明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

東北地方太平洋沖地震について( 5 )

2011年03月12日 23時30分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110312 23:30)

友人が、原子力事故が起こったとき、どのような格好で
逃げればいいのかなど、イラストで示した有効な情報を送って
くれました。貼り付けますので、ご活用下さい。


「原発で事故」「原発で放射能漏れ」と聞いたときの対処法
http://tabemono.info/report/image/ns127_genpathu3.jpg

原発事故に備えて常備しておくもの
http://tabemono.info/report/image/ns127_genpathu.jpg

原発からの距離で違う逃げ方
http://tabemono.info/report/image/ns127_genpathu2.jpg


とてもわかりやすい内容ですが、ただ1点、注意すべき点が。
ここに書かれている情報、とくに原発から10キロ、20キロ、30キロと
離れた場合の逃げ方や逃げる時期の目安は、あくまでも原発事故が
単独で起こったときを想定して書いたものだと思います。

今は、地震と津波で各地がとんでもないことになっているので、
逃げるのはより大変だと思います。道路の状況もよく分からないのでは。
なので、逃げるときはここに書いてあるよりは、もっと早めに行動した方
が良いです。この点を付け加えて、多くの人に紹介したいですね。


また原子力問題と丁寧に向き合ってこられた京大原子炉実験所の
小出弘章さんからのメールが転送されてきましたので、みなさんに
お届けします。日本の原子力行政の危険性をさまざまな場面で
指摘してこられた方です。


*******

皆様

8時の枝野長官の記者会見を聞き、
爆発は格納容器と原子炉建屋の間で起き格納容器はまだあるとのこと、ちょっとほっとしました。

もし、それが本当なら、爆発は水素爆発です。
そしてその水素は、燃料棒被覆管材料である、
ジルコニウムという金属と水との反応で生じた水素だと思います。

それが格納容器ベントを開いたことで、原子炉建屋に漏洩し、爆発に至ったと推測します。
格納容器は放射能の放出を防ぐ最後の砦で、それがまだ形として残っているということは、
せめてもの救いです。

その格納容器の中に、海水を注入するという説明でしたが、どうやって海水を送るのでしょうか?
そのためにはポンプが動かなければいけませんし、そのためには電源が必要です。
電源が失われたからこそ、事態がここまで悪化してきました。
何故、いきなり海水を送れるようになったのでしょうか?

注水できるポンプの圧力の能力はあります。原子炉圧力容器内は大変高圧になっており、
消防用のポンプ車の吐出圧力では原子炉圧力容器の中に直接水を送ることはできませんが、
格納容器の中であれば送れると思います。

それでもなお、核の容器の中に水を送る作業はもっと早くやれたはずだと私は思います。

十分な情報がない中、申し訳ありませんが、正確な判断ができません。
もし、格納容器内を海水で満たすことができるのであれば、もちろん原発は2度と使えませんが、
最悪の破局は免れることが出来ると私は思います。

格納容器内に海水にホウ素を混入させることは必要です。今直面している危機は、
原子炉が溶けてしまうこと、
そして一度は停止させたウランの核分裂反応が再び始まってしまうかもしれないことの2つです。

原子炉を溶かさないためには水を供給すること、
核分裂を再び始まらないようにするためには中性子を吸収できる物質を供給しなければいけません。
中性子を吸収する物資がホウ素です。
ですから、ホウ素を混入した海水を格納容器に注入することは有効です。

成功してくれることを願います。

政府の提供する情報は大変不十分です。
爆発前後で正門前での放射線量が、減ったなどということは、
格納容器が破壊を免れたという証明にはなりません。
単に風向きが変わった可能性の方が遥に大きいです。
今後も、あちこちからの情報に常に注意してください。

このメールは失礼ながらたくさんの人たちに一斉に送ります。
事故の対応に追われており、お許しください。

2011/3/12 小出 裕章



以下、マスコミからの続報も付け加えておきます。

一番最後に載せた東電による、福島県内の放射能測定装置が

全部ダウンしているという記事がとくに気になります。

ともあれ史上最悪の原発事故が未だ進行中です。


**************


炉心溶融の可能性、東電も認める 福島第一原発1号機

東京電力の小森明生常務は12日夜の記者会見で、
爆発があった福島第一原子力発電所1号機から放出されたとみられる
セシウムが検出されたことを認め、
「炉心そのものが通常とは違う状況になっている可能性はある」と述べた。
原子力安全・保安院が指摘した「炉心溶融の可能性」を認めた。

1号機の建屋の現状については「上の方は壁がない状況になっているのは、目視で確認できる。
下の部分は形はしっかり残っている」と説明。
「なるべ く見える範囲のものを見ようとしているが、
建物の中をくまなく見ることが難しい状況。放射線量がかなり高い」とも述べた。
今後の対処については
「まずはいろいろな形で原子炉を冷やそうと注力している」と述べるにとどめた。

