19日(火).昨日,すみだトリフォニー・ホールで新日本フィル第480回定期公演=ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を観ました 油断していました.こんなに時間が長いとは プログラムに挟み込まれたスリップによると開演14:00.第1幕:約80分,休憩25分,第2幕:約65分,休憩25分,第3幕:約75分,終演予定19:00とあります.要するに5時間かかるわけね 話の筋は,要するに毒薬を飲んで死ぬはずだったトリスタンとイゾルデが,イゾルデの侍女ブランゲーネの気転によって媚薬を飲んだために愛し合うようになり,苦しんで,結局は死んでいくという他愛のないもの.それに5時間かけるわけです,ワーグナーという人は
配役はトリスタン=デッカー(テノール),マルケ王=クリステンセン(バス),イゾルデ=ヨハンソン(ソプラノ),ブランゲーネ=藤村美穂子(メゾ・ソプラノ)ほか,指揮はクリスチァン・アルミンクです.
オペラ劇場ではないので,コンサート形式での上演です.舞台にオーケストラが乗り,背景には巨大なスクリーンが掲げられています.有名な前奏曲が始まるとスクリーンに海の波が映し出され しばらくすると船の舳先が現れて,登場する歌手やオーケストラ,さらには聴衆までもが船に乗って航海しているような錯覚を覚えます 歌手は舞台の最前列,舞台中央,舞台奥(スクリーンの前)の3箇所で歌うことになります
第1幕からイゾルデ役のヨハンソンは全力投球 それに比べてトリスタン役のデッカーは押さえ気味です 特筆すべきはイゾルデの侍女ブランゲーネ役の藤村美穂子の素晴らしさ ワーグナーの楽劇では歌手陣は絶叫に近い圧倒的な迫力のある歌声が求められます どうしても荒っぽくなりがちですが,この人はどんなに絶叫しても歌声が美しいのです ワーグナーの聖地バイロイトで認められた実力者であればこそでしょう.この第1幕を観る限り,紅白歌合戦をやったら文句なく”赤の勝ち”です
第2幕は,スクリーンに森の情景が登場.次いで大きな木が真ん中に鎮座します.ここでマルケ王が登場しますが,クリステンセン(バス)の声の素晴らしさ.まさに王に相応しい威厳のある声です.ここで紅白引き分けか
第3幕は,スクリーンに宇宙に浮かぶ惑星(たぶん地球)が登場.この場はトリスタンの独白が聞きものです.テノールのデッカーは椅子の上に置かれたカップの水を,演出の一つと言わんばかりに時々飲みながら絶叫して歌っていました 彼が第1幕で押さえ気味に歌っていたわけがここでわかりました.この第3幕に賭けていたわけね 全体を通しての評価は,やっぱり女性陣の方が凄かったと言うべきでしょう
ところで,ワーグナーの楽劇(オペラとは言わない)はいずれも長いことで有名です.昨年3月24日(水)に新国立劇場で観た「神々の黄昏」は,休憩時間を含めて6時間半でした 当日はウイークデーだったので,5時半に仕事が終わってから初台のオペラパレスに駆けつけましたが,なにせ開演が午後4時ですから最初から遅刻覚悟でした.それでも途中から入れてもらえることを期待して,5時10分に会場に着いたのですが,何と第1幕が終わるのが6時15分ということで,”休憩時間まではロビーのモニター・テレビでご鑑賞ください”と冷たくあしらわれてしまいました つまり第1幕の2時間15分の開演中は途中から入場は出来ないわけで,15分遅刻した人は゜丸々2時間もロビーで画面を観るしかないのです 2時間もあれば通常のコンサート1回分が終わってしまいます.
