同じオーナーさんから、後追いで送られて来たのがコニカⅢAです。1958年ごろの発売のようです。ずっしりと重いボディーと招き猫の巻上げレバーが特徴ですが、画像の状態でどこも全く動いてくれません。セルフタイマーが掛けられたままですので、シャッターが切れないのでツイ、タイマーを掛けてしまって余計に固着というパターンでしょうね。シャッターの問題も考えられますが、チャージのリンケージに問題があるケースも多いですね。
画像がピンボケ。決して作りは悪くないのですが、国産のカメラはチャージ機構がちゃちな構造のものが多いです。画像のリンケージはモリブデングリスがカラカラで潤滑をしていないため、カムの部分が摩耗しています。どうも強く巻き上げたため、噛み合いが外れてしまったようです。すべて洗浄注油でスムーズに巻き上げ出来るようにします。
シャッターも不動でした。本体から分離をしてメンテナンスをします。セイコーシャMXLですが、前回のシャッター同様、非常に丈夫な作りですから問題は無いと思います。
巻上げレバーを2回操作をしてリンケージを介してシャッターをチャージします。そのリンケージもモリブデングリスがカラカラです。
シャッターの状態も悪くは無いですね。後玉はカビがありますが清掃可能です。レンズの墨塗りが剥がれて絞り羽根上に載っていました。
基本的には悪くは無いユニットですが、1/500時にアシストするバネの張力が劣化をして機能していません。カムも摩耗をしています。全体的な疲労は少ないと見える個体なのにね。1/500にセットされて長期間放置されていた?
その他は問題なく本体に組み込みます。LV指標の▲の色入れが抜けています。
入れ直しておきました。基本的にはLVセットで使用する方式ですが、単独でセットする場合はちょっとやりにくいです。
裏蓋開閉鍵を取付けて組立完成。しかし、いつも思うのですけど、裏蓋ラッチの解除がこの小さな突起を押すのは爪が伸びていないと・・
評価の高いカメラですが、ファインダーに巨大なプリズムを使用したりで重いのが難点ですね。メーカー公表値は800gですが、実測しましたら795gでした。距離計連動のブライトフレームはすごいですが、二重像はあまり見やすいとは言えません。この個体は2.180円でGETされたそうです。中古屋さん回りではなく、骨董市やフリマ回りの勝利ですね。