一方、原子炉容器内の状態について、
高橋毅・原子力運営管理部長は「明確につかめていない」と述べた。
会見を始めた午後7時半時点での炉内の圧力や水位はわからない状態という。

(2011年3月12日20時26分 朝日新聞)


福島第一原発1号機爆発時、3人被曝 県発表

経済産業省の原子力安全・保安院は12日、
東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第一原子力発電所1号機(福島県大熊町)で、
午後3時30分ごろに大 きな爆発音を伴う爆発が起きたことを明らかにした。

枝野幸男官房長官は同日夜会見し、爆発は何らかの理由で建屋内にたまった水素によるもので、
原子炉の安全性を保つ格納容器は損傷していないこと、
今後の損傷を防ぐため、容器を海水で満たして冷やす措置を指示したことを明らかにした。
福島県は同日、近くの高 校のグラウンドにいた3人がこの爆発で被曝(ひばく)したと発表した。

冷却にあたって、核反応が連続する臨界に達しないようにするため、ホウ素も用いる。
この措置は午後8時05分に着手したという。
枝野氏はこうした 手段について、原子力安全委員会など専門家などとも協議し、
新たなリスクはないと判断したが、「念のために、万全を期すため」、
避難を指示する対象を従来 の半径10キロから半径20キロに拡大した。

東電は12日午後、原子炉格納容器の損傷を防ぐため、
容器内の放射性物質を含む空気を外部に放出する作業に着手。
同3時30分ごろに現場敷地境界で、
1時間あたり1015マイクロシーベルトの放射線を確認した。
1015マイクロシーベルトは、
一般人の年間被曝(ひばく)線量の限度(1ミリシーベルト=1千マイクロシーベルト)を、
1時間で浴びる放射線量に該当する。
日常生活で自然から浴びている放射線は平均で1時間あたり0.05マイクロシーベルト。
放射線業務従事者は年間50ミリシーベルト
かつ5年間で100ミリシーベ ルトが被曝限度とされている。

だが、その直後の午後3時36分ごろに爆発があった後、
線量は70.5マイクロシーベルトまで落ちたという。
こうしたことから、枝野氏は放射性物質の放出に大きな変化はなく、
原子炉は制御下に置かれるとしている。
福島県によると、爆発で1号機の原子炉建屋の天井が崩落したことを確認したという。
東電社員ら4人が負傷し、病院に搬送されたという。

東電の小森明生常務は12日夜の会見で、第一原発について
「現在、原子炉の様子がつかめないが、時間ごとの(放射性物質の)放出の可能性は高い。
厳しい状況」と述べた。

放射線医学総合研究所や東電が原発敷地内で、
燃料中に含まれる核分裂生成物であるセシウムやヨウ素を確認した。
いずれも、ウランが核分裂をした後にできる物質だ。

こうしたことから、保安院、東電とも、炉心溶融の可能性が高いとしている。
想定されている原発事故の中で最悪の事態だ。
これが進むと、爆発的な反応を引き起こして広く外部に放射能をまき散らす恐れもある。

原子炉圧力容器内の水位は下がり続けており、午後5時28分の段階で、
燃料棒(長さ4メートル)の上端から1.7メートル低い位置にある。
燃料棒 の半分近くが露出した状態になっている。
消防車などを使って冷却水を注入しているが追いついていない。
このため、東電は海水も使うことを選択肢の一つとし て検討していることを明らかにした。

政府は福島第二原発(同県楢葉町、富岡町)について、
避難を指示する範囲を、半径3キロ圏から10キロ圏に拡大した。

(2011年3月12日22時2分 朝日新聞)


原子炉損壊防止へ海水で冷却開始 福島原発1号機 東電、
廃炉も視野 海水注入で炉心冷却開始 東電、1号機廃炉も視野
福島第1原発、史上最悪の事故に


東日本巨大地震で被災した東京電力福島第1原子力発電所1号機について、
経済産業省の原子力安全・保安院は12日午後、「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表した。
東電は同日、原子炉に海水を注入し、炉心を冷やす作業を始めた。
海水注入でさびやすくなることから、廃炉も視野に安全対策を進めた。
原子炉周辺からは燃料の核分裂に伴うセシウムやヨウ素が原発周辺から検出。
ほぼ半世紀になる日本の原発史上で、最悪の原子力事故になった。

これに先立つ午後3時半ごろ、1号機周辺から爆発音が聞こえ、10分後に白い煙が噴き出した。
この爆発で東電の社員2人と協力会社の作業員2人がけがをし、病院に搬送された。
福島県に入った情報では原子炉がある建屋などの天井が崩落した。

