その前に、私のセイコー・マーベルの天真が磨耗しているので、分解をしてみます。
17石で耐震装置は無い機械です。天輪にはチラねじがついているころですね。で、ヒゲ玉をはすしてヒゲゼンマイを分離しました。
最後に天真を抜いて分解完了です。天真は片方のホゾが折れていたようです。耐震装置の無い機械は、不用意に落下をさせると天真が折れて故障となる時代ですね。交換の天真が入手できるまで組立保留とします。
で、笹原ペンさんから現行のセイコー5が2個来ています。昔のセイコー5とは機械が違う別物ですが、判別が出来なかったようです。現行のセイコー5は、カレンダー枠が脱落しているものを良く見ますね。作りが雑なんですね。で、この個体の場合、カレンダー枠が短針を止めたために故障となったのでしょう。
ケースから機械を取り出してみました。観察すると、短針が変形して長針とも干渉しています。
中心の取り付け穴と針の角度が変ですね。短針なので強いトルクで捻じ曲げてしまったのでしょう。針の作りも昔の部品とはどことなく安っぽいので強度も無いのです。
ついてに差し込んであるだけの文字盤を外して注油をしてあります。短針は曲がりを修正をして取り付けてあります。
ケースに収めました。ケースは超音波洗浄をしましたが、ベゼルの文字の色入れが抜けてしまいました。ついでにヘアーラインを再生して黒を入れ直しておきます。
機械は7S26Bで、一見高級そうに見えるが、60年代のセイコー5と比べたら・・比べてはいけない製品ですね。海外で販売する製品の企画としては必要な製品なのでしょうけど、分解するたびにガッカリしてしまいます。ヒゲゼンマイのからみを修正しています。
軽い回転錘を取り付けてから、新しいパッキンで裏蓋を閉めます。
こちらも外装は立派なワールドタイム仕様ですが、中身の機械はみんな一緒。メンテナンスをしておきます。
海外で販売するための製品なので、ケースもベルトもがっしりと重く出来上がっていますね。逆輸入で数千円から入手できるコストパフォーマンスは素晴らしいと思いますが、それだけにオーバーホールをする時計ではないのかも知れません。GSも良いですが、気軽に旧製品ファンが欲しくなるような製品の発売を望みたいと思いますね。
http://www6.ocn.ne.jp/~tomys800/