守田です。(20110318 23:56)
再びNさんのメールを転送します。
********************
Nです。
以下、食物汚染に関しても考える手がかりになるかと思います。
文中の単位のBq/?=Bq/m3(1立方メートル当たりベクレル)です。
原文はこちら(参照データへのリンクがはってあります)。
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon/11-03-17-CPtokyo.pdf
***
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-March/008217.html
フランスの反原発団体(CRIIRAD)の声明を堀浜直美さんが翻訳して送ってくれました。
海外の方が情報が正確だとしたら、日本の報道統制は深刻です。
===============
CRIIRAD プレスリリース2011.3.17 13時(日本時間21時)
大気中の放射能について:計測データは危惧すべき状況を示している!
我々の元に集まっている毎時の計測データから読み取れる状況を毎夕報告したい。
リアルタイムで汚染状況を把握する必要がある人間に対して
どのくらいの危険があるのかはっきりしないまま、
福島第1原子力発電所からすでに5日にわたって放射能が飛散している。
環境に放出される放射性物質の総量については誰にもわからないし、
空気中の放射能総量の地域毎計測データも公表されていない。
グレイとシーベルトで表わされる線量測定データだけが一部の地域のみで入手可能である。
しかし最も汚染が心配される福島県のデータが少ない(改善されつつあるが)。
それにこれらのデータは外部被爆にしか関係せず、実際のリスクを示せるものではまったくない。
事故の際にはリアルタイムで大気汚染の広がりを把握することが欠かせない。
①ガスまたはアエロゾルが呼吸によって生体内へ取り込まれるリスク
②気象条件によって変化する地表に降り注ぐ放射性物質の量
およびそれに伴う食物連鎖の汚染レベルを明らかにする必要があるからである。
放射性汚染物質のカクテルが東京の空に届いている
CRIIRADのラボラトリーは、東京の大気を採取し分析しているTokyo
Metropolitan Industrial Technology Institute の世田谷区における
3月15日朝0時から16日18時まで(日本時間)42時間の計測データを入手した。
公開された放射性物質のデータはヨウ素131・132、セシウム134・137で、
42時間の平均値は次のとおりである。
ヨウ素 131 14.9 Bq/?
ヨウ素 132 14.5 Bq/?
セシウム134 3.4 Bq/?
セシウム137 3.2 Bq/?
各サイトで計測表を参照できる
1.CRIIRAD
2. Tokyo Metropolitan Industrial Technology Institute
平常の大気で検出が予想されるのはセシウム137のみである。
軍事的核実験およびチェルノブイリ事故による放射性物質の残留は幸いにして非常に微量で、
μBq/?の単位でしかない(1Bq/?=10のマイナス6乗)。
であるから平均値が3.4 Bq/?というのは100万倍に上昇した数値である。
注意することがもう一つ。
大気はこれ以外の放射性物質も含んでいる。
これにはクリプトン85、キセノン133といった希ガス、またトリチウムやテルル132、
そしてルテニウムとテルルとストロンチウムのアイソトープがある。
知る必要があるのはそれだけではない、プルトニウム238,239, 240や、
アメリシウム241といった放射性 毒性が非常に高い超ウラン元素が
含まれていないかどうかも重要である。
時間経過と共にこれらの計測値の変化を見て行くと3月15日10時から12の間にピークを記録した。
以下は11時に採取した標本についてである。
ヨウ素 131 241 Bq/?
ヨウ素 132 281 Bq/?
セシウム134 64 Bq/?
