人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッハ演奏の最高峰~バッハ・コレギウム・ジャパン第99回定期演奏会を聴く

2012年09月18日 06時59分12秒 | 日記

18日(火)。あさって9月20日(木)午後12時05分から12時55分まで、内幸町の飯野ビル1階エントランスホールで第6回ランチタイムコンサートが開かれます 出演はピアノの水野利枝子さん。5歳からピアノを始め、2010年に国立音楽大学を卒業、第22回かながわ音楽コンクール・ユースピアノ部門Fの部最優秀賞を受賞 2012年には桐朋学園大学院を卒業しました

プログラムは①シューベルト「即興曲作品90-1」、②同「即興曲作品90-3」、③ドビュッシー「前奏曲集第2巻より」1.霧、④「同」9.ピックウィック殿礼賛、⑤「同」10.カノ―プ、⑥「同」12.花火、⑦リスト「エステ荘の噴水」です

このランチタイムコンサートに出演するピアニストは,今はほとんど無名かも知れませんが,これからが期待できる若手演奏家ばかりです 明日のアルゲリッチが出るかも知れませんよ 昼食後のひと時,肩に力を入れず気軽に聴きましょう

 

          

  

  閑話休題  

 

昨日、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)の第99回定期演奏会を聴きました この定期コンサートの時は開演30分前の開場とともに会場になだれ込んで,1000円のプログラムを買って片っ端から読み始めます それでも30分では読み切れません.ほとんど音楽大学の学生か卒業生でなければ理解できないような専門的な解説が書かれているので,一度読んだだけではサッパリ分かりません それでも一度は目を通しておかないとチンプンカンプンなのです

プログラムは①J.S.バッハ「プレリュードとフーガ 二短調BWV.539」,②クレープス「神がなすのは惠に満ちた御業」(以上オルガン独奏:今井奈緒子)、③J.S.バッハ「カンタータ第197番”神はわれらの避け所”BWV.197」,④同「カンタータ第197番a”いと高きところにいます神に栄光あれ”BWV.197a」より第4,5,6,7曲」,⑤同「カンタータ第14番”神がこの時われらと共におられなければ”BWV.14」、⑥同「カンタータ第100番”神がなすのは惠に満ちた御業”BWV.100」です

独唱はいずれもB.C.Jではお馴染みのハナ・ブラシコヴァ(ソプラノ)、ダミアン・ギヨン(カウンター・テナー)、ゲルト・テュルク(テノール)、ペーター・コーイ(バス)です

開演2分前にロビーで開演ベルが鳴らされ,同時に,舞台真上の天上のピラミッド状の三角窓が閉じられます それまでは天井のガラス越しに空が見えていました 

開演ベルはホールによって違います.サントリーホール,トりフォニーホールをはじめ多くのホールでは,あらかじめ録音されたチャイムや電子音楽等が会場に流れますが,ここオペラシティコンサートホールは,ベル(下の写真)をロビー中央に運んで,係の人が叩いてメロディーを奏でます このメロディー,ホールの名前が”タケミツ・メモリアル”なので武満徹が作曲したものか,と思ったのですが・・・・・・武満徹は1996年2月に死去しています一方,このベルの足元には97年9月10日の日付が刻まれています.つまりこのホールがオープンした日です.ということは,彼の死後にベルのメロディーが作られたということでしょうか.それではいったい誰が作ったのでしょうか

 

           

           

 

最初のオルガンの2曲は今井奈緒子さんの演奏ですが,バッハのパイプ・オルガン曲を聴くと,いつも”にわかクリスチャン”になります カンタータ第197番はトランペットが3本使われますが,3人の奏者は片手で楽器を持ち,腰に手を当ててバルブのない楽器を吹きます それは見事な演奏です.アルトによるアリアにオーボエの伴奏が付くのですが,三宮正満のバロック・オーボエはいつ聴いても最高です合わせて隣でファゴットを吹く村上由紀子の演奏も冴えています アイ・ハブ・ネバー・ファゴット(ン?)ソプラノのハナ・ブラシコヴァは透明感のある美しい声で聴衆を魅了します

曲が終了後,鈴木雅明氏がマイクを持って登場,次のカンタータ第197番aについて説明します

「第197番は結婚のためのカンタータですが,その元になった曲が第197番aで,これはクリスマスのためのカンタータです このうち2曲に共通点があります.ついさっき聴いたような気がする,と思うかもしれません(笑)」

そして,演奏に入ります.最初はアルトのアリアにフルート2本が伴奏をつけます.フラウト・トラヴェルソの管きよみ,菊地香苗の二人が素晴らしい演奏を展開します 次のバスのアリアには三宮正満のオーボエがしっかりと伴奏をつけます

休憩後,オーケストラのメンバーが登場してチューニングを始めます.オルガンの今井さんは,バルブのないホルンのチューニングに付き合っています ”終わったかな”と思ったら,チェンバロの鈴木優人が舞台裏に声をかけに行きました.何だろう?と思っていると,一人の男が舞台に現われ,今井さんのところまで行って,オルガンの再調整を始めたのです.どうやら音程がずれたらしいのです 1~2分で作業が終わり,指揮者を迎えました.この時,今井さんが言いに行かないで鈴木優人が行ったのは,まさか,今井さんは音程がずれたのに気が付かなかったわけではないでしょうね 今井さんの代わりに鈴木優人が行ったとみるのが自然でしょうね

後半のカンタータ第14番も第100番も,ソプラノのハナ・ブラシコヴァをはじめ,カウンターテナーのダミアン・ギヨン,テノールのゲルト・テュルク,バスのペーター・コーイともども素晴らしい歌声を聴かせてくれました 彼らを支えた三宮正満,村上由紀子,管きよみ,若松夏美らのソロによる伴奏も冴えていたことはいう間でもありません

それにつけても,B.C.Jのコンサートはいつ聴いても”ハズレ”がありません.世界に通用する古楽器のプロ集団だからでしょう

 

          

 

 

 も一度,閑話休題  

 

昨日の日経朝刊「列島ダイジェスト」欄に「光城精工がLP盤の収納袋」という小さな記事が載りました.記事によると,

「電子機器製造の光城精工(青森県平川市)はLP盤レコードを収納するソフトスリーブ(内袋)を発売した.不織布を袋状に加工したもので,ノイズやホコリがつく原因となる静電気の発生を抑える素材を使った.表面のキズも防ぐ 手持ちのLPレコードのジャケットに入れて使う.希少価値のあるコレクションを大切にしたいという愛好家などの需要を見込む 価格はオープンだが,予想実売価格は1枚入りが400円,10枚入りが4000円」

LPレコードを聴くときにネックになるのは,ジャケットからレコードを取り出すときに生じる静電気です ポリエチレン製の内袋がレコード盤にピッタリくっついて,取り出す時にパチパチっとくるのです それが解消されるということなので,素晴らしい商品だとは思います ただ1枚400円だとすると,所有する1500枚のLPの内袋をすべて入れ替えると60万円もかかる計算になります.これ,あり得ないっしょ 青森の会社がLPレコード愛好家にどうPRしていくのか,他人事ながら心配です.”希少価値のある”レコードは1枚も持っていませんが,愛好家の一人として,売れることをお祈りします

 

 

 

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