INOBOOさんのご依頼は多岐にわたっていますね。豪華な腕時計ケースと思いきや・・
ホーンスピーカーみたいなデザイン。ビスカワイド16という16㍉フィルムを使用するパノラマカメラですね。太陽光機というメーカーが昭和36年(1961)に発売をしたカメラとのことです。16㍉標準の3枚分の画角をレンズが回転して撮影します。
渋いながらも作動はしますね。レンズが向かって左がら右に動きます。
絞りはとても指先ではセットできないでしょうね。
おっと三八式歩兵銃の照尺みたいな折り畳み式のファインダー。
コレクションで実際に撮影はされないと思いますので、メンテナンスということで。
レンズ直結の巻上げカムはスローガバナーとゴムタイヤで繋がっていますよ。(ガバナー側もゴム)
分解清掃をしながら注油をして行きます。スローガバナーはHとSの2速式でS(スロー)の時には左側の歯車が右に移動して噛み合います。
黒い部分がゴムタイヤ。かなり錆が出ていますね。
レンズの動力はこのゼンマイバネ。かなり腐食が進んで分離すると折れる可能性が高いです。油を浸透させて錆の進行を抑えます。時計用のゼンマイで幅と厚みが同じ規格のものなら流用出来るかなぁ・・
回転軸に注油のため分解します。
汚れていたカバーを清掃して接着をしました。16㍉専用のマガジン。
右の大きな巻上げダイヤルを巻いてから、中央のダイヤルでシャッターチャージします。左はシャッタースピードHとSのセット。この個体はOFFの位置がありますが、OFFがないモデルもあるようです。ゴムタイヤの歯車を使用しているため、撮影時以外は、ゴムタイヤの接触を解除してゴムの変形を防止するようにします。
底部。開閉鍵があるだけの弁当箱のようです。平面が大きいせいか、中央部が多少盛り上がり気味になっていますね。プレス加工の問題なのか?
W123XH45XD55mmと画像から受けるイメージよりも大きく、重量は実測515gで重くキュービックでホールド性もよろしくない。撮影にもコツが必要となるとだいぶ熟練が必要かも知れませんね。マニアックなカメラもあったものです。