人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

金子三勇士ピアノ・リサイタル~鮮烈な日本デビュー

2011年07月23日 19時01分21秒 | 日記
23日(土).午後,オペラシティ・コンサートホールに金子三勇士ピアノ・リサイタルを聴きに行ってきました 「彼,絶対にいいよ」と言うAさんと初台で待ち合わせて,軽く昼食をとってから会場に向かいました.指定席と自由席があり,最初に自由席の列が入場,その後指定席の順番になりました.われわれの席は1階6列1,2番とかなり前の方で,ピアニストの指がよく見える位置です 会場は1階席,2階席とも満員御礼です.デビュー・リサイタルでこれほどの観客を集めることが出来るとはただ者ではありません

入り口でA4サイズ2つ折の簡単なプログラムを受け取りました.演奏曲目と本人のメッセージと略歴が紹介されていますが,曲目の解説がありません 簡単でいいから付けてほしいと思いました.金子三勇士は1989年,日本人とハンガリー人(母)のもとに生まれ,6歳からハンガリーに単身留学し,現地のバルトーク音楽小学校に通いました.11歳で飛び級で国立リスト音楽院大学ピアノ科に入学,16歳の時,日本に帰国し東京音楽大学付属高校2年に編入し,清水和音らに師事しました.

開演前の会話.「”三勇士”って”ミュージック”からとったのかな?」と私.「”三銃士”をもじって”三勇士”ってつけたのかもね」とAさん.本人に聞いてみないとわかりません

プログラムは前半が①リスト「ハンガリー狂詩曲第12番」②バルトーク「セーケイ人たちとの夕べ」③バルトーク「6つのルーマニア民族舞曲」④ベートーベン「ピアノ・ソナタ第8番”悲愴”」⑤ショパン「ノクターン第2番」⑥ショパン「ポロネーズ第6番”英雄”」の6曲です.

本人が舞台に登場するところを見ていると,非常に落ち着いていて堂々としています.日本初デビューと謳っていますが,かなり場慣れしている風情ですそして,どの曲も落ち着いて丁寧に弾きこなしていました.Aさんの感想は「やっぱりショパンはいいね.ほっとする.ノクターンでもポロネーズでも,しっくりくる.でも英雄ポロネーズは自分で弾こうとすると,とても難しい」.私の感想は「自信に溢れたプログラミングだ.単なるテクニシャンでなく,華がある」

後半はオール・リスト・プログラム.①ラ・カンパネラ,②愛の夢,③ピアノ・ソナタ ロ短調の3曲です.彼のテクニックは,ある意味完成されていると言えるでしょう.とくに「ソナタ」におけるダイナミックなスケール

全曲を終えて,マイクを持ってお礼のあいさつ.そして,アンコールにショパンの「ノクターン遺作」オリジナル・バージョンを,もう1曲,バッハの「シャコンヌ」をしみじみと演奏しました

今日の演奏の感想.Aさん「私にはリストは弾けない.リストの手を見たことある?楽譜を見ると指が届かない音符が次々と出てくる.楽譜を見ただけで吐き気がする よっぽど大きな手で指が長かったのでしょうね.金子三勇士は非常に丁寧に弾いていた.彼,マスクもいいし有望だね.あっ,マスクって大事だよ.私たちは将来有望なピアニストのデビュー・リサイタルに立ち会ったと,後で振り返ることになるかもしれないね」.私「リスト生誕200年を記念して,リストにまつわる作曲家を取り上げた意欲的なプログラムだった.彼は将来,大物に成るかもしれないね」さて,金子三勇士はわれわれの期待通りビルトォーソに育ってくれるでしょうか

  
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする