時計の方が部品の問題やらでトラブって進みませんので中断して来ました。珍しいKONICA EYEが来ました。オーナーさんは、入手前にメンテナンス費用のお問合せを頂いていたりで、やっと?2台も入手されて来ました。しかも箱付きですね。しかし、どらちもあまり状態は良くなくて、EEが利いていないようです。外観の程度から左側を主体に直したいと思います。
発売は1964年だそうで、右が発売年で程度の悪い左は翌年の製造です。ASA感度表示の透明樹脂レンズが欠落していますので、左から調達します。
裏蓋は巻き戻しダイヤル下のボタンを押すと開きます。
ハーフですので眺めはPENと似ていますね。
問題のセレンはどちらも弱っていて、テスターで測定すると僅かに起電している程度です。プログラムEEカメラなので露出計が動かないのは困る。
セレンのサイズはPENとほぼ同じぐらいですね。流用をするか、EYEでセレンの生きているものを在庫から探してみるか・・
前板にレンズ機構が集約されています。口径の大きな1.9の明るいレンズ。
連休最後の日は頑張ってやりましたよ。結局のところ、メインにした個体も決して状態は良くないので、良いとこ取りのニコイチということになります。しかし、PENの設計が究極の合理設計とすれば、その対極のような作りですわね。ハーフである必要がないような作り込み方。ビハインドシャッターは作動が緩慢です。フライホイールの動きなどが悪いです。
すべて分解をして洗浄のために、劣化したモルトなどをきれいに取り去っておきます。
裏蓋のモルトは四辺ですので面倒。
かなり汚れていた本体を洗浄のうえ、組立をしていきます。スプロケットは通常の下側の片側設計。スペースが欲しかったのでしょう。
露出計の調整抵抗が見えないと思ったら、裏側に半固定抵抗がありました。調整がしにくくありませんかね?
完成したシャッターユニットを本体にドッキングします。レンズ回りの遮光モルトを貼っておきます。
ここのバネは本体側にセットしておきます。
巻上げとシャッターの調子を見ています。
ファインダーの対物レンズを清掃するため、軽く触ったら「ポロッ」と角が欠けてしまいました。過去に衝撃が入っていたりで、時々ありますね。部品取りがあってよかった。
清掃が終わったファインダーを本体に取り付けました。
距離リングなどの状態は部品取り機の方が程度が良いので、レンズも含めて程度の良い部品を選んで作ります。
前板(レンズ)が付いて形になって来ました。
問題のセレンですけど、当方に複眼レンズにキズがあるストックがありましたのでセレンを移植して使うことにします。
露出計の針が動いていますね。
底蓋は1つは手遅れ状態ですので、手前側を使いますが、中央がへこんでいますね。洗浄する前は気が付きませんでした。修正をして使います。
底部のチャージリンケージ部にグリスを塗布して底蓋を仮にセットしておきます。(シボ革を貼るので)
欠落していたASA窓は部品取り機から調達しましたが、樹脂の劣化や塗装ハゲなどで良い状態ではありませんでしたので、塗装と磨き出しをして仕上げてあります。
キヤノンのG17に似た裏蓋のモルト形状ですね。本体に取り付けます。
フィルムレールも太くてがっちりとした設計ですね。非常にきれいになりました。
「小型で軽くデラックスな高性能ハーフサイズカメラ」と取説に謳われていますが、付属品のストラップもPENより豪華?なものが付属しています。取付け先端の環部は回転する手の込んだ作りです。心材に組紐が巻かれたストラップはPENのように経時硬化せず、現在でも全く不都合がありません。
樹脂製のフードも付属しています。収納時は逆にすればレンズキャップが内側に嵌ってコンパクトに収納が出来ます。
「フィルム感度目盛窓」の接着画像がありませんでした。露出メーターを横回転させて、そこにASA感度目盛りのシールを貼るというアイディア。
「元箱付きフルセットで仕上がりましたね。F1.9の大口径、6枚構成のヘキサノンレンズは大型カメラに負けない模写力をもち・・」と書かれていますので、レンズには自信があるのでしょう。メーカーが変われば設計思想も変わるという見本みたいなハーフカメラでした。