枝野幸男官房長官は同日夜の記者会見で
「建屋の壁が崩壊したものであり、中の格納容器が爆発したわけではない」としたうえ
「放射性物質が大量に漏れ出すものではない」と主張した。

福島県に入った情報によると、午後4時すぎ、
敷地内の放射線量が1時間に1015マイクロシーベルトを示した。
一般人が年間に受ける放射線量の限度(1000マイクロシーベルト)に相当する値まで上がっている。

原発は万一の事故に備え、「5重の壁」と呼ばれる構造で放射性物質を閉じ込める。
今回の爆発では一番外側にあたる原子炉建屋が壊れたことが映像で確認された。
内側の防壁の状況は分かっていない。

建屋崩壊時は原子炉格納容器の圧力が高まっており、
壊れる可能性があったため内部の空気を出す作業を進めていた。
爆発が起きた原因は調査中だが、
原子炉格 納容器の圧力が何らかの理由で高まり過ぎて爆発したとすれば、
最悪の場合は内部の防壁も壊れ、放射性物質が外に出た可能性がある。

1号機は東日本巨大地震の発生で自動停止はしたものの、
緊急炉心冷却装置(ECCS)を動かすことができなくなり、
炉を十分に冷やせなくなっていた。

東電は同日午後、原子炉内の水位低下が進んでいると発表した。
午前9時に燃料の上部50センチメートルが露出していたのが、
10時30分には90センチ メートル、午後1時には1.5メートルに拡大。
午後3時半ごろに1.7メートルになった。
燃料の長さは4メートルで全体のほぼ半分が露出していたことになる。

(2011/3/12 21:53 日経新聞)


放射線の計測装置すべてダウン 東電

福島県によると、放射線を計測するために設けている約10のモニタリングポストが
すべてダウンした、との報告を東京電力から受けたという。
県もモニタリングポストを設置しており、独自に計測値を調べている。

(2011年3月12日19時37分 朝日新聞)



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東北地方太平洋沖地震について( 4 )

2011年03月12日 21時31分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。

続報です。さきほど、枝野官房長官の会見が行われ、
爆発は、原子炉格納容器の爆発ではないこと、大量の放射能の飛散は
起こっていないことが明らかにされました。
これは事実だと思います。最悪の状態はまだ起こっていないということです。
とりあえずは良かった!本当に良かった!

ではどうして爆発が起こったのか。何らかの要因で発生した水素が、
格納容器と建屋の間にたまり、それが爆発したようです。
そのため、建屋が内側から粉々になりましたが、原子炉格納容器は
破壊されずに残ったとのことです。

このため、その後の放射能の計測でも数値は上がっていません。
爆発のときに生じた煙の中に、放射能が混じっていたことは間違いない
ですが、少なくとも、広大な地域が壊滅するほどのものではありません。

この時間、同時に原子力情報室の会見も行われ、東芝で格納容器を
設計していた後藤正志さんが説明をおこなって下さいましたが、そこでも
可能性として、格納容器の外での水素爆発の可能性を語られていました。
なのでこの点からもこの情報は信ぴょう性があります。
(ちなみに、格納容器内は、水素爆発が起こりにくいように、窒素を
封入してあるとのことです。)


ただし問題はその後の対処です。枝野長官は、依然、冷却装置が回復しない
ため、原子炉格納容器内を、海水で満たす非常措置をとると発表しました。
その場合、原子炉格納容器の中だけを海水で満たすのか、それとも、
その中にある原子炉の中も海水で満たすのか今一つ分かりませんが、
ともあれ水浸しにすることで、燃料の過熱を抑えるというのです。
つまり燃料の一部がとけてしまい、冷やすことができない事態はいまだ
継続中だということです。

これに対して後藤さんは、海水で水浸しにするのは、確かに最後の手段として
考えられてきたことだが、設計的に想定されていることではなく、そのための
取水口などないこと。そのため「ありとあらゆる手段を駆使して」注水することに
なると語っていました。それ以外、打つ手がまったくないが故の、想定外の
最後の一手であり、設計上の破たんの上の行為だといいます。


これが成功することを祈るしかありません。本当にこれでおさまって欲しい。
しかし同時に、おさまらないときに備えて、(まだ格納容器が破られていないことを
付け加えた上で)、放射能が発生した場合の対処を多くの人々で共有する
ことは進めた方がいいと思います。もちろん逃げられる人は少しでも遠くに
逃げた方がいいです。特に近場の人は、今なら放射能がそれほど出ていない
ので、退避に有利です。

あと僕も節電協力賛成です!被災地のあらゆる救助のために重要です。
やれそうなことはなんでもやりましょう。


さらに情報ウォッチを続けます。

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東北地方太平洋沖地震について( 3 )

2011年03月12日 19時29分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110312 19:29)

