今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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40mm f1.4+25mm f2.8の清掃

2011年09月12日 22時15分34秒 | インポート

Dscf290337 レンズの清掃で2本来ていますが、その前にちょとブレークタイムで時計の組立をしていました。このモデルはセイコーLM(ロードマチック)25石の角型変形ケースですが、56系の機械で基本的に56キングセイコーと共通のため部品取りとして数台入手したジャンクの一つでしたが、テレビの画面のような形が面白く、治してみることにしました。セイコーの角型ケースは前面カバーをサイドのバネによって保持しているだけの構造のため、とても強力な防水性能は期待できません。よって、文字盤を見ると9時などの部分に腐食があって、ちよっと残念ですね。自動巻きのローターの縁は腐食が進んでいました。機械としては、リューズで針は全く動かない状態。この場合は、輪列に重大な問題を抱えていることが多いのです。結果は、ピンセット先の三番車の軸の先端が折れていました。落下などの衝撃で折れたのでしょう。他の個体から移植してあります。その他、この機械の持病である日曜日送りが出来ない。こちらも交換して作動状態としています。その他、傷だらけのカバーのヘアラインを修正して風防ガラスを研磨してあります。

Dscf290533 このように仕上がりました。今日一日、外出につけてみましたが、日差2秒という、大変優秀な精度でした。改めて56系の優秀性を実証したようです。付属でついて来たメッシュのバンドは似合うのですが、ちょっとヤレちゃっていますね。現在発売されているメッシュバンド(19mm)は一万円以上するようなので躊躇しちゃいます。本体は千円でしたので・・

Dscf290499 で、お仕事です。2本のレンズ共、防湿庫保管でしたが、カビが発生したとのことでしたが、こちらの40mmはカビは無いようで、ルーペで観察すると、ガラスに細かなクラックが入っているように見えます。これは、元々持っていた不具合が、長い時間の中で現れて来たものでしょうか? その他、塵の混入があります。しかし、翌々見ると、分解されていない群内のレンズも、結構すり傷がありますね。この程度の品質だったわけです。

Dscf290616 今年はいつまでも厳しい残暑が続きますね。昔に比べて、日本では私の好きな皮ベルトの腕時計が出来る期間が短くなっている気がします。皮ベルトには汗は大敵ですので・・

そこで、この25mmも最近の高温が影響しているのかなぁ? オーナーさんはカビとおっしゃいましたが、観察をしてみると・・・これは前玉を分離して裏から光線を当ててみたところですが、プツプツと気泡状のものが無数に見えます。これは、レンズの1枚目と2枚目を貼り合わせているバルサムが劣化したものと思われます。オーナーさんは防湿庫保管とのことで、異常は急に発生したようですので、湿気ではなくて高温が原因ではないかと思うのです。これは清掃できれいにすることは出来ません。取りあえず、みなさんのレンズも高温となるところに保管されないようにお気をつけください。


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