これは在庫のPEN-Fですが、O/Hをするついでにグレー色にしてみようかと作業を始めました。先日やりましたペングレーより少し青味が強い色に調色してみましたが、ドイツのルフトワッヘン(空軍)のような黒味の強いグレーとも異なる陸軍の機械化部隊の戦車などの車両に塗られていたジャーマングレーという感じですかね。意識的に明度は上げて軽快に見えるようにしました。取りあえず本体メカを仕上げるためにダイカストと小間物を塗ってあります。どのように仕上がるのかは分かりませんが、まずまずの仕上がりとなりましたらご希望の方があればお譲りします。
PEN-FはFTよりも部品の設計変更が頻繁に行われていますが、これは全く新しい機構を採用した機械には良くあることです。特にこの#1129XX辺りは組立ては試行錯誤で、そのまま組んでも良品とならない頃の製品ですから、それから45年も使い続けて消耗したメカを調子よく作動させることには難儀します。この個体は過去に受けた修理も怪しいもので、巻上げが異常に重いと感じて、シャッターのテンションを確認してみると、案の定強く張られています。バネ力を強くすれば動くとの発想でしょう。それで治れば苦労は無いのです。ブレーキのOリングと全反射ミラーは新品と交換してあります。外装カバー類のメッキの剥離をしました。レリーズ横の段付き部分には真鍮が酸化して色が変わっている部分がありますね。梨地クロームの上からでは僅かなメッキの劣化に見えても、素材の内部まで腐食は進んでいるのです。