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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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SEIKO 56KSの風防ガラス交換の巻

2019年04月05日 18時14分34秒 | ブログ

あまり状態は良くない56KSですね。ワンピースケースは防水性が高いとのことですが、リューズのパッキンが摩耗すると、ご覧のように水気が侵入して来るので、裏蓋式と大して変わらないと思いますね。機械を取り出すのが厄介なだけです。

 

慣れた56系(5626A)なので素早くO/Hをしておきます。

 

 

輪列を置いて受ケを載せますが、流石にホゾ穴はピタッと嵌りますね。

 

 

コハゼを載せて角穴車をセットします。

 

 

テンプを載せて8振動が元気よく動きだしました。

 

 

幸い揺動レバーは正常に作動しましたのでカレンダーの早送りは出来ます。

 

 

最後に曜車をセットして日の裏側完成。

 

 

水気が入っていた割には文字盤の腐食は少なめですね。針は何度かの分解によりヤレています。

 

 

ワンピースケースなので回転錘を先に取り付けておきます。

 

 

 

ワンピースケースは簡単に歩度調整が出来ないので、ラグ間のメクラネジを外すとこのネジにより調整が出来ます。

 

 

風防ガラスを交換しますが、最近は純正品や社外ヨシダの風防も入手が困難になっているようで調達が出来ません。現在はSDNというメーカーからリング部分無しのガラスのみ供給されています。そこで、古いガラスをリングから取り外してセイコーS-314という紫外線硬化型の接着剤で接着します。しかし、SDNのガラスがリングに嵌りません。純正ガラスの外径は30.01mmでSDNは29.96mmなので嵌らない訳が無いのですがなんで? ルーペで拡大して観察すると、純正は接着面の角が面取り加工をさせていますがSDNは未加工です。これが嵌らない原因です。このロットだけ加工漏れなのか、リングの加工公差との組み合わせによって嵌らないのかは不明ですが、他にも嵌らないというケースがあるのではと感じます。仕方がありませんので、ダイヤモンドヤスリにて面取り加工をしてから接着をしました。

ワンピースケースの場合、機械をケースに固定する方式はセイコーでは4種類あるようです。リューズ左の文字盤との隙間のリングを回して機械を固定します。

 

 

ケースとベゼルリングは手磨きにて研磨をしてあります。パッキンを挟んで風防ガラスをセットし、ベゼルリングを圧入します。

 

 

当時のデッド部品が無くなっている現在ではSDNのガラスは有り難いのですが、純正と同じ形状寸法で供給して欲しいものですね。

 

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