相当に深刻なことが進行しています。
さきほど、政府と原子力保安院が続いて会見を行いましたが、
何が起こっているかをまったく明らかにしませんでした。
あまりにひどい。これではまだ放射能を避けられる多くの人々が
逃げ遅れたり、対処ができなくなってしまう。

しかしNHKの映像で爆発のそのときが映されましたが、相当、
激しい爆発であったことは間違いありません。
報道では白い煙があがったとありますが、灰色の煙、原発の
建物よりもずっと大きい煙があがり、広範囲に破片が飛んで
いました。もの凄い爆発でした。

この事故で4人がけがをしたが、意識はあるという報道が
されていますが、あるテレビ局でコメントをしている学者さんが、
「それは遠いところにいた人のことではないか。あの場に
いた人間が、この爆発で何も被害を受けないなど考えられない」
と語っています。
あるいは現場担当者がみな爆発で吹き飛ばされてしまい、
そのために情報があがってきてないのかもしれない。

しかしそうであったとしても爆発があったのは3時36分であり、
すでに貴重な4時間が経過しています。枝野官房長官は
10キロ以内からの待避で安全は確保されると繰り返し
語っていますが、どうあってもそんなことは信じられない。
人々から待避の機会を奪う大変非道な発言ではないかと
思われます。

もちろん、これから何が起こるか。正確に想定することは
できません。しかも現場の情報が正確に出されないのだから
なおさらです。しかしそうならば、起こりうる最悪、あるいは
そこまでいかなくても、起こりうる可能性の高いことを明らかにして、
そのもとでの対処を取るべきであり、そのためには避難を拡大
させることや、放射能への構えを広範な地域で構築していく
必要があります。

しかし非常に深刻なのは、原発周辺が、地震と津波で本当に
壊滅的な打撃を受けており、逃げるどころか、多くの場所でいまだに
救助を待っている状態にあるという事実です。
逃げるどころか、まさに救助隊がどんどん入っていっているのです。

しかも恐ろしいことに、今、南から北に向かう風が吹いています。
原発から北にまっすぐ向かうと仙台があります。原発からわずか
100キロしかない。しかも原発から仙台に向かう海岸線は、
津波のもっともひどい被害を受けていて、多くの集落が壊滅している
ところです。

放射能はまずは風にのってこの地域に流れていくと思われます。
だからこれらの地域の人々は逃げた方がいい。とくに風が向かう
地域の人は早く逃げた方がいい。その場合、逃げる
方向は今後の風の方向を見極めて決める必要があります。
南にいってはいけない。しかし北に逃げるばかりでは追いつかれて
しまうかもしれない。この辺を見極めて西にも回る必要がありますが、
明日は海側から、つまり東から西に向かう風が吹くという情報もある。

さらに困難なのは、多くの人々が被災していて、とても逃げられる
状態にもないことです。また逃げた人々を受け入れるキャパも
各地が失っている。だとすれば逃げれない人に対して、早急に
放射能雲がおそってきたときの対処を知らせる必要がある。
まず今のうちに水を確保することですが、水道がストップしている
ところはそれも難しい。本当に過酷な状態です。

さらに恐怖のシナリオはまだまだ残っています。残された福島第一
原発の2号機などは大丈夫なのか。第二原発は大丈夫なのか。
もし1号機で、最先端で悲劇を止めようとしていた人たちが大変な
ダメージを受けていた場合、誰が残った原発への対処を行う
のでしょうか。しかもこれらの地域は高濃度の汚染地帯です。
そこに残り続けて、他にも残る原発の安全を確保しなければならない。
それが出来るのだろうか。続けて残りの原発が最悪の事態に
向かってしまうことはないのだろうか。本当にもの凄く深刻です。


今、この事態の中で、私たち一人一人に何ができるのか。
きわめて難しい問いですが、少なくとも、放射能雲が迫ってきた
場合にどうすればいいのかを、いろいろな手段で知人、友人に
伝えていくことではないでしょうか。

どこに逃げろとかはいいにくいし、判断もしずらいので、それぞれの
判断に任せるしかないですが、少なくともこういうことに気をつけようと
いうことを知らせることが大切だと思います。
残念ですが、夕べからの経緯を見てきたものとして、政府の
原発に関する広報は信用できないと言わざるを得ない。

流言飛語になることを気をつけなければいけませんが、相当に
深刻な事態が進行していることを伝えて、各地で放射能に対して
自分たちで防衛し、とくに子どもたちを守ってもらうことが必要だと
思います。


今、僕が調べているのは、南の側に影響はないだろうかということです。
もちろん風は回るので、すぐ南はもの凄く危険です。しかし離れて
いるところではどうでしょうか。
例えば東京は、原発から南、ないし西南方向220キロぐらいしか
離れていません。東京は大丈夫なのだろうか。少なくとも東京圏
は危険なのではないだろうか。逃げろとまではいえなくとも、
万が一、放射能が流れてきたときの対応を進め、できるだけたくさんの
水をためておいた方が良いと思います。


