最近暑くなってね。ちょっとサボっておりました。作業はしていましたよ。このPEN-FT #2729XXはお父様から譲られた個体とのことです。本体は、セルフタイマーが途中でロックした状態で、アクセサリーシューが接着されています。40mmレンズはグリスが変質してヘリコイドガタが大きく出ています。
ははぁ、シューの取り付けを繰り返している間に、アイビース枠がバリバリと欠けてしまい、業を煮やして接着をしてしまったとうところでしょう。結構多いですよね。オーナーさんはこのままでも気にならないとのことでしたが、このままではトップカバーが外れないの。私としては気分も良くないので外します。
接着を剥がしました。溶剤系の接着剤でした。ダンパーゴムは取り去っていますね。アイビース枠の隙間から内部にも流れ込んでトップカバーが開きません。
アイピース枠はやっと分離しました。トップカバーの接着剤は清掃しています。前面の色入れも抜けているところがありますので、塗料はすべて取り除いておきます。
ダイカスト本体にも接着剤が流れ込んでいます。丁寧に溶かして落すしかありません。
すべて洗浄をして組み立てします。前期の個体には入っていないウェーブワッシャーですよ。
シャッターユニットを洗浄したところ。メインスプリングは条数の多いタイプで安定しています。摩耗はなく、良いシャッターです。
途中飛ばして前板関係もO/H完了。
このアイビース枠、再使用するのかなとオーナーさんに確認のところ「交換」ですって。そうでしょうねぇ・・
前面の文字「O」が抜けていますね。全部剥離してから入れ直します。
シンクロターミナルの中心(黒モールド)が抜けています。ここはカシメが甘く、強く挿入すると抜けてしまう個体が多いです。再カシメをします。
前面の色入れを落してあります。これからトップ面と一緒に色入れのやり直しです。
FT本体は完成。付属の40mmですが、グリスの流化が進んでおり、ピントリングはスカスカ、ガタも大きく出ていました。鏡胴は清掃グリスの入れ替え、絞り羽根は洗浄を完了したところ。
40mmはカビの清掃をして組み立てました。ピントリングのガタは最少で、全く気にならない程度です。トップカバーの色入れ、アイビース枠を交換して本来の姿に戻ったところ。
最初の印象からは仕上がってみると悪くはない個体です。ハーフミラー交換でファインダーすっきり、露出計も元気です。ただし、お父様の思い出が無くなってしまったかもしれませんね。これから大切にされてください。
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