人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「狩のカンタータ」世俗カンタータ全曲シリーズ始まる~バッハ・コレギウム・ジャパン

2011年07月15日 06時53分11秒 | 日記
15日(金).昨夕,初台の東京オペラシティ・コンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の第94回定期演奏会を聴きました これまでBCJは200曲近いカンタータの全曲演奏シリーズを10数年にわたり続けてきましたが,あと数回で完結します.今回から世俗カンタータ・シリーズが始まりました.当初はこれまでのカンタータと併行してコンサートを組み立てていくとのことです.これまで演奏してきたカンタータは教会で演奏するための曲でしたが,世俗カンタータは基本的に機会音楽(例えば誕生日,結婚式)なので,より親しみやすい音楽ともいえます.この「狩のカンタータ」は現存する中で最も古い世俗カンタータといわれています

今日のプログラムは,前半が新年祝賀・セレナータ「日と年をつくる時はBWV134a」.アルト(といっても男性)=ギヨン,テノール=櫻田享ですが,櫻田はしばらくBCJのコンサートに出演していませんでした.干されていたのかと思いましたが,久しぶりに素晴らしいテノールを聴かせてくれました.(※BWVはバッハ作品番号のこと)

後半は誕生日祝賀「狩のカンタータ”心躍る狩こそわたしの歓び”BWV208」 デイアーナ=ユンカー(ソプラノ.ベルギー出身),パレス=ラン(ソプラノ.イギリス出身),エンデュミオン=櫻田享(テノール),パーン=ウイリアムズ(バス.イギリス出身)というメンバーでしたが,4人とも完璧な出来栄え

「狩のカンタータ」はザクセン=バイセンフェルス公クリスティアンの誕生日を祝って作曲されたお祝いの曲です バッハはこの曲を高く評価していたらしく,歌詞を変えて,この曲を少なくとも2回,別の人を讃えるお祝いで演奏したとのこと.それだけでなく,いくつもの楽章をパロディーとして教会カンタータにも取り入れているとのことです.歴史的に見ると,世俗カンタータは宗教カンタータと比べて軽んじられてきたようです BCJのこのシリーズが世俗カンタータの地位を一層高めるのに貢献するといいと思います.

思い起こせば,バッハのカンタータと初めて出会ったのは,10年ぐらい前にBCJの演奏による世俗カンタータ「急げ,渦巻く風ども”フェーブスとパーンの争い”BWV201」を聴いたときでした.まるでオペラを聴いているような楽しく心はずむ音楽でした バイオリン,オーボエ,フルートなど,すべて古楽器による演奏が新鮮でした.そしてソリストとコーラスが何より素晴らしかったです.それ以来BCJの定期会員になり現在に至っています

この曲でパレス(ソプラノ)の歌う「王は良き牧人~羊は心置きなく草をはむ」はNHKのバロック音楽番組のテーマ音楽として使われていました.穏やかな心休まる音楽です.今でも番組は続いているのでしょうか?

BCJは世俗カンタータ・シリーズを演奏会に合わせて全曲録音していくとのことで,今から楽しみです とくにカンタータの世界に引きずり込んだ曲BWV201をもう一度生で聴き,録音したCDを入手したいと思います

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