これを書いている今、国からの指示で、避難対象地域が半径
10キロから20キロに拡大されました。しかし理由が説明されて
いない。しかも後手後手の対応です。
おそらくすぐにこの地域は拡大します。だから20キロの外に
いる人も逃げた方がいい。

しかし、逃げろというのなら、今、どこに放射能の雲が向かって
いるのか、どのように放射能が移動しているのを明らかにすべきです。
そうしないと、逃げる途中に、死の灰の降下物の中に入って
しまうかもしれない。指示があまりに無責任です。

今、コメンテーターの学者さんが、「相変わらず昨日、危ないと言って
いた他の原子炉の話がまったく出てない」と憤っています。
避難する方々には「落ち着いて移動して下さいとしか言うことが
できません」と述べています。

「自衛隊のヘリなどで上から撮影すれば何が起こっているか、
すぐにも分かるはずだ。不安をあおらないためにもそれを早く
公表すべきだ」とも。


こうしたことを踏まえて、みなさん、できるだけ放射能から
どうやって自分たちを守るのかを知らせていきましょう。
被災地や近くでないひとにも伝えて下さい。どこからどのように
話が伝わるか分からないので。


さらにみなさん。
私たちは今、本当に大変な歴史の切れ目にいるのだと思います。
おそらく今後日本国は大きく崩壊します。世界経済にも大変な
打撃が生じます。国内でも大量の難民が発生します。
(すでに発生しています。多くの町がつなみで奪われてしまった
のですから。それに汚染が加わるということです)

この状態に対して、この大変な事態をみんなで受け止め、
現場の苦しみや悲しみ、痛みを分かち合い、私たち自身で
もの凄く深刻に傷つくであろう世の中を再建していかなければ
ならないと思います。抽象的ですが、それがなすべきことでは
ないでしょうか。


さらに情報ウォッチと、考察を続けたいと思います。

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東北地方太平洋沖地震について( 2 )放射能とは何か、被曝とは何か

2011年03月12日 17時40分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日

みなさま

守田です。(20110312 17:40) 

福島第一原発1号機については、一進一退の攻防を繰り返していましたが、さきほど、1号機で爆発がありました。NHKの映像では、1号機の建屋の外壁が完全に吹っ飛んでなくなってしまいました。
すでに大量の放射能が大気中に出ている可能性がきわめて高いです。
このことを踏まえて、早急に放射線と放射能について踏まえておくべきことをまとめてお知らせします。

放射能とは放射線を発する能力のことを指します。これをもった物質を放射性物質と呼びます。

放射線にはいくつかの種類があります。代表的なものはアルファー線、ベータ線、ガンマー線、X線、中性子線などです。
それぞれが原子の中の物質により構成されますが、最も粒子が大きいのがアルファー線、小さいのが中性子線です。

人体への打撃はアルファー線がもっとも高い。エネルギー量が大きく、電離作用(人体を構成する分子と分子がつながっている電子をたたいて、分子のつながりを壊してしまうこと)が強いためです。
実体としてはヘリウム原子核と同じで、粒子が大きく、飛ぶ距離はごくわずかです。数ミリか数センチぐらいでしょうか。このため紙一枚でもふせぐことができます。
ベーター線は次に打撃力を持った物で、アルファー線ほどではないものの、やはり強い電離作用を持っています。ベータ線の実体は電子です。これは1センチのプラスチック板でも防ぐことができます。

これに対して、レントゲンに使われているのが、X線です。実体は電磁波です。ガンマー線もほぼ同じ物と考えてよいかと思いますが、これは遠くまで飛びます。その場合、発生源からの距離にもよりますが、厚いコンクリートでなければ防げません。
中性子線はさらに透過力が強く、なんでも通ってしまいます。しかしエネルギー量はアルファー線に比べれば格段に小さく、電離作用もそれだけ小さいです。

放射線を避ける場合に、これら違った放射線があることを知っておく必要があります。ちなみに放射線計測器と一般にいいますが、これら全てを一つで万能に計れるわけではありません。
いわゆるガイガーカウンターは、事実上X線対策のためのものです。アルファー線やベータ線も計れはするのですが、それぞれあまり長い距離を飛ぶわけでないので、発生源に近づけなければ、感知できないからです。
つまりガイガーカウンターは、アルファー線やベータ線を放射しうる物質がどれだけ浮遊しているかを計るものではないということです。
中性子線の測定はさらに特殊な装置が必要です。JCO事故では、中性子線が発生し続けていたのですが、これを測定する機器の到着が遅れたこともあって、長らく測定できず、救急隊や報道陣がそれと知らずに現場にむかって中性子線をあびてしまっています。

