人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ベルイマン監督「叫びとささやき」、アコルカール監督「リヴ&イングマール」を観る ~ ショパン「マズルカ・イ短調作品17-4」、J.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲第5番」のサラバンドが流れる

2019年02月09日 07時22分58秒 | 日記

9日(土)。今朝窓の外を見たら、屋根が白くなっていました。夕べのうちに雪が降ったようです ただ道路には積もっていないので量的には少なかったようです。これくらいなら風情があって良いのですが、あまり多く降ると交通に影響が出たりしてユキ過ぎになるので困ります 今は止んでいるようですが、今日は油断できませんね

昨夕、西新橋のK亭で元の勤務先OBによる遅めの新年会を開きました 当初 1月25日に開く予定でしたが、不覚にも私が風邪を引いてしまったため昨夕に変更したのです  OBのS氏とE氏に加え現役のT君、K君も参加し、私を含め5人となりました    生ビールで乾杯した後は、主に 不動産管理業務を行っている元勤務先会社の現況を現役のT君、K君から聞き、相変わらず厳しい経営環境にある会社の現状に、OBとしては手出しが出来ないもどかしさを感じるとともに、とくに現役の若手社員は限られた人数の中で仕事をやりくりしなければならないにも関わらず基本給が思うように上がらない現状に同情を禁じ得ませんでした どんな職場でもそうですが、上に立つ人間は、日ごろから従業員とのコミュニケーションを密にし、下から改善提案があったら 前向きに取り入れるなど 広い度量を示してほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で1590日目を迎え、アパート建設大手「レオパレス21」が建てたアパートに建築基準法違反の疑いが出ている問題で同社は7日、法令違反の物件が新たにのべ1324棟あったとの調査結果を発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       『レオパレス21』じゃなくて 『ゼロパレス21』じゃね? 信用ゼロだし

 

         

 

昨日、夕食に「鶏のトマト煮」と「野菜とハムのスープ」を作りました 昨夕は私が飲み会だったので、娘のために好物の料理を作りました

 

     

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐で「叫びとささやき」と「リヴ&イングマール」の2本立てを観ました

「叫びとささやき」はイングマール・ベルイマン監督・脚本による1973年スウェーデン映画(白黒・91分)です

舞台は19世紀末のスウェーデンのある地方。広々とした大邸宅で37歳の女性アグネス(ハリエット・アンデルソン)と30歳前後の召使いのアンナ(K.シルバン)がひっそりと暮らしていた アグネスの両親はすでに他界しており、姉カーリン(イングリット・チューリン)と妹マリア(リヴ・ウルマン)も結婚して家を出ていた。子宮がんで死の床にあるアグネスを見舞うため、カーリンとマリアが屋敷にやってくる ある日、アグネスの容態が急激に悪化しそのまま息を引き取った カーリンとマリアがアグネスの日記を読むと、友情や神の恵みについて書かれていた 二人には、アグネスがそれらを心から感じていたのか、それともそれらに飢えていたのか知る由もなかった アンナは子供のような泣き声を聞きつけるが、それは死の床にあるアグネスの泣き声だった 死んだはずのアグネスはカーリンに救いを求めるが 彼女は「あなたを愛していないから、あなたの死に関わりたくない」と言って冷たくあしらう。マリアは見捨てないと口では言うもののアグネスに顔を近づけられると怖くなって逃げだしてしまう アグネスは最後に アンナの膝に頭をもたれて永遠の安息の時を待つのだった。葬式が済むとカーリンとマリアはそれぞれの夫とともに別々の方向に去って行った 後に残されたアンナは形見にもらったアグネスの日記を読み返す   そこには「姉妹3人が昔のように集まったので、久しぶりに庭を散歩する。明るい日光、明るい笑い。世界中で一番近くにいてほしい人が、皆そばにいてくれる。わずかな数分間のたわむれだが、私にとっては楽しかった 人生に感謝しよう。人生は私に多くのものを与えてくれた」と書かれていた

 

     

 

「叫び」は病床につくアグネスの身体を蝕むガンの苦しみからくる絶叫であり、すべてがうわべだけの夫が信じられず 二人の妹にも心を開けない長姉カーリンの鬱積した孤独感から出る叫びでもあります そして、カーリン、マリア、アンナの顔がクローズアップされるたびに誰かのささやき声が聞こえ、画面が赤く反転しフェイドアウトします。何がささやかれているのかは分かりません アグネスは日記に「姉妹3人が揃って楽しかった。人生に感謝しよう」と書いていますが、本心はどうだったのでしょう? そこに書かれていたのはアグネスの希望であって、本当に心を開いたのは召使いのアンナだけだったのではないか、と思います

エンドロール直前に「かくして 叫びとささやきは 沈黙に帰した」というフレーズが映し出されます   ベルイマンは「沈黙」という言葉がお気に入りのようです

この映画では何カ所かで、フレデリック・ショパンの「マズルカ・イ短調作品17-4」とJ.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV.1011」の第4曲「サラバンド」が効果的に使われています また、序盤でオルゴールから流れてくるのはヨハン・シュトラウス2世のワルツ「皇帝円舞曲」です

 

     

 

         

 

「リヴ&イングマール」はディーラージ・アコルカール監督・脚本による2012年 ノルウェー・スウェーデン・イギリス・チェコ・インド合作映画(カラー・84分)です

この映画は、スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンと、彼のミューズ的な存在となった女優リヴ・ウルマンの愛と友情を映し出したドキュメンタリーです 1964年の「仮面/ペルソナ」で出会って恋に落ちたベルイマンとウルマンは5年間ともに暮らし、娘をもうける その後、カップルとしては破局を迎えるが、40年にわたり友情を分かち合う関係を築き上げ、監督と女優として「叫びとささやき」「ある結婚の風景」「秋のソナタ」など傑作を送り出していく 2007年に89歳で他界したベルイマンへの思いを語るウルマンのインタビューや、映画のカットなどによって構成し、強い絆で結ばれた二人の姿を捉える

 

     

 

もう相当の年齢に達したリヴ・ウルマンが、生前のベルイマンが自分を褒めてくれた時のことを語るシーンは印象的です

「イングマールが、私のことを『君は僕のストラディヴァリウスなんだよ』と言ってくれたの。これほどの褒め言葉が他にある?」

5年間同棲生活を送って、子どもまで作って別れたのに、映画製作の上では40年もの間、監督と女優の立場で友情を育んだというのは信じ難いことですが、二人とも並みの人物ではないのでしょう

この映画でも、最後の場面でJ.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV.1011」の第4曲「サラバンド」が流れましたが、ベルイマン監督への敬愛の念を表したのでしょう

新文芸坐の「ベルイマン特集」も、あとは5時間11分の超大作「ファニーとアレクサンデル」を残すのみとなりました 私は明日午前10時からの部の前売り券(入場整理番号18番)を取ってあります 今から楽しみです

 

     

コメント
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