人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

タイムトンネルか?~METライブビューイング,オッフェンバック「ホフマン物語」を観る

2012年09月03日 06時53分46秒 | 日記

3日(月).やっと朝晩が涼しくなってきましたね.寝冷えをしないように気をつけましょう ところで,今日はドラえもんの誕生日だそうです.今朝の「天声人語」に書いてありました.未来の2112年9月3日生まれだということです.ここで,はたと考え込んでしまいました.それじゃあ,いったいドラえもんは今,何歳なんだろうか・・・・・今夜は眠れそうにありません

 

  閑話休題  

 

8月31日(金)午後7時から東銀座の東劇でMETライブビューイング,オッフェンバック「ホフマン物語」を観ました.これは2009ー2010シーズンのアンコール上映の一つです キャストはホフマンにジョセフ・カレーハ,二クラウス&ミューズにケイト・リンジー,4人の悪役にアラン・ヘルド,オランピアにキャスリーン・キム,ジュリエッタにエカテリーナ・グヴァノヴァ,ステラ&アントニアにアンナ・ネトレプコで,ジェイムズ・レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団,演出はバートレット・シャーです

シーズン中に観られなかったので,何とか観たいと思っていました.この頃は指揮者レヴァインも元気で,椅子に座っての指揮でしたが素晴らしい音楽作りをしていました その後は体調を崩し,代わりの指揮者に任せることになり,昨年の来日公演も日本に来ることが出来なかったのが残念です

「ホフマン物語」は,ドイツの詩人ホフマンの小説から3つの物語を取り上げて脚色したもので,主人公ホフマンが機械仕掛けの歌う人形オランピア,瀕死の歌姫アントーニア,ヴェネツィアの娼婦ジュリエッタと次々に恋に落ちるが,どれもが破たんするという内容です 第3幕で二クラウスが歌う「ホフマンの舟歌」が有名です

素晴らしいシャーの演出のもと,MET初挑戦のカレーハは良く通るテノールで出ずっぱりのホフマン役をりっぱにこなしました

もう一人の出ずっぱり二クラウス役のリンジーは歌だけでなく,演技も素晴らしく,とくに目でホフマンを追う演技は並ではありません 二クラウスの役割から,最後にミューズとなって登場して歌うところなどは感動ものでした

オランピア役のキムは,機械仕掛けの人形の動きを面白おかしく表現しながら美しいソプラノを聴かせてくれました 大柄なカレーハと小柄なキムが並ぶと,まるで大人と子供です.オランピアといえば,かつて新国立オペラで演じた森麻季の歌と演技が忘れられません 私にとって,オランピアと言えば森麻季です

そして何と言ってもジュリエッタを歌ったネトレプコの素晴らしさをどう表現したらよいでしょうか 現在のMETのソプラノで歌・演技・人気ともに最高のソプラノ歌手かも知れません

幕間の時間帯に演出家シャーへのインタビューを流していましたが,インタビュアーのヴォイトとシャーが会話をしている最中,画面の後方を右から左へ,ロングドレスを着た女性がクロールで泳ぐような恰好で移動していきます.「あっ,ネトレプコだ」と思わず叫びそうになりました.ほかのライブビューイングでも,舞台の後ろの方で飛び跳ねたりしていたのを目撃しています 彼女は,そうしたお茶目な面があります.こうしたところも彼女の魅力の一つでしょう

シャーの演出を観ていて考えたことがあります.第3幕のベネツィアのシーンで,右手上空に大きな半透明のトンネルのようなオブジェがありましたが,あれは過去への旅をする”タイムトンネル”ではないのか,と思ったのです ホフマン物語は酒場のシーンで始まりますが,最後は再び同じシーンが再現されます つまり,ホフマンは酒の力で過去の恋を回想して,また目を覚ます,その回想に”タイムトンネル”が使われた,という解釈です 昔「タイムトンネル」というテレビ番組がありました.そのトンネルに入ると昔の時代にワープして,何かのきっかけでまた現代に戻ってくるのです.そんなことを思い出して,シャーの演出を考えてみました

残念ながらMETライブビューイング「ホフマン物語」の今期のアンコール上映は終了しました.別の作品はまだ上映されています.東劇のホームページでご確認ください

 

          

 

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