さて放射線が外に漏れたという場合、実は、原子炉内から放射線が外に出ている場合と、放射性物質が外にでて、それが放射線を発生している場合とがあります。
万が一の爆発があった場合も同じですが、この場合の恐ろしさは大量の放射能(放射性物質)が出ることです。

放射能(放射性物質)はウランの核分裂によって出来た物質です。
ウランの割れ方によりいろいろな物質ができます。その中でも恐ろしいのが大量に炉心内に作らている放射性ヨウ素です。これはベーター線を発する物質の固まりと考えるとわかりやすいです。大気中に放射性ヨウ素が出た場合、物質として浮遊します。
このとき雨が降ると、水滴に混じって落下してきて人体と接触し、体内に取り込まれてしまいます。そうするとヨウ素は人体の甲状腺などに集まる性質を持っています。あるいは人体がヨウ素をここに取り込むようにできているともいえます。
そうすると甲状腺に濃縮されたヨウ素から、ものすごい高エネルギーのベーター線が、周辺をたたき続けます。このため発生するのが甲状腺がんで、チェルノブイリではたくさんの人々、とくに子どもがかかりました。

対処法としては、原発事故直後に、放射性ではないヨウ素をさきに飲んでしまい、甲状腺を埋めてしまう方法があります。
これに使えるヨウ素剤としては、ヨウ化カリウム剤を一般の薬局で購入することが出来ます。(ただしほとんど在庫はしてなくて取り寄せになるでしょう)

ただ医師達が出しているガイドラインによれば、放射性ヨウ素は若い人にほど打撃を与えます。なので非放射性ヨウ素を服用するのは子どもが優先ですが、高齢者にも害はないわけではありません。。
これについては以下のページを参照して下さい。
原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について (archive.org)

このほかにもアルファー線やベーター線を発する物質はたくさんあります。
劣化ウラン弾の粉末もアルファー線を発する物質ですが、ともあれアルファー線やベータ線は、放射線として飛んできて、体の中に入ることは少なく、放射能として運ばれてきて、体内に取り込まれ、そこで周辺に壊滅的な打撃を与えるものです。

それではX線などは怖くないのかというと、そうではなくて別種の怖さがあると考えた方がよいです。
透過力は断然上で、量が多いと、レントゲンの強いヤツを何度も浴びるのと同じコトになり、当然このことでも電離作用が生じて、ガンなどが発症する可能性が生まれます。

このため、原発事故にあたっては、放射能を体内に取り込まないことが大切で、とくに雨にうたれることは絶対に避けるべきです。
そのためには大量の放射能がやってくる前に遠くに逃げることです。
しかし「場合によっては逃げるよりも屋内にいた方がいい」とも言われます。爆発がおこって放射能雲が迫ってきているのなら、とりあえず室内にこもり、窓に目張りをし、換気扇をとめて、密閉性を高めるなどして身体に浴びないことが大事です。
とはいっても福島原発は、今後、さらなる爆発を起こすかもしれませんし、その方がたくさんの放射能が出てきてしまうので、やはり優先するのは遠くに逃げることです。

このため放射能対策にあっては、物質として飛んでくる放射能と、放射線として飛んでくるものへの対処の双方が必要になります。
マスコミ報道では放射線と放射能がしばしばごちゃごちゃになりますので、とにかく放射能漏れとか放射線漏れが伝えられたときには可能な限り、発生源から離れることと、同時に雨に注意し、放射能に触れないように注意することが必要です。
この点で、放射能雲の下では、屋内の方がまだまし=被曝量が少なくなりうるというわけです。

あと全ての放射性物質には半減期というものがあります。放射線を発する能力が半分になるまでの時間です。
これらが放射能力が弱くなる一つの目安としてありますが、この時間は、エネルギー量の大きいものほど早い傾向があります。
つまり放射線のエネルギーの大きい物、人体にダメージの大きいものほど、たくさんのものを出しているので、それだけ放射能力が早く失われていくということです。

ちなみにヨウ素の半減期は8日間です。8日たつと能力が半分になり、また8日たつとその半分になりますので、時間とともに脅威が少なくなっていきます。
ちなみにチェルノブイリ事故ではこうした情報を政府が伝えなかったため、事故直後に放射線ヨウ素で汚染された牛乳が出回り、多くの子ども達が飲んでしまったと伝えられています。
この場合は、牧草→牛→人間という経路をたどったということです。

このほか、よく話題にあがるのがセシウムやストロンチウムによる土壌汚染ですが、こちらの場合の半減期は30年です。
これらは植物、昆虫、キノコ等々に取り込まれますが、そのたびに濃縮されてしまいます。
チェルノブイリの周辺の数百キロでは、土壌汚染の上に汚染されていない土をかぶせる作業が延々と続いています。100年はかかると言われています・・・・。

