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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新交響楽団第225回演奏会を聴く~大谷康子のサン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲第3番」ほか

2014年04月07日 07時00分30秒 | 日記

7日(月)。昨日、池袋の東京芸術劇場で、新交響楽団の第225回演奏会を聴きました

上野の東京文化会館小ホールのドリンクコーナーの”コーヒー450円事件”(消費税が3%上がっただけなのに400円のコーヒーが450円に12.5%も値上がりしたという有史始まって以来の衝撃的な事件)以降、どこに行ってもコーヒーの値段を確かめるのが習慣になってしまいました ここ東京芸術劇場のドリンク・コーナーはロビーの両サイド奥にありますが、コーヒーは400円と据え置きでした あとはサントリーホール、東京オペラシティコンサートホール、すみだトりフォニーホールのドリンク・コーナーの値段がどうなっているかです。それを確かめるには4月14日に始まる週のコンサートを待たねばなりません もし東京文化会館の〇〇軒だけがコーヒー1杯450円だったら、その悪徳商法ぶりを「週刊分旬」と「週刊身長」に投書するとともに、「消費税率アップに伴う便乗値上げの疑い」で東京痴険に告発しようと思います

 

  閑話休題  

 

プログラムは①ハチャトゥリアン「バレエ音楽『ガイーヌ』より”剣の舞”、”アイシェの目覚めと踊り”、”山岳民族の踊り”、”子守唄”、”レスギンカ”の5曲」、②サン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲第3番」、③リムスキー・コルサコフ「交響組曲『シェヘラザード』」です。指揮はこのオケを時々振っている曽我大介。②のヴァイオリン独奏は東響のコンサートミストレス大谷康子です

 

          

 

新交響楽団は1956年に創立されたアマチュアのオーケストラです 故・芥川也寸志が音楽監督を務めていた頃、旧ソ連に演奏旅行してストラヴィンスキーの三大バレエ曲を上演し大きな話題を呼び、最近ではマーラーの交響曲を取り上げるなど意欲的な演奏活動で知られています

自席は1階N列13番、センターブロック左通路側席です。会場はほぼ満席 出演者の家族・友人・知人・取引先等を中心に、「剣の舞」を聴きたい人、「シェへラザード」を聴きたい人、そして私のようにサン=サーンスの「ヴァイオリン協奏曲第3番」を聴きたい人、はたまた、大谷康子を見たい人、など色々な人種が入り混じって席を埋めている感じです

楽員がステージに登場し、立ったままコンマス(女性なのでコンミス)を迎えます。このオケのしきたりなのでしょう プログラムの団員名簿を見るとコンミスは青山学院高等部の先生・堀内真美さんでしょうか? オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラと並び、コントラバスは管楽器奏者の後ろに横一列にスタンバイします。女性が圧倒的に多い学生オーケストラと違い、男女の比率はほぼ半々と見ました

今年4月から東京ニューシティ管弦楽団の正指揮者に就任したばかりの曽我大介が登場します。間を置かず、ハチャトゥリアンの「剣の舞」に突入します これが「バレエ音楽」だと誰が思うでしょうか この音楽に乗せて踊ったら急性心不全でお亡くなりになりそうです ハチャトゥリアンはこの曲を一晩で作曲したそうです。モーツアルトは歌劇「ドン・ジョバンニ」の序曲を、ポンチを飲んで妻のコンスタンツェとバカ笑いしながら一晩で書き上げたと言われていますが、ハチャトゥリアンは夜明けまで悪戦苦闘したようです オケは1曲目から全力疾走を余儀なくされます 3曲目に演奏した「山岳民族の踊り」も”お祭り騒ぎ”のような凄い迫力、最後に演奏した「レズギンカ」も激しいリズムで揺さぶります 新響は芥川時代からの伝統で、こういうリズム中心の曲が得意なのかも知れません

さて、フルオーケストラから規模が縮小され2曲目のサン=サーンスに備えます。大谷康子が淡いオレンジのドレスで颯爽と登場します

「ヴァイオリン協奏曲第3番」は1880年、サン=サーンスが45歳の時の作品ですが、名ヴァイオリニストで初演者でもあるサラサーテに献呈されました

第1楽章の冒頭、弦のトレモロに乗って大谷のソロが力強く入ってきます。演奏の途中で、大谷は会場を見渡したり、音楽に合わせて拍子をとったり、余裕の表情を見せています 私はこの曲が大好きなのですが、第2楽章は特にいいですね。穏やかで、やさしい春の日差しを感じさせる心和むメロディーです かと言ってNHKの「明るい農村」ではありません。勘違いしないように

大谷+曽我コンビは間を置かず第3楽章に突入します。大谷のソロは冴えわたっています この楽章でも余裕綽々で、この曲を自分のものにして臨んでいることが分かります 東響のコンミスとして練習に、本番にと忙しいはずなのに、なんでこんなに素晴らしい演奏が暗譜で出来るのだろう?と思ってしまいます

演奏後、曽我が管楽器奏者を立たせると、大谷も演奏者を紹介するかのように右手を指し延べます。こういうところはさすがに東響のコンミスだ、と思います

休憩後は再びフルオーケストラに戻り、リムスキー・コルサコフの「シェヘラザード」に備えます。大谷康子が黒のドレスに着替えて登場し、コンマス席に座ります この曲は独奏ヴァイオリンが大活躍する大曲なのです

リムスキー・コルサコフは1844年に貴族の家庭に生まれましたが、一族に海軍の軍人が多かったことで、12歳の時サンクト・ペテルブルクの海軍兵学校に入学、18歳で卒業すると士官候補生として艦隊勤務を命じられ、3年半にわたりヨーロッパ、アメリカ、南米などを回ったという、珍しい経歴の持ち主です そうした経歴が”海”をテーマにしたシェヘラザードを作る動機になったのかも知れません

第1曲「海とシンドバッドの船」、第2曲「カランダール王子の物語」、第3曲「若い王子と王女」、第4曲「バグダッドの祭り、海、青胴の騎士のある岩での難破、終曲」から成りますが、全曲にわたってシェヘラザードを表すヴァイオリンのソロが繰り返して現われます 大谷は美しいヴァイオリンで切々と歌い上げます

こうして全曲を通して聴いてみると、一大抒情詩を聴いた気持ちになります。それほど簡単な曲ではないと思いますが、管楽器も、弦楽器も、打楽器もなかなかの熱演でした。これがアマチュア・オケか と思うほど見事な演奏でした

何度もカーテンコールがあって、鳴り止まない拍手に、曽我が指揮台に上がったかと思いきや、いきなりオケが”お祭り騒ぎ”の演奏を始めました オケがペースに乗るや、曽我は指揮台に座り込んで”職場放棄”、時々立ち上がって管楽器に指示を出し、また座り込むなどサボタージュに徹し、アンコールではなくアルコールを飲んでいるような雰囲気でした。その間、オケは全力疾走 日本の警察は何をしている だれか機動隊を呼んでくださ~い

次回の第226回演奏会は7月6日(日)午後2時から東京芸術劇場で開かれ、飯守泰次郎氏の指揮でブルックナー「交響曲第6番」ほかが演奏されます さっそく、帰りがけに東京芸術劇場ボックスオフィスに寄ってみたのですが、チケットは4月11日から発売とのことでした。S席3,000円、A席2,500円、B席1,500円です。絶対聴きに行くぞ

 

          

          

 

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