これはKATOの旧製品EF57です。EF57は昭和15年に誕生し東海道本線で特急つばめなどを牽引した人気の電気機関車です。KATOではモーターにフライホイールが付いたりして後継版が発売をされていると思います。
プラの成形品としては良く出来ていると思いますが、デッキなど、やはりプラ感が出ていて気になります。よって工作派の私としては真鍮製キットを製作したくなるのです。
で、初期型のローライ35 #3004XXXです。かなり以前からお預かりしていた個体ですが、主に露出計の不良がありまして交換部品の関係からペンディングとしていた個体です。
ローライ35ファンの方で、裏蓋にこのような彫刻文字が入った現物を見たことがありますか? 私は書籍で見ただけですが、市場に出ると高額で取引されるようです。
レリーズボタン横のへこみがあります。また、メーター窓ガラスの劣化など細かな不具合がありますが、貴重な個体ですので出来るだけ良い状態に仕上げたいと思います。
ケース保管と使用頻度は低いと見えて洗浄後はきれいになりました。巻き戻しダイヤルは金属製で回転が渋いので分解清掃と潤滑をしておきます。
この辺はいつもの定番作業です。アイドラギヤの潤滑切れによる回転重いがあります。ファインダーはジャーマニーですからガラスの固まりをガムテープのような粘着テープで巻いてあるもの。
巻き戻しレバーの規制バネの形状が以後と異なります。1本棒のバネが使われていますが、以後は上のネジ2本に掛ける形状に変更されます。
内部の塗装は普通の艶消し黒塗装ですが以後はリンクル塗装になります。良く知られているのは圧板に違いがありますね。この個体は↖のスプール軸の下端に付いているカムプレートが金属製です。そのため以後の個体より巻き上げのフィーリングが硬く感じます。
レンズは長期保管ですのでカビ曇りが認められますが清掃出来るでしょう。シャッターユニットは未分解でした。
シャッター羽根を駆動させるブレードリングの形状が異なります。
以後の殆どの個体はこの部分に樹脂リングが嵌っているのですが、初期はモリブデンのようなもので潤滑していたようです。
ちょっとブレークタイム。埃だらけのC11のボディーを分離して超音波洗浄をしてみました。新品のようにピカピカになりました。こういうところはNゲージは楽ですね。購入して飾っていただけですので当然ですが・・今回KATOから発売された新C11は、ちゃんと1/150になっていて、画像のC11より一回り小さいのに動力装置やデティールなども進化しているようです。
で、戻ります。どうしたわけか、全体の保存状態は良いのにメーター窓の樹脂ガラスだけ激しく劣化しています。ローライ35の樹脂ガラスは非常に硬質なプラスチックが使われていて、これほど劣化することは少ないのですが、黄ばみだけではなく、表面に無数のクラックが入っています。交換部品はありますが、出来るだけオリジナルを使いたいので研磨をします。
修復したメーターを本体に組み込みました。最初期型に入っているLチャンネルも忘れずにセットしてトップカバーを閉めます。
サイドの留めネジ1本が規格外ですので純正に交換しておきます。
これで完成です。最初期型の個体としては使用による劣化も少なく良いコンデションになったと思います。この個体は恐らくネット通販ではなく、カメラ市の出品用になるのではないかと思います。欲しい方はチェックしてください。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)