このように放射性物質の中には、1日のうちにも半減期に達する物質もあれば、半減期が何万年超というものもあるものの、ともあれ安全性は時間とともに高まります。
このため逃げることができずにやむをえず屋内待避をするなら、屋内の気密性を高め、とくに雨には最大の注意を払ってサバイバルすることです。

こうしたサバイバルについて詳しい情報を閉めているページを上げておきます。参照してください。
とにかく今、私たちは戦後最大の危機に直面しています。
http://www.lohasworld.jp/yomimono/atomdez2.html

*****

注 この記事を書いた時の僕はまだ「とっとと逃げる」方針を確立しておらず、「場合によっては逃げるよりも屋内にいた方がいい」という判断も紹介しています。
まったく間違っているわけではないですが、しかし福島原発事故の現実を振り返るなら、この記事の後に15日に3号機を爆発がおき、漏れ出した放射能量はそれ以降の3週間の方が多くなっています。
事故が時間とともに深刻化したのです。これを踏まえるならばやはり「屋内退避」ややむを得ない場合の対処とし、とにかく遠くに逃げることを最優先にすべきです。
当時、この点を明確化できていなかったことを心からお詫びします。なおあやまりが含まれているものを放置するのはよくないので本文にはすでに訂正を加えましたが、歴史的事実を大事にするため、原文を以下に残しておきます。

このため、原発事故にあたっては、放射能を体内に取り込まないことが大切で、とくに雨にうたれることは絶対に避けるべきです。
場合によっては逃げるよりも屋内にいた方がいいというのはこうした判断に基づくものです。とくにすでに爆発がおこって、放射能雲が迫ってくるときは、一刻も早く室内にこもり、窓に目張りをし、換気扇をとめて、密閉性を高めた方が良いです。

 

 

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東北地方太平洋沖地震について( 1 )福島原発が危機に

2011年03月12日 13時24分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日

みなさま

守田です。

今、私たちの国は大変な災害に見舞われています。
私たちの国の豊かさや平和が足許から崩れつつあります。

まだ被害の全貌は明らかになっていませんが、福島県から岩手県にかけての海岸線で、壊滅的な被害が出ていることが報告されています。昨夜には、宮城県仙台市荒浜若林区荒浜だけで、200人から300人が溺れて亡くなっていることが確認されました。
村落ごと、津波に流されてしまった村落も大変多いようです。非常にたくさんの人々が行方不明になっています。
気仙沼市でものすごい大火災がおこり、千葉県市原市のコスモ石油の精製施設や、住友金属鹿島製鉄所など、多くのプラントでも火事がおこったようです。

これらの中で、最も深刻であり、徹底した注目が必要なのが福島第一原発の冷却水の低下問題です。
すでに昨夜午後9時過ぎに政府によって、半径3キロ以内の住民への避難勧告が出されましたが、時間を追って深刻さが増し、避難勧告は半径10キロ以内に拡大しました。
さらに同原発から10キロ強南にある福島第二原発も深刻な状態になり、ここでも半径3キロ以内の避難が勧告されました。これは、ものすごく、大変なことです。
現地にいる方がいたら、ぜひ可能な限り遠くに避難してください。

冷却ができない状態が続くとどういうことが起こりうるのか。
原子炉はそもそも連続的な核分裂が起こっている場です。その際出る熱が冷却水を熱し、それが循環して、二次冷却水を暖め、それが蒸気を発生させて、タービンを回して発電にいたるのが原発の仕組みです。

ところがこの冷却ができなくなっている。原発そのものは、すでに停止してはいますが、燃料棒はまだまだかなりの熱をもっています。
そのため常に冷却水を張っておく必要があるのですが、この水が冷やされないとどんどん蒸発してしまい、水位が低くなって燃料棒が水面から頭を出してしまいます。

そうなると燃料棒が徐々に温度が高くなり、次第に燃料をつめている被覆を溶かして熔解を初めます。そうして燃料が集中すると、暴走的な核分裂が始まってしまいます。これがメルトダウン炉心溶解です。

そうなると、原子炉内はどんどん高温になり、残った冷却水が一気に蒸気化して、水蒸気爆発が起こる可能性があります。この場合、原子炉の蓋が開いてしまう可能性が高いです。
そうなると原子炉から水蒸気にのって大量の放射能が大気中にでます。確実に数百キロが被曝します。これはチェルノブイリで実際に起こったことです。
また燃料棒の被覆の金属が大量に溶け、これが冷却水と接するなかで大量の水素が発生し、水素爆発が起こってしまう可能性もあります。

しかしこれは最悪の事態のレベル1です。さらに、それでも集中した燃料棒の暴走が止まらなかった場合、原子炉そのものがどろどろに溶け、原子炉格納容器を破って潜っていきます。これだと、原子炉の中にある放射能のすべてが大気中に出てしまいます。こ

