続いてローライ35 #31641XXですからドイツ製の後期でしょうか。HONEYWELLダブルネームのfeet表示機です。過去に分解歴があり巻き戻しレバーの化粧ネジが痛んでいたり、オリジナルのレバーアテが破損して簡易的?な樹脂が取り付けられています。自分のカメラを出来るだけきれいにしたいのは人情で、ご自身で市販の部品などを入手されて来ました。
トップカバー両側のネジは1本が非オリジナルの+ネジになっています。現在、補修用ネジとして入手が出来るようですね。
ヘリコイドグリスが完全に抜けています。また、良く見るとシボ革が再接着されています。何を修理したのかな?
レンズ収納ボタンのメッキが剥離していますね。このような個体を稀に見ることがありますが、どこに擦ったらこうなるのか? オーナーさんが気になるようです。
入手されたネジですけどね。左端はオリジナルです。ここのネジは製造時期によって微妙に頭の形状が異なるようですが、市販品は頭の形状が大きいです。メッキの仕上げはバフ掛けがされていて非常にきれいですね。
横から見ると形状の違いが分かると思います。但し、M1.4のメッキスリ割りネジは入手が困難ですので有難いアフターパーツです。
巻き戻し時にスプロケット軸をフリーにするギヤの上下作動がスムーズでなく固着気味です。この軸は力を掛けると容易に曲がってしまいギヤの動きに影響しますが、後に軸を改良されています。
沈胴は緩くはないのですが、摺動音が気になるので分解点検します。
シャッターとレンズは特に問題はありません。組み直しと清掃、グリス交換をしておきます。
シボ革の再接着が少し乱暴で接着剤がはみ出している割には簡単に剥がれます。
巻き戻しクランクの基部は樹脂製で、回転不良と樹脂の白濁がありますので分解清掃と研磨をしておきます。
レバーアテは私が旋盤で製作したもの。取付穴部がへこみ気味でしたので修正をしてから熱カシメしました。巻き戻しレバーと右の同形化粧ネジもうちのオリジナルと交換してあります。
外観に凹みやキズが無い個体でしたので、細かなパーツを新品と交換することでグッときれいになりました。