大阪のご常連さんからPEN-FV #1028XXが来ています。娘が嫁に行きましたのでペコポコのお人形を頂きました。ありがとうございます。
FVの状態は、あまり良いとは言えませんが、致命的な部分は無い個体ですので、O/Hで問題ないでしょう。ペングレーというのは、カバー全部をグレーに塗るのではなくて、ちょうどコンパクトEE系のようなイメージですね。さて、どんなになるでしょうね。
とりあえず調色でグレーを作ります。とは言っても本家の色も一定ではなくて、製造時期やロットによっても明度が変化します。今回は一番手元近くにあったEE-2に合わせます。EE仕様とするためにはダイカスト本体(巻上げレバー下)、裏蓋(バックカバー)、蝶番、ラッチカバーの4点を塗装する必要があります。それでは、塗装した部品を取り付けてメカのO/Hに掛かります。
メカには致命的な問題はありませんでしたが、FVの初期の製品(1967-1製)と製造から時間が経過しているため、光学系はきびしい状態でしたね。リターンミラー外周の曇り、接眼プリズムのコーティング曇りとスクリーンは外側からの接触によるキズによる黒点などがあります。全反射ミラーはオーナーさんのこだわりにより(笑)新品と交換しました。アイピース表面に盛大なキズがありましたので、あまり大切には扱われなかった気がします。表面を研磨してキズを消してあります。塗装した部品の位置関係は画像の通り。カメラ・ライフ誌によればFVの発売は1967-2月となっており、これはオリンパスの資料によるものと思われますが、製造はそれ以前に行われていたのは当然のことです。
シボ革を貼ってみました。シボ革の色も機種や製造時期によってかなり変化しています。人の目は白系統の色に対して鈍感ですので、並べてみませんと違いが分かりにくいのです。当初EE-2と同じ程度の明度とするつもりでしたが、表面積が大きくカメラとしてもランクが上のFVにはマッチせず、少し濃目としていますが、それでも下にある三光ペンのものの方がはるかに暗いグレーです。しかし、このグレーでもF系には似合いません。
巻き戻し側はこんな感じ。画像は本当の色より少し明るく写っています。まぁ、それほど違和感はないところ。
問題は前面ですね。当初から懸念していた通り、EE系のように上下に濃いグレーの帯がありませんので、少しインパクトに欠けた印象もあります。それを予想していたためシボ革は濃い目のグレーとしたかったのです。まぁ、沢山の個体をお持ちのオーナーさんですから、バリエーションとしては良いと思います。その気になれば、すぐにオリジナルに戻せますし・・・