北海道のご常連さんからZuiko 20mm f3.5のレンズが曇ったとのことで来ています。このレンズは新種ガラスなどの影響なのか中玉が曇る持病がありますね。これはガラス自体が曇ってしまうものでクリーニングではきれいになりません。ははぁ、曇ってはいますが、ひどいものは真っ白になりますよ。しかし、過去に分解を受けていまして、化粧リングのスリットが傷だらけです。
レンズの構成は多段ロケットのようになっています。曇っているのは右端のカシメられたレンズ。他のレンズも拭き傷がありますね。分解用の穴が荒れているのが分かりますね。複数回分解をされているようです。彫刻された数字が違うなぁ??
分かりずらい画像ですみません。幸い曇りはクリーニングで落ちましたが、一度曇りが出たレンズはミクロ的には表面が荒れて、再び曇りやすくなる傾向がありますので注意が必要です。このまま放置をするとクリーニングでは曇りは取れなくなります。
マウント部の絞りが重い傾向です。観察すると、過去に鉛筆を擦りつけてありますね(綿棒)こんなことしてもダメなのね。ここも分解をされてナットが傷だらけ。ここは分解してはいけません。
鏡胴を分離して見ると・・ヘリコイドグリスが流れていますね。後玉を分離して、すべてクリーニングをします。
鏡胴の清掃、化粧プレートのスリット部を艶消し黒でタッチアップして完成。曇りは取れていますね。北海道で気温が下がって来たことも影響しているのかなぁ? しかし、防湿庫保管と聞いていましたね。どちらにしても早めのメンテナンスが必要なレンズです。
http://www.tomys800.sakura.ne.jp/