今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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珍しいペトリハーフの巻

2020年06月29日 12時45分00秒 | ブログ

ペトリハーフですけどね。私もジャンクを探しているのですが、中々見つかりませんね。現存数が少ないのでしょう。この個体はご常連さんがメルカリで入手されたそうです。メルカリかぁ、私はスマホ持っていないのでやってないのですよね。で、巻き上げが渋いとのご指摘ですが底部の巻上げ機構を見てみますと、現象の直接原因ではないのですけど、リターンスプリングがゼンマイ式で、かなり赤錆になっています。

私は時計の修理もするのでゼンマイは何でもないですが、取りあえず赤錆を落とします。折れても時計用で代用は可能のサイズですね。

 

スペースが取れないので、巻き取りはチェーン式です。しかし、巻取り側はスプロケットの歯はなく単に巻き取っているだけです。

 

ゼンマイに錆防止で時計油を塗布しておきますが香箱がないので少なめに。

 

 

特徴的な緑色に見えるファインダーですが、曇っていてはっきり見えません。緑色の前面ガラスはなんと1.85mmもあります。そこに清掃では取れないカビ痕があって、後ろの対物レンズもカビ痕が取れません。

 

こういう感じですね。ハーフミラーも曇っていますが、一番問題なのは接眼レンズの内側が完全に白濁しています。あ~、これは研磨をする以外に方法がありませんが取り付けたままでは研磨が出来ません。

 

幸いなことに、取付けはエポキシ接着と思っていましたが、試しに溶剤を浸み込ませると取出しに成功しました。まさか後の整備性を考慮してのことなのかな? で、昨夜一晩掛けて研磨をしました。

 

マスクと前面ガラスを接着して完了。しかし、緑色は何の効果を狙ったものでしょうね。ファインダーとしてはかなり暗くなるので防眩のためかな? 私の父が軍隊から持ち帰った、たぶん狙撃銃用のスコープにも緑と赤のフィルターが箱に入っていた記憶がありますが、あっ、あのスコープどこへ行ったかな。父が使用していた三八式歩兵銃にはスコープは付きませんが、アイアンサイトだけでかなり正確な射撃が出来たようです。話が脱線しました。

ファインダーは本体ダイカスト一体式で上部カバーは付きません。シンクロソケットがレリーズボタンの下に配置されています。

 

 

レンズは前玉、中玉にカビ有り。後玉のコーティング剥離があります。しかし、白濁は無いのが救いです。シャッターは作動していますが、構造が簡単なので動き続けているという感じですね。これかPEN-Sの神経質なコパルだったら完全に止まっています。スローガバナーの状態は非常に良いです。

超音波洗浄と注油のうえ組み込んで行きますよ。

 

 

良く見ると裏蓋のロック部分のシボ革が剥離しているようですね。オリジナルのシボは大きめなので同じものは無いのですが、似ている素材から切り出して来ました。

 

まぁ、良く見なければ気が付かないですね。

 

 

巻上げは底部のトリガー式ですが、これは慣れると非常に使いやすい。しかし、ナイフのように尖ったデザインは現在は出来ないでしょうね。

 

ということで、巻上げ・シャツター絶好調です。ペトリハーフはレンズの状態が良好なものは少ないようですね。なぜかオリエンタル風なデザインが特徴の希少なカメラです。

 

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