セシウム137 60 Bq/? (事故前のレベルの1000万倍以上)
CRIIRADによるグラフを参照のこと(3月17日更新)
ヨウ素131の15 Bq/?という値から
我々は東京に住む子供が48時間のスパンで甲状腺に受ける線量を計算した。
結果は1ミリシーベルト以下つまり世界保健機構が定めた
安定ヨウ素剤を投与しなくてはならない水準以下ではあった
しかしこの計算に用いられた数字は大気中の実際の放射能の強さを反映していない可能性が大きい。
標本を採取したのは粒子をキャッチするフィルターである。
正確な採取には希ガス類や特に分子状態の物質や
有機ヨウ素も捕える活性カーボンフィルターを使う必要がある。
有機ヨウ素はヨウ素の大きな部分を占めるからである。
この点は早急に知る必要がある。
福島で何が起きているか
東京はまず一番に汚染された大気の通過を心配しなければならない地域ではない。
上記の分析しか手に入らないという状況は、分析に大きな空白地帯があることを示している。
福島第1発電所の直近の住民の被爆はどの程度であったろうか
という疑惑がたちまち生ずる(東京は230km南に位置する)。
福島県の住民の被爆はどの程度 だったろう(避難は20km以内の住民だけでしかない。)
また放射線量が100倍から1000倍に増えていた
女川地区はどうだったろうか(東京の増加は16倍にすぎない)。
また東京よりやや高めの放射線量がより長い時間、
環境に存在した茨城県の住民についてはどうだったのだろう?
CRIIRADが願うのは住民の被爆の程度が安心できるレベルだったことを確認することである。
もしも当局がリスクが無視できる程度だったと言うのなら、数字を証拠として出してほしい。
国際原子力機関が公表した情報に基づけば、
3月16日(水)までに安定ヨウ素剤を住民に投与する指示は出されていない。
同機関によると3月14日(火)までに日本政府当局は23万錠の安定ヨウ素剤を
避難所に配布しているが投与指示は出していない。
しかるに避難区域は昨日の段階でいまだに福島第1発電所の半径20km以内、
退避 区域は30km以内でしかない。
問題は退避が一時的な保護にしかならないことである。
住宅は気密空間ではない。何時間かするうちに内部の空気は全部入れ替わらないではいない。
ガムテープで目張りをして閉じこもっても、
何日も続く汚染から保護してくれる空間にはなりようがない。
もっと広範囲の住民を避難させるためのロジスティックが
国際的援助によって組織される必要がある。
この組織がもっと早くに立ちあがるべきであった。
とにかく安定ヨウ素剤は早急に服用すれば甲状腺への被爆を減らすのに大きな効果を発揮する、
つまり将来の発がんや甲状腺の病気の発現を予防するのに役立つ!のだから
早急に投与すべきである。
とはいえ安定ヨウ素剤は万能ではない。外部被爆を防ぐものではないし、
他の放射性物質からの防御の役には立たない。
地上への降下物と食物の汚染
空中にある放射性物質は次第に地表に降下して植物を汚染する。
乾いた降下物は雨によって固着する。
雨は汚染した大気を洗い流して放射性粒子(アエロゾル)や
水溶性ガス(特にヨウ素)を地上に降らせる。
早急に地表の放射能分布図(Bq/?で)を作成する必要がある。
これによってリスクゾーンを突き止め、汚染作物を市場に出すことを避け、
またその他の予防策も講じることができる(家畜に汚染されていない餌を与えるなど)。
食物連鎖の汚染を避けることについてだが、
この5日間多量の放射性物質が海に降り注いだはずである。
近海および海流の影響の及ぶ範囲の魚や海産物への汚染を確認しなくてはならない。
直接被害をこうむった地域について汚染レベルを把握しただけでは即、住民の保護にはならない。
しかし把握しないでいれば事態は悪化するばかりである。
住民の健康を守るためには曖昧にしておいてはならないのだ。
チェルノブイリ事故が示していることである。
ここでチェルノブイリ事故当時のフランスの汚染値と今回を比較下に示す数字は、
チェルノブイリ4号炉の爆発の降下物による
大きな汚染を受けた地域の一つであるフランス南西部における
大気の汚染を測定した公式数値である。
1986年5月1日から3日までの放射能の平均値を示している。
セシウム137 0.3~0.9 Bq/? 東京の2日間の平均3.2 Bq/?と比較してほしい。
ヨウ素 131 0.6~4.2 Bq/? これも東京の2日間の平均14.9 Bq/?と比較してほしい
CRIIRAD
471 avenuw Victor Hugo
26000 Valence
E-mail contact at criirad.org
再びNさんのメールを転送します。
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Nです。
以下、食物汚染に関しても考える手がかりになるかと思います。
文中の単位のBq/?=Bq/m3(1立方メートル当たりベクレル)です。
原文はこちら(参照データへのリンクがはってあります)。
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon/11-03-17-CPtokyo.pdf
***
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-March/008217.html
フランスの反原発団体(CRIIRAD)の声明を堀浜直美さんが翻訳して送ってくれました。
海外の方が情報が正確だとしたら、日本の報道統制は深刻です。
===============
CRIIRAD プレスリリース2011.3.17 13時(日本時間21時)
大気中の放射能について:計測データは危惧すべき状況を示している!
