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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「花房晴美・室内楽シリーズ パリ・音楽のアトリエ」~スペインをテーマにした音楽を聴く

2014年04月18日 07時00分46秒 | 日記

18日(金)。昨夕、東京文化会館小ホールで「花房晴美室内楽シリーズ」の「パリ・音楽のアトリエ”第8集 スペインの庭で”」を聴きました

プログラムは①ドビュッシー「グラナダの夕暮れ」(版画より)、「ヴィーノの門」(前奏曲第2巻より)、「リンダラハ」、「ボレロ」、②ラヴェル「道化師の朝の歌」(鏡より)、「ハバネラ形式の小品」、③プ―ランク「3つのノヴェレッテ第3番」、「フルートとピアノのためのソナタ」、④シャブリエ「狂詩曲”スペイン”」、⑤サルツェ―ド「ハ―プとピアノのためのソナタ」です 演奏は、ピアノ=花房晴美、花房真美、ハープ=篠崎史子、フルート=工藤重典です

 

          

 

全自由席のため早めに会場の小ホールに行き、450円のコーヒーには目もくれず、C27番の席(センターブロック右通路側)を確保しました。会場は最初のうち6割程度かと思っていたら、だんだん集まってきて8割以上埋まりました

いつも通りプログラムに目を通してからコンサートに臨もうとしたのですが、このシリーズのプログラムはA3サイズの二つ折りになっているのは良いのですが、曲目解説が1ページの中に細かい字で詰め込まれていて読みにくいことこの上ないのです 解説は元日経編集委員・池田卓夫氏ですが、これがまた演奏曲目順に書かれていないので、非常に分かりにくいのです。改善を求めたいと思います

”主役”の花房晴美が白と黒を基調とした、まるでパリ・コレから抜け出てきたようなお洒落なドレスで登場し、ピアノに向かいます あの衣装、演奏が終わったらクリーニングに出すんだろうか・・・・・・「フリッパー」なんかじゃなく「白洋舎」だろうな、クリーニング代さぞかし高いだろうな・・・・などと余計な心配をしてしまいました こういうのを「小さな親切・大きなお世話」と言うのでしょうね。わかってます

花房晴美のソロで①プーランク「3つのノヴェレッテ第3番」、②ドビュッシー「グラナダの夕暮れ」、③同「ヴィーノの門」、④ラヴェル「道化師の朝の歌」を続けて演奏します 普段聴く機会の少ない曲ばかりなので、途中で「今いったいどの曲を演奏しているんだろうか?」と考え込んでしまいました 予習をする時間的な余裕がなかったのが大きかったと反省しています

次に花房晴美がフルートの工藤重典とともに登場し、ラヴェルの「ハバネラ形式の小品」を演奏しました。工藤はサイトウ・キネン・オーケストラなどで活躍していますが、やはり抜群に上手いです

今度はハープがステージ中央に運ばれ、花房とともに篠崎史子が登場、サルツェードの「ハープとピアノのためのソナタ」が演奏されます サルツェードはフランスに生まれたスペイン人で、この曲は1922年の作品です。ピアノの打楽器的な強奏から入りますが、これまで聴いてきた曲とまったく違う曲想で、度肝を抜かれます ひとことで言うなら「芸術は爆発だ」といったところでしょうか

演奏後、花房が篠崎にこの曲を演奏するに当たって工夫した点を尋ねました。篠崎は「楽譜に”ミュート”とあるのですが、どのように音を出したらよいのか、ハープの弦に紙を挟んだり、紙でこすったりいろいろ試してみました。結局セロハン紙を挟みました」と説明していました。その後、「20世紀の曲だったので、今度は普通の曲を演奏したいと思います」として、アンコールにビゼーの歌劇「カルメン」の「間奏曲」をピアノとハープで演奏しました。やっぱり”普通の曲”は良かったです

 

          

 

休憩後の1曲目はプーランクの「フルートとピアノのためのソナタ」です。この曲は作曲者自身のピアノと、工藤の師匠ジャン・ピエール・ランパルによって初演されたという経緯があります。その直伝のフルートが聴きものです 工藤のフルートは軽妙洒脱なプーランクの魅力を十分に生かした演奏で、ひとことで言えばフランスのエスプリを感じさせる演奏です

2台のピアノが向い合わせに配置され、花房晴美、真美の姉妹によるピアノ連弾に移ります。姉の晴美が向かって左サイドに、妹の真美が右サイドにスタンバイします。最初はドビュッシーの「リンダラハ」、そしてシャブリエの狂詩曲「スペイン」を色彩感豊かに演奏します

最後はラヴェルの「ボレロ」です。最初に晴美がメロディを奏でる一方で真美がリズムを刻み、次に真美がメロディを奏でる一方で晴美がリズムを刻む、というように交互に役割を変えながら次第にクレッシェンドしていきます 最後のどんでん返しが終わった瞬間、「ブラボー」と拍手が沸き起こりました 「ボレロ」は曲自体が素晴らしいので、ピアノ連弾でも、オーケストラでも迫力があり、感動的です

演奏後、花房がマイクを持って登場、「ラヴェルは一度もスペインに行ったことがないのに、スペイン情緒あふれる曲を作ることが出来たのは、想像力が豊かだったのだなと驚きます アンコールに、本日の出演者全員で、先ほどアンコールで演奏したビゼーの歌劇『カルメン』からもう1曲演奏します」として、「ハバネラ」(恋は野の鳥)を演奏しました

フランス室内楽シリーズ第9集は来年の4月17日(金)とのことです。また聴きに行きたいと思います

今夕は初台の東京オペラシティコンサートホールにバッハ・コレギウム・ジャパンによるJ.S.バッハ「マタイ受難曲」を聴きに行きます。開演は18時半ですが、終演は22時を過ぎるでしょう。覚悟して行かねば

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