ここから得た教訓は,ワーグナーを聴くときは絶対に遅刻するなということです.ウイークデーで開演時間が早いときは早退するか有給休暇を取れということです.今日の公演では,隣の席のおばあさんが第1幕に間に合わず,第2幕からお見えになりました.80分をロビーで過ごされたわけですね.お疲れさまでした
ワーグナーのオペラは楽劇と呼ばれ”音楽と演劇の総合芸術”と言われていますが,今回の公演は”音楽と映像による総合芸術”というべきものかもしれません へたな演出よりもよほどいいと思いました
配役はトリスタン=デッカー(テノール),マルケ王=クリステンセン(バス),イゾルデ=ヨハンソン(ソプラノ),ブランゲーネ=藤村美穂子(メゾ・ソプラノ)ほか,指揮はクリスチァン・アルミンクです.
オペラ劇場ではないので,コンサート形式での上演です.舞台にオーケストラが乗り,背景には巨大なスクリーンが掲げられています.有名な前奏曲が始まるとスクリーンに海の波が映し出され しばらくすると船の舳先が現れて,登場する歌手やオーケストラ,さらには聴衆までもが船に乗って航海しているような錯覚を覚えます 歌手は舞台の最前列,舞台中央,舞台奥(スクリーンの前)の3箇所で歌うことになります
第1幕からイゾルデ役のヨハンソンは全力投球 それに比べてトリスタン役のデッカーは押さえ気味です 特筆すべきはイゾルデの侍女ブランゲーネ役の藤村美穂子の素晴らしさ ワーグナーの楽劇では歌手陣は絶叫に近い圧倒的な迫力のある歌声が求められます どうしても荒っぽくなりがちですが,この人はどんなに絶叫しても歌声が美しいのです ワーグナーの聖地バイロイトで認められた実力者であればこそでしょう.この第1幕を観る限り,紅白歌合戦をやったら文句なく”赤の勝ち”です
第2幕は,スクリーンに森の情景が登場.次いで大きな木が真ん中に鎮座します.ここでマルケ王が登場しますが,クリステンセン(バス)の声の素晴らしさ.まさに王に相応しい威厳のある声です.ここで紅白引き分けか
第3幕は,スクリーンに宇宙に浮かぶ惑星(たぶん地球)が登場.この場はトリスタンの独白が聞きものです.テノールのデッカーは椅子の上に置かれたカップの水を,演出の一つと言わんばかりに時々飲みながら絶叫して歌っていました 彼が第1幕で押さえ気味に歌っていたわけがここでわかりました.この第3幕に賭けていたわけね 全体を通しての評価は,やっぱり女性陣の方が凄かったと言うべきでしょう
ところで,ワーグナーの楽劇(オペラとは言わない)はいずれも長いことで有名です.昨年3月24日(水)に新国立劇場で観た「神々の黄昏」は,休憩時間を含めて6時間半でした 当日はウイークデーだったので,5時半に仕事が終わってから初台のオペラパレスに駆けつけましたが,なにせ開演が午後4時ですから最初から遅刻覚悟でした.それでも途中から入れてもらえることを期待して,5時10分に会場に着いたのですが,何と第1幕が終わるのが6時15分ということで,”休憩時間まではロビーのモニター・テレビでご鑑賞ください”と冷たくあしらわれてしまいました つまり第1幕の2時間15分の開演中は途中から入場は出来ないわけで,15分遅刻した人は゜丸々2時間もロビーで画面を観るしかないのです 2時間もあれば通常のコンサート1回分が終わってしまいます.
ここから得た教訓は,ワーグナーを聴くときは絶対に遅刻するなということです.ウイークデーで開演時間が早いときは早退するか有給休暇を取れということです.今日の公演では,隣の席のおばあさんが第1幕に間に合わず,第2幕からお見えになりました.80分をロビーで過ごされたわけですね.お疲れさまでした
ワーグナーのオペラは楽劇と呼ばれ”音楽と演劇の総合芸術”と言われていますが,今回の公演は”音楽と映像による総合芸術”というべきものかもしれません へたな演出よりもよほどいいと思いました