3日(日).午後,上野・東京藝術大学「奏楽堂」で,東京芸大チェンバーオーケストラの第17回定期演奏会を聴きました
「奏楽堂」は2つあって,一つは上野公園の一角にある「旧奏楽堂」で,もともと芸大の前身・東京音楽学校の演奏会場でした.今は台東区の所有になっていて,時々室内楽の演奏会をやっています.座席番号は今でも「い・ろ・は・に・・・」で,日本では他に九段会館のみでしょう.今回の会場「(新)奏楽堂」は東京藝術大学の構内にあり1,100人位収容できる立派な演奏会場です
プログラムはモーツアルトの①アイネ・クライネ・ナハトムジークK525,②ハフナーセレナードK250の2曲です.演奏する東京芸大チェンバーオーケストラは2003年に設立され,東京芸大音楽学部と大学院に在籍する弦楽器の25名が中心となり,曲目によって管・打楽器などが加わって演奏する団体です.前回聴いたときと違って,男女の比率が半々といった感じです.前回は圧倒的に女性が多かったのを覚えています
K525の指揮は1992年からウィーン・フィルのコンサートマスターを務めるライナー・ホーネック.使用バイオリンはオーストリア国立銀行から貸与されている1714年製ストラディバリウスとのことです.
最初のK525は「小夜曲=小さなセレナード」という意味の曲で,モーツアルトの曲の中で最も有名な曲かも知れません.弦楽だけで演奏されるこのセレナードが,どのような機会のために,誰のために作曲されたのか不明です.ホーネックは最初から躍動感溢れる指揮ぶりでぐいぐいオーケストラをドライブしていきます.まずは小手調べといったところでしょうか.
休憩後のハフナーセレナードはモーツアルトの生まれたザルツブルクの市長も務めたジークムント・ハフナーの娘エリーザベトの婚礼音楽のために作曲されました.弦楽のほかにフルート,オーボエ,ファゴット,トランペット,ホルンが加わり,音楽に広がりと深みを与えます
ホーネックはコンサートマスターの席に座りました.つまり指揮者なしで,コンマス主導で演奏しようというわけです.総勢38名のオーケストラを,ある時は大きく体を動かして,ある時は背中で語って,全力で引っ張っていきます
第1楽章のアレグロマエストーソ
が始まった途端に,背筋が寒くなりました.「これは凄い!指揮者なしでこれだけの集中力を発揮できるのか!」 第1楽章のように曲の流れが速い楽章は心配ないとして,全部で8楽章まである長い曲の中で,アンダンテのような楽章はどうだろうか,弛緩しないだろうか,と心配
しましたが,余計な心配だったようで,最後まで集中力は途切れませんでした.学生オーケストラからこれだけの音楽を引き出すことが出来るホーネックという人は,流石にウイーン・フィルのコンサートマスターです
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に応えてアンコールを演奏することになって,ホーネックが第1バイオリンに曲名と演奏部分を伝えたのですが,他のメンバーにうまく伝わりません.管楽器のメンバーは顔を見合わせて”ねえ,何やるの?””わかんない”といった会話が聞こえてきそうでした.そのうち,ホーネックが大きな声で”○○のメヌエット”を演奏すると会場にも聞こえるように言ったので,やっと全メンバーにK250のメヌエットをもう1度演奏することがわかったようです.肩の力が抜けてリラックスしたいい演奏でした
これほどの演奏が,たったの1,500円で聴けるなんて,とても信じられません
自由席なので開演40分前くらいに会場に行って並べば理想に近い席が確保できます.ちなみに私は1階22列12番という,センターブロックの通路側でした
次は7月9日(土)午後3時からリスト音楽院と東京芸大のコラボレーションコンサートが,奏楽堂であります.なんと入場無料だそうです.リストのピアノ曲がただで聴けますよ


プログラムはモーツアルトの①アイネ・クライネ・ナハトムジークK525,②ハフナーセレナードK250の2曲です.演奏する東京芸大チェンバーオーケストラは2003年に設立され,東京芸大音楽学部と大学院に在籍する弦楽器の25名が中心となり,曲目によって管・打楽器などが加わって演奏する団体です.前回聴いたときと違って,男女の比率が半々といった感じです.前回は圧倒的に女性が多かったのを覚えています

K525の指揮は1992年からウィーン・フィルのコンサートマスターを務めるライナー・ホーネック.使用バイオリンはオーストリア国立銀行から貸与されている1714年製ストラディバリウスとのことです.
最初のK525は「小夜曲=小さなセレナード」という意味の曲で,モーツアルトの曲の中で最も有名な曲かも知れません.弦楽だけで演奏されるこのセレナードが,どのような機会のために,誰のために作曲されたのか不明です.ホーネックは最初から躍動感溢れる指揮ぶりでぐいぐいオーケストラをドライブしていきます.まずは小手調べといったところでしょうか.
休憩後のハフナーセレナードはモーツアルトの生まれたザルツブルクの市長も務めたジークムント・ハフナーの娘エリーザベトの婚礼音楽のために作曲されました.弦楽のほかにフルート,オーボエ,ファゴット,トランペット,ホルンが加わり,音楽に広がりと深みを与えます

ホーネックはコンサートマスターの席に座りました.つまり指揮者なしで,コンマス主導で演奏しようというわけです.総勢38名のオーケストラを,ある時は大きく体を動かして,ある時は背中で語って,全力で引っ張っていきます

第1楽章のアレグロマエストーソ



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これほどの演奏が,たったの1,500円で聴けるなんて,とても信じられません


次は7月9日(土)午後3時からリスト音楽院と東京芸大のコラボレーションコンサートが,奏楽堂であります.なんと入場無料だそうです.リストのピアノ曲がただで聴けますよ


