルノブイリで強制移住の対象となった地域の約6倍の汚染度になる計算だ。
今中さんは「飯舘村は避難が必要な汚染レベル。
チェルノブイリの放射能放出は事故から10日ほどでおさまったが 、
福島第一原発では放射能が出続けており、
汚染度の高い地域はチェルノブイリ級と言っていいだろう」と指摘した。
金沢大の山本政儀教授(環境放射能学)によると、
1メートル四方深さ5センチで、土壌の密度を1.5程度と仮定すると、
飯舘村の1平方メートルあたりのセシウム濃度は約1200万ベクレルに上る。
チェルノブイリの約20倍。「直ちに避難するレベルではないが、
セシウムは半減期が30年と長い。
その場に長年住 み続けることを考えると、土壌の入れ替えも必要ではないか」と話した。
健康への影響はどうか。チェルノブイリ原発事故では、
強制移住の地域では平均50ミリシーベルト程度の放射線を浴びたとされる。
しかし汚染地での長期の住民健康調査では、成人では白血病などの発症率は増えていない。
甲状腺がんは増えたが、事故当時小児だった住民が
放射性ヨウ素で汚染された牛乳などを飲んで内部被曝(ひばく)したためとみられている。
飯舘村の24日午後までの放射線の総量は、3.7ミリシーベルトだ。
長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)は
「チェルノブイリ原発事故後でも小児甲状腺がん以外の健康障害は認められず、
すぐに健康を害するとは考えにくい。高い汚染が見つかった地域では、
データをもとに住民と十分に話し合って対応を考えてほしい」と話している。
2011年3月25日3時0分 朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0324/TKY201103240465.html
電源回復「これから本当の勝負」どうなる福島第1原発
東日本大震災で深刻な被害を受けた東京電力福島第1原発の1~4号機で
通電が可能な状態になり、復旧に向け光明が差しつつあるが、
専門家は「電源回復だけで事態が好転するわけではない」と、楽観を警戒する。
第1原発は今後どうなるのか。
核燃料が残されたままの1~3号機の原子炉圧力容器内では一部炉心 が溶融した可能性もあり、
専門家は「予断を許さない状況に変わりなく、これからが本当の勝負」とみる。
■当面の状況は原発を運転・監視する“頭脳”である中央制御室の電源が回復すれば、
原子炉の状況が正確に把握できるようになると期待される。
京都大原子炉実験所の宇根崎博信教授(原子力基礎工学)は
「電源回復で計測機器のデータが正確なのか把握でき、
故障箇所が分かれば修理すべきところもはっきりする」と強調 する。
大阪大の宮崎慶次名誉教授(原子力工学)も
「放射性物質(放射能)を除去できる空調を動かして放射能レベルを下げられ、
中央制御室での長時間作業が可能になる。照明で夜間も作業できる」と期待を示す。
ただ、専門家は「電源回復=設備復旧」という単純な見方には否定的だ。
宇根崎教授は「電源回復でも、本格的復旧にはまだ時間がかかる」とし、
九州大学の工藤和彦特任教授(原子力工学)も「電源回復と機能復旧は違う。
ただちに原子炉の状況が好転するとは限らない」と指摘する。
課題は何か。
電源が回復しても冷却水を循環する冷却システム自体が損傷などで機能しない可能性があるが、
「機器がどれだけ壊れているのかも分からない」(工藤特任教授)。
機器の健全性確認が急務となる。
■懸念材料は 懸念材料は機器損傷だけではない。
「現場で対応している作業員の体力、精神力は限界に達している。
ヒューマンエラーの発生が懸念される」と指摘するのは、宇根崎教授だ。
実際、14日には職員がパトロールで目を離したすきに、
2号機へ海水を注入していたポンプが燃料切れで停止。原子炉内の水位が低下し、
“空だき”状態になる事態が発生した。
宇根崎教授は「電源回復で新しい作業が増えると、今まで以上に慎重さが求められる」
と警鐘を鳴らす。
一方、原子炉や使用済み核燃料貯蔵プールに注入された海水が故障原因となったり、
海水の蒸発で結晶化した塩が燃料棒に付着、冷却を妨げる恐れもあり、
工藤特任教授は「海水は緊急避難措置。早く真水に変えるべきだ」と強調する。
■今後の対策、展望は 電源が回復しても、1~3号機は炉心が一時的に露出し、
専門家は「予断を許さない状況に変わりはない」と口をそろえる。
注水できないという最悪シナリオを想定すれば、核燃料が溶け出し、
原子炉圧力容器を溶かして破壊するケースも否定し切れないという。
ただ、冷却水を供給する本来のシステムが復旧しなかった場合でも、
熱交換器と呼ばれる装置を緊急的に取り付けて冷却させることが可能だといい、
工藤特任教授は「核燃料が完全に溶けて大きな核分裂反応につながることはない。
冷やすことが大事だ」と話す。
一方、原子炉建屋が壊れ、放射性物質を含んだ水蒸気を
大気中に放出したとみられる使用済み核燃料貯蔵プールも厳しい状況だ。
工藤特任教授は「放射能の放出を抑えるには、
今後、コンクリートか鋼鉄製のふたで密封することが必要」と指摘している。
産経新聞 3月24日(木)20時27分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110324-00000638-san-soci