我々の元に集まっている毎時の計測データから読み取れる状況を毎夕報告したい。
リアルタイムで汚染状況を把握する必要がある人間に対して
どのくらいの危険があるのかはっきりしないまま、
福島第1原子力発電所からすでに5日にわたって放射能が飛散している。
環境に放出される放射性物質の総量については誰にもわからないし、
空気中の放射能総量の地域毎計測データも公表されていない。
グレイとシーベルトで表わされる線量測定データだけが一部の地域のみで入手可能である。
しかし最も汚染が心配される福島県のデータが少ない(改善されつつあるが)。
それにこれらのデータは外部被爆にしか関係せず、実際のリスクを示せるものではまったくない。
事故の際にはリアルタイムで大気汚染の広がりを把握することが欠かせない。
①ガスまたはアエロゾルが呼吸によって生体内へ取り込まれるリスク
②気象条件によって変化する地表に降り注ぐ放射性物質の量
およびそれに伴う食物連鎖の汚染レベルを明らかにする必要があるからである。
放射性汚染物質のカクテルが東京の空に届いている
CRIIRADのラボラトリーは、東京の大気を採取し分析しているTokyo
Metropolitan Industrial Technology Institute の世田谷区における
3月15日朝0時から16日18時まで(日本時間)42時間の計測データを入手した。
公開された放射性物質のデータはヨウ素131・132、セシウム134・137で、
42時間の平均値は次のとおりである。
ヨウ素 131 14.9 Bq/?
ヨウ素 132 14.5 Bq/?
セシウム134 3.4 Bq/?
セシウム137 3.2 Bq/?
各サイトで計測表を参照できる
1.CRIIRAD
2. Tokyo Metropolitan Industrial Technology Institute
平常の大気で検出が予想されるのはセシウム137のみである。
軍事的核実験およびチェルノブイリ事故による放射性物質の残留は幸いにして非常に微量で、
μBq/?の単位でしかない(1Bq/?=10のマイナス6乗)。
であるから平均値が3.4 Bq/?というのは100万倍に上昇した数値である。
注意することがもう一つ。
大気はこれ以外の放射性物質も含んでいる。
これにはクリプトン85、キセノン133といった希ガス、またトリチウムやテルル132、
そしてルテニウムとテルルとストロンチウムのアイソトープがある。
知る必要があるのはそれだけではない、プルトニウム238,239, 240や、
アメリシウム241といった放射性 毒性が非常に高い超ウラン元素が
含まれていないかどうかも重要である。
時間経過と共にこれらの計測値の変化を見て行くと3月15日10時から12の間にピークを記録した。
以下は11時に採取した標本についてである。
ヨウ素 131 241 Bq/?
ヨウ素 132 281 Bq/?
セシウム134 64 Bq/?
