人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

サー・チェンのピアノを聴く~日経ミューズサロン代替公演

2011年07月13日 06時26分21秒 | 日記
13日(水).昨夕,大手町の日経ホールで第390回日経ミューズサロン代替公演を聴きました.もともとアンナ・ゴラーリというピアニストの公演が大震災の影響で中止になったため,演奏者とプログラムを代えて挙行することになったものです 演奏者は中国生まれでドイツ在住の女性ピアニスト,サー・チェン.彼女は四川で音楽の勉強を始め,ダン・シャオイのもとで学んだとのこと.数年前にショパン・コンクールで優勝したユンディ・リと同じ先生だと,どこかで読んだ記憶があります.彼女も2000年のショパン・コンクールで4位に入賞していますので,相当の実力者といってもいいでしょう

どこの会場でも開演に当たってアナウンスがありますが,「座席の前の机のご使用はご遠慮ください」というのは日経ホールしかないでしょう.このホールは講演会も開ける多目的ホールなので,座ってメモが取れるように前の席の背中部分に引き出し状の机が付いています.これを引き出すと奥の席の人が入りにくくなるので「ご遠慮ください」となるのです.ついでに言えば,この会場のトイレは可動式になっています.男女のトイレの境の壁が動くようになっていて,女性が多いときは,女性のトイレが多くなるように壁が男性側に移動するようになっています.日経ホールの杮落としに先立って見学させてもらったとき担当の方に聞きました

さて,プログラム前半は①ベートーベン「ピアノ・ソナタ第17番”テンペスト”」,②リスト「巡礼の年・第1年”スイス”より”ワレンシュタット湖畔で”」③リスト「バラード第2番」の3曲.彼女は黒一色のコスチュームで登場し演奏を開始しました.

最初のベートーベンは,やや固さがあったように思います 実力はあるのに出し切っていないような感じです.第2曲目と第3曲目のリストは,休憩を置かずに演奏しましたが,こちらは”彼女に合っている”と感じました まさに「水を得た魚」といった印象でした.古典派よりもロマン派の方が向いているのではないか,と思いました.

休憩時間にロビーに行くと協賛社のファンケルが「ホワイトアドバンス ドリンク EX」という清涼飲料水を無料で配っていました.日経ミューズサロンでは毎回このサービスがあるようです.1本飲んで1本娘に持ち帰りました.セコイ?

プログラム後半は①ベートーベン「ピアノ・ソナタ第21番”ワルトシュタイン”」②リスト「巡礼の年・第1年”スイス”より”ジュネーブの鐘”」③リスト「ハンガリー狂詩曲第12番」の3曲.

印象は前半と同じで,ベートーベンよりもリストの方が彼女の個性が現れているような気がしました.アンコールは「リストのあの曲だろうな・・・」と予想したのですが,まさにその曲「コンソレーション」を演奏しました このアンコール曲を含めて彼女の演奏の全体的な印象を言えば,どちらかというと優れたテクニックを背景に「力で押し切る」タイプのピアニストではないか,と思います

それにしても,ドイツ人やハンガリー人の作った曲を中国人が演奏して日本人が聴く・・って,インターナショナルというか,グローバルというか,まさに「音楽は時間と空間を超えて」人々の心に訴えかけてくることをあらためて認識しました

  


    

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