いやぁ、win8には戸惑いましたよ。ビジネスで使わない理由が良くわかりました。で、やっと仮復旧をすることができましたので、ぼちぼちとUPを再開していきます。
再開の最初としてはちょっと問題の有りそうな個体が来ました。20万代のPEN-FTですが、突然巻き上げが固着したようです。なるほど巻けませんね。というかすでに巻き上げは完了しているようです。
その前に気になるのは・・。露出計は不良で全反射ミラーに交換とのことでしたが、純正のCdsは取り去られて、汎用の素子を取り付けてありますね。しかし、シャッターダイヤルとの連動が外れていますので、ご苦労様という状態です。また、ハーフミラーも汎用のミラーから作られています。こういう方法もあるとは思いますね。
前板を分離してシャッターを点検します。特に問題はなく作動はします。ミラーユニットも渋い動きではありますが正常な作動をしています。全体的な潤滑不足のため、突発的にフリーズ状態に陥ったのでしょう。露出計はご覧のようにCdsが取り去られています。本当に不良だったのかなぁ? ハーフミラーもこのミラーではファインダーは暗いでしょうね。これはFV仕様が相当でしょうね。
すべて分解洗浄のうえ組み立てていきます。分解をしながらチェックをしていきましたが、巻き上げ機構に原因不明の作動の重さを感じました。ユニットを洗浄点検しながら注油をして組み込みます。
シャッターユニットも特に異常はありません。通常のメンテナンスで組み込みます。ロアースプロケットをセットして巻き上げと連動させます。しかし、クマちゃんみたいに見えますね。
一般的に、リターンミラーの腐食は白く腐食するのですが、このようになるものもあります
。撮影には影響はありませんが、オーナーさんのご希望により交換することにします。リターンミラーユニットは超音波洗浄をします。
腐食をした古いミラーを分離したところ。接着剤をきれいに除去をして平滑面の戻しておきます。
新しいミラーを接着して前板に組み込みます。
ファインダーのルーペですが、組み立てはCリングによる変更後のタイプですが、このCリングのセット位置が違います。過去に分解清掃されたようですが、レンズに円周上の曇りがあり(製造上の原因でしょうか? 結構見ます)、それを清掃しようとゴシゴシやったようでコーティングが傷だらけとなっています。実用上は問題はありませんが、気分が良くないので交換します。
見えないかなぁ・・交換をしたレンズです。Cリングの位置はこれが正規。
次も厄介です。純正のCdsを取り去って改造をした部品ですから削られた部分がありますが問題はこれではミラーが取り付かないのです。
この部品が欠落していますので在庫から追加しておきます。(全反射ミラーに交換)これは逆入射光防止のためのグリットです。これがないとミラーが固定されません。まぁ、最後期には、全く違う露出計ユニットが採用されていますので、その時点ではグリットは存在しないのですが、米谷さんにお伺いをしても、頑なにそのユニットの存在は否定されていました。しかし、ちゃんと存在するんですよね。
まぁ、カタログにも、この方式をうたっていますのでね。
とにかく、やむなく改造するケースもあるとは思いますが、私は極力オリジナルを尊重したいというだけです。結果的にFV仕様ですから、FV専用部品のミラー抑え板があればシンプルに組めるのですが、現在手持ちがないのでこのようにしておきます。そもそも、この露出計は組み方が不完全で、Cdsが機能をしても動きませんね。
他人様の手がけた個体はやりにくいです。これでメカの組み立ては終了。
ファインダーのピント調整や他のチェックをして完成です。当初、150mm装着でフリーズ気味とのことでしたが、絞り口径が大きいので作動トルクは大き目ですから、トルクの弱っている本体ではフリーズする可能性があります。この個体は、シャッタースプリングが改良前の個体としては、トルクは良好な方で、問題なく作動しています。
http://www6.ocn.ne.jp/~tomys800/