5日(水)。昨夕、X部長から「M社のT氏と打ち合わせが入ったから付き合って」と急に言われ,3人でHCビル地下のKで飲みました X部長には前もって私のスケジュール表を渡してあるのですが,当日でも日程が空いていると即,予定を入れる習慣があるようです.前もって帰宅が遅くなる分かっていれば対応の仕様があるのですが・・・・・でも、仕事優先ですから涙を飲んでお酒を呑むことにしました.これもいつものパターンですが・・・・
閑話休題
昨日昼休み、初めて『日比谷公会堂アーカイブカフェ』を訪ねました 当ビルと道路を挟んだ反対側に「市政会館+日比谷公会堂」がありますが、その一角に同カフェがあることを不覚にも知りませんでした.”灯台もと暗し”とは良く言ったものです
実は一昨日、会社の同僚3人と有楽町のニッポン放送に行った帰りがけに、N監査役が「日比谷公会堂の裏側にレトロな感覚のSPレコードを聴かせてくれるカフェがあるんですよ」と言うので皆で寄ってみました あいにく月曜日が定休日ということで開いていませんでした
気を取り直して、昨日の昼食後、N監査役と公会堂裏(日比谷公園側)の正面から入ると、手前が資料(公演チラシ等)の展示スペースになっており、奥がカフェになっていました ここは昭和初期の頃、日比谷公会堂のエントランスホールだったとのことです。人々はそこで切符を買い、クロークに荷物を預け、2階のホールへ移動したということです。そして時代が経って平成の今、昭和の面影を色濃く残す『アーカイブカフェ』となって息づいています
壁にはその昔、日比谷公会堂で演奏した来日演奏家たちの写真が飾られていました。下の写真は、上が若き日のアンヌ・ケフェレック(P)、下がギドン・クレーメル(Vn)です。
コーヒーは500円と、ほぼクラシック喫茶並みの料金です カフェは若いお兄さんが一人で切り盛りしているようです。若い女性が一人本を読みながらCDの音楽に耳を傾けていました 目の前にビクターの蓄音機が置いてあり、N監査役が「SPレコードで音楽をかけていただけるでしょうか?」と尋ねると、「どのような曲がいいでしょうか?」と訊くので、私が「弦楽器の曲がいいですね」と答えると何枚かSPレコードを持ってきてくれました
クライスラーのSPがあったので、それをかけてもらいました。お兄さんがゼンマイを巻いて針を落としました。作曲者自らの演奏による「愛の悲しみ」です 鉄針による微妙な雑音の向こう側から、どこか懐かしいメロディーが流れてきました SPレコードは3分程度で演奏が終わってしまいます。次いで、フォイアマンによるシューマンの「トロイメライ」をかけてくれました。これも深く味わいのある演奏でした
下の写真の上はチェロのピアティゴルフスキーの「告別リサイタル」のポスター、下はヨゼフ・シゲティの「ヴァイオリン・リサイタル」のチラシです。当時は”提琴の巨星”が謳い文句だったようです
鉄針はレコード1枚演奏するごとに換えているという説明には驚きました 鉄はレコード盤を削るので、常に新しいものでないとすぐに盤が擦り減ってしまうということでした。 鉄針は銀座の蓄音機専門店「シェルマン」で購入(100本で840円)するか、神保町の「レコード社」で購入しているとのこと。コーヒー1杯500円も頷けます
平成の今を忘れ、古き良き昭和の時代にワープした気分でした カフェは月曜を除く毎日午前11時から午後5時まで営業しています。昨日は昼休みの慌ただしい時間帯だったので、今度は土曜か日曜にゆっくり訪ねたいと思います 日比谷公園にお出かけの際は訪ねてみてはいかがでしょうか