セシウム137 60 Bq/? (事故前のレベルの1000万倍以上)
CRIIRADによるグラフを参照のこと(3月17日更新)
ヨウ素131の15 Bq/?という値から
我々は東京に住む子供が48時間のスパンで甲状腺に受ける線量を計算した。
結果は1ミリシーベルト以下つまり世界保健機構が定めた
安定ヨウ素剤を投与しなくてはならない水準以下ではあった
しかしこの計算に用いられた数字は大気中の実際の放射能の強さを反映していない可能性が大きい。
標本を採取したのは粒子をキャッチするフィルターである。
正確な採取には希ガス類や特に分子状態の物質や
有機ヨウ素も捕える活性カーボンフィルターを使う必要がある。
有機ヨウ素はヨウ素の大きな部分を占めるからである。
この点は早急に知る必要がある。
福島で何が起きているか
東京はまず一番に汚染された大気の通過を心配しなければならない地域ではない。
上記の分析しか手に入らないという状況は、分析に大きな空白地帯があることを示している。
福島第1発電所の直近の住民の被爆はどの程度であったろうか
という疑惑がたちまち生ずる(東京は230km南に位置する)。
福島県の住民の被爆はどの程度 だったろう(避難は20km以内の住民だけでしかない。)
また放射線量が100倍から1000倍に増えていた
女川地区はどうだったろうか(東京の増加は16倍にすぎない)。
また東京よりやや高めの放射線量がより長い時間、
環境に存在した茨城県の住民についてはどうだったのだろう?
CRIIRADが願うのは住民の被爆の程度が安心できるレベルだったことを確認することである。
もしも当局がリスクが無視できる程度だったと言うのなら、数字を証拠として出してほしい。
国際原子力機関が公表した情報に基づけば、
3月16日(水)までに安定ヨウ素剤を住民に投与する指示は出されていない。
同機関によると3月14日(火)までに日本政府当局は23万錠の安定ヨウ素剤を
避難所に配布しているが投与指示は出していない。
しかるに避難区域は昨日の段階でいまだに福島第1発電所の半径20km以内、
退避 区域は30km以内でしかない。
問題は退避が一時的な保護にしかならないことである。
住宅は気密空間ではない。何時間かするうちに内部の空気は全部入れ替わらないではいない。
ガムテープで目張りをして閉じこもっても、
何日も続く汚染から保護してくれる空間にはなりようがない。
もっと広範囲の住民を避難させるためのロジスティックが
国際的援助によって組織される必要がある。
この組織がもっと早くに立ちあがるべきであった。
とにかく安定ヨウ素剤は早急に服用すれば甲状腺への被爆を減らすのに大きな効果を発揮する、
つまり将来の発がんや甲状腺の病気の発現を予防するのに役立つ!のだから
早急に投与すべきである。
とはいえ安定ヨウ素剤は万能ではない。外部被爆を防ぐものではないし、
他の放射性物質からの防御の役には立たない。
地上への降下物と食物の汚染
空中にある放射性物質は次第に地表に降下して植物を汚染する。
乾いた降下物は雨によって固着する。
雨は汚染した大気を洗い流して放射性粒子(アエロゾル)や
水溶性ガス(特にヨウ素)を地上に降らせる。
早急に地表の放射能分布図(Bq/?で)を作成する必要がある。
これによってリスクゾーンを突き止め、汚染作物を市場に出すことを避け、
またその他の予防策も講じることができる(家畜に汚染されていない餌を与えるなど)。
食物連鎖の汚染を避けることについてだが、
この5日間多量の放射性物質が海に降り注いだはずである。
近海および海流の影響の及ぶ範囲の魚や海産物への汚染を確認しなくてはならない。
直接被害をこうむった地域について汚染レベルを把握しただけでは即、住民の保護にはならない。
しかし把握しないでいれば事態は悪化するばかりである。
住民の健康を守るためには曖昧にしておいてはならないのだ。
チェルノブイリ事故が示していることである。
ここでチェルノブイリ事故当時のフランスの汚染値と今回を比較下に示す数字は、
チェルノブイリ4号炉の爆発の降下物による
大きな汚染を受けた地域の一つであるフランス南西部における
大気の汚染を測定した公式数値である。
1986年5月1日から3日までの放射能の平均値を示している。
セシウム137 0.3~0.9 Bq/? 東京の2日間の平均3.2 Bq/?と比較してほしい。
ヨウ素 131 0.6~4.2 Bq/? これも東京の2日間の平均14.9 Bq/?と比較してほしい
CRIIRAD
471 avenuw Victor Hugo
26000 Valence
E-mail contact at criirad.org