の状態でさらに水素爆発などが重なると、もう本当に最悪の状態になります。今、進行中なのは、こうしたことになりうることもある事態です。
万が一、こうしたことが起こるとどうなるか。想像するのはイヤですが、とにかく莫大な人々が被曝します。さらに膨大な地域が、人が住めない地区になります。チェルノブイリでは、半径数百キロが廃村になりました。炉心が炉内に残ったにも関わらずです。

そうなると私たちの国には、膨大な数の難民が発生します。さらに首都圏が麻痺し、経済が崩壊し、ほとんど国家崩壊の状態になります。
さらに連動して日本発の世界大恐慌が勃発するでしょう。そうなると投機屋がすぐに食料・燃料を押さえてしまうでしょうから、それらの価格が高騰し、世界的な飢餓が広がる可能性すらあります。
原発一発の事故で世界が大混乱にいたるわけですが、その可能性が今、福島で進行中です。

現在的には、福島第一原発第1号機において、原子炉内の水蒸気気圧の上昇のために、放射能が外に出るのもやむなしと考えて、手動で原子炉の弁をあけて、圧力を外に逃がす作業が行われているところです。
このままでは大爆発必至ととらえて、原子炉格納容器を開けるという、およそ原子力行政にとっては、あってはならない選択に踏み込んでいます。
しかしそれでも冷却水の蒸発が止まらず、水位がどんどん下がってとうとう燃料棒の一部が冷却水の上に頭を出してしまっているとのこと。そうなると高温化して、燃料棒が溶けて崩壊し、炉心にたまっていく可能性がますます高いです。
できることは、冷却がうまくいくことを祈るのみですが、同時に万が一のときに、非被災地の側は、発生する難民を受け入れる準備を始めるべきだと思います。少なくとも僕はそんな気持ちで情報を調べています。

とにかくこの被災は現段階でも確実に阪神大震災を上回っています。本当に大変です。それに原発の暴走が加わったら、第二次世界大戦以来、最悪の状態に私たちの国はおかれるでしょう。
それは他国にも深刻な影響を与えるでしょう。本当にそうならないことを祈るばかりです。

福島原発の現場がどうなっているかは分かりませんが、暴走を食い止めようとしている人々は、ほとんど特攻隊のような状態で奮闘しているようです。
さきほども、このままでは作業員の被曝が必至ということで、作業方法の検討が行われているという報道もなされました。

チェルノブイリでもたくさんの消防士が、原子炉の蓋があいた原発に突入していき、その後に多くが本当に深刻に被曝して苦しんで、亡くなっていきました。
今、日本中から、多くの医師達、医療スタッフ、消防スタッフ、その他の救助隊の方達が、続々と被災地に入っており、その中には、今まさに原発に近づいている人々もいるでしょう。
なんとか冷却が復活して、事態が収まって欲しい。本当に祈るばかりです。

ともあれ今は情報ウォッチを進めます。

****************************

(1)への付記(20110404)

タイトルを見やすくするために、
「福島原発が危機に」に直します。

なお、この連載初期の記述には幾つかの間違いがあります。

一つには「原子炉はそもそも連続的な核分裂が起こっている場です。その際出る熱が冷却水を熱し、それが循環して、二次冷却水を暖め、それが蒸気を発生させて、タービンを回して発電にいたるのが原発の仕組みです」と書いてあること。
これは関西電力などに使われている加圧水型原発の構造です。FUKUSHIMAは、沸騰水型と言って、炉心を回っている水がそのままタービンを回してます。これに接する二次冷却水を海から引き込んでおり、ここに熱を移して海に捨てています。

二つに
「そうなると燃料棒が徐々に温度が高くなり、次第に燃料をつめている被覆を溶かして熔解を初めます。そうして燃料が集中すると、暴走的な核分裂が始まってしまいます。これがメルトダウン炉心溶解です。」と書いていますが誤りがあります。
メルトダウンは、冷やせなくなった燃料が溶けだして塊になり、下に落ちて行くこと、炉を突き破ってしまうことを指します。
この際、暴走的な核分裂は伴いません。冷却できないといわゆる「崩壊熱」によって、高温になり、やがて自分で溶けていくのです。

この場合に、核分裂が始まり、(再臨界)、暴走していくと、燃料は溶けるより、核爆発を起こしてしまう可能性があります。
この可能性は非常に低いとされていますが、ゼロとは言えません。

ともあれここの記事では、燃料が高温になって溶けていき、炉を破ってしまうこと(メルトダウン)と、燃料が固まった際に核分裂(再臨界)がはじまることが、十分に分けて考察されていません。

この点をお詫びして訂正します。

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