人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」~最近観た映画から

2011年07月09日 17時48分32秒 | 日記
9日(土).飯田橋「ギンレイ・ホール」で映画の2本立てを観ました.10時20分から開演なので30分前に着いたのですが,すでに映画館から地下鉄に続く階段の下まで長蛇の列 ここは10,500円のパスポート会員になると,年間50本以上の映画が観られます.上映は2週間で1クールです.

最初の10:20からの映画は2009年のドイツ・フランス・イタリア映画「ソウル・キッチン」.オーナーのジノスが経営するレストラン「ソウル・キッチン」は安いけれど味がどれも同じ料理を出します.それでも集まる仲間にはかけがえの無い場所です.途中,高級レストランをクビになったシェフを雇い味で勝負できる店に再生,ぎっくり腰になって,税務署,衛生局と戦いながら店をキリモリします.多彩な料理が出てきて,ロックががんがんかかるので,ロック好きには楽しい映画です

2本目は12:15からのカズオ・イシグロ原作の2010年のイギリス・アメリカ映画「わたしを離さないで」.他人のために臓器を提供するために育てられている少年・少女が,思春期を迎えて自らの過酷な運命に向き合って生きていく,という深刻な映画です この作品は去年か一昨年に文庫本で原作を読んでいたので,何となくイメージはつかんでいたのですが,映画を観てあらためて,なぜ,タイトルが”わたしを離さないで”なのか,を思い出しました.それは少年が少女に贈った1本のカセット・テープに吹き込まれていた歌の歌詞でした
NEVER LET ME GO

少年・少女たちは大人になると,他人に臓器を提供するために手術を繰り返します.1回の手術だけで死んでしまうケースもあれば,3回,4回と手術を繰り返して,それだけ人のために役立って死んでケースもあります.最初から自分自身の人生はない・・・観ていてやりきれなくなります 本で読んだときもそうだったのですが,映画で観てあらためて”静かで,じわっとくる映画だな”・・・と思いました.
コメント
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