人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

岡本侑也 ✕ 阪田知樹でメンデルスゾーン「チェロ・ソナタ第2番」、シューマン「幻想小曲集」他を聴く~都民芸術フェスティバル参加公演「デュオの煌めき」

2019年02月14日 07時21分26秒 | 日記

14日(木)その2.よい子は「その1」から見てね モコタロはそちらに出演しています

昨夕、上野の東京文化会館小ホールで都民芸術フェスティバル参加公演「デュオの煌めき」を聴きました プログラムは①シューマン「幻想小曲集 作品73」、②メンデルスゾーン「チェロ・ソナタ第2番ニ長調 作品58」、③黛敏郎「BUNRAKU~無伴奏チェロのための」、④プーランク「チェロ・ソナタ FP143」です 演奏はチェロ=岡本侑也、ピアノ=阪田知樹です

岡本侑也は2017年エリザベート王妃国際音楽コンクールのチェロ部門第2位・イザイ賞を受賞 阪田知樹は2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位・6つの特別賞を受賞しています

 

     

 

自席はJ列29番、右ブロック左から2つ目です 実は昨年あたりから この東京文化会館小ホールで聴くたびに不思議なことが続いています 私はほとんどの場合、右ブロックの左サイド(通路側か通路に近い席)を取るのですが、席番号はそのつど違うのに、すぐ前の席がいつも空いているのです お陰でステージの演奏者が良く見えるのでラッキーだと思っているのですが、売れ残りにしては良い席なので急に来られなくなったとしか考えられません しかし、そんなことが頻繁に起こるでしょうか 私は無宗教ですが「神の思し召し」でしょうか いつも嬉しいような怖いような複雑な気持ちでいます

さて、この日のプログラムはすべて初めて聴く曲ばかりです CDを持っていないので予習が出来ず すべてぶっつけ本番で聴くことになります

1曲目はシューマン「幻想小曲集 作品73」です この曲はロベルト・シュ―マン(1810‐1856)が1849年2月に たったの3日間で作曲したクラリネットとピアノのための作品ですが、クラリネットに代えてチェロやヴァイオリンで演奏しても良いとされています   第1曲「繊細に、表情豊かに」、第2曲「生き生きと」、第3曲「情熱をもって」の3つの曲から成ります

二人の演奏者が登場して第1曲から入りますが、岡本侑也のチェロが良く歌います。ヨーヨーマのチェロってこういう感じじゃなかったかな、と思うような明るく伸び伸びとした演奏です 阪田知樹のピアノがピタリとついていきます

2曲目はメンデルスゾーン「チェロ・ソナタ第2番ニ長調 作品58」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809‐1847)が1843年に作曲した作品です 第1楽章「アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アレグレット・スケルツァンド」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「モルト・アレグロ・エ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

二人の演奏で第1楽章に入りますが、この楽章ではメンデルスゾーン特有の”前へ前へ”という推進力を感じます 第2楽章のスケルツォを経て、第3楽章アダージョは、冒頭ピアノのアルペジオが繰り返され、チェロがなかなか現れません おもむろに登場するチェロは女王の貫録です 間断なく続けて演奏される第4楽章はチェロもピアノも良く歌います 聴き終わって、この曲もCDを買わねば、と思いました


     


プログラム後半の最初の曲は黛敏郎「BUNRAKU~無伴奏チェロのための」です この曲は黛敏郎(1929-1997)が1960年に作曲したチェロ独奏のための作品です 人形浄瑠璃の「文楽」をモティーフに、近代のテクニックを駆使しつつ 鈴の音、拍子木、三味線、鼓、語りなどをチェロ1挺で表現します 岡本侑也の技巧を凝らした演奏を聴いて、これは琴を弓で弾くのと同じような音楽かな、と思ったりしました 正直に告白すると、この日のプログラムの中で一番面白く聴いたのはこの作品でした この曲を海外で演奏したらバカ受けすること間違いなしだな、と思います。日本の世界そのものです

最後の曲はプーランク「チェロ・ソナタ FP143」です この曲はプーランク(1899‐1963)が名チェリスト、ピエール・フルニエの委嘱により1940年から1948年にかけて作曲し、1949年にフルニエによりパリで初演された作品です 第1楽章「アレグロ:マーチのテンポで」、第2楽章「カヴァティーヌ」、第3楽章「バッラービレ(舞踏曲)」、第4楽章「フィナーレ」の4楽章から成ります

第1楽章は軽妙洒脱な音楽のオンパレードです チェロとピアノによる演奏は目先がクルクル変わります。第2楽章は一転、静けさを湛えた美しい音楽です 第3楽章は まさにフランス音楽特有のエスプリを感じさせる曲想です   第4楽章は重厚かつダイナミックな曲想です    二人は色彩感豊かな演奏を繰り広げました。岡本侑也は楽々と弾いているように見えましたが、実際はすごく難しい曲だと思います

会場いっぱいの拍手に、二人はアンコールにポッパーの「ハンガリー狂詩曲」を超絶技巧でダイナミックに演奏し再度大きな拍手を浴びました 二人とも有望な演奏家だと思います

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伊藤圭(Cl)✕ 伊東裕(Vc)✕ 清水和音(P)でブラームス「クラリネット三重奏曲」、ドビュッシー「美しき夕暮れ」、フォーレ「夢のあとに」他を聴く~第17回芸劇ブランチコンサート

2019年02月14日 00時08分35秒 | 日記

14日(木)その1。わが家に来てから今日で1595日目を迎え、ポンぺオ米国務長官は12日、ドイツがロシアから天然ガスを輸入するために計画するパイプラインについて「安全保障上の大きなリスクがある」と語り、建設に反対する考えを強調した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     アメリカもロシアもドイツもお互いに信頼できるパイプラインが必要なようだな

     

         

 

昨日、夕食に「麻婆茄子」と「トマトとレタスのスープ」を作りました 何を作っていいか迷う時は時々こういう組み合わせの料理を作ります

 

     

 

         

 

昨日、午前11時から池袋の東京芸術劇場コンサートホールで「第17回芸劇ブランチコンサート」を、午後7時から上野の東京文化会館小ホールで都民芸術フェスティバル参加公演「デュオの煌めき」を聴きました ここでは「芸劇ブランチコンサート『第17回 クラリネットの神髄を聴く』」について書きます

プログラムは①ドビュッシー「美しき夕暮れ」、②同「チェロ・ソナタ」、③ブラームス「クラリネット三重奏曲」、④フォーレ「夢のあとに」、⑤アーン「私の詩に翼があったなら」、⑥プーランク「愛の小径」です 演奏はクラリネット=伊藤圭、チェロ=伊東裕、ピアノ=清水和音です


     


いつものように1階席はほぼ満席、2階席もかなり入っています チケット代が@2200円と格安なのが受けている要因でしょう ただし、次回からは@2400円に値上がりします

N響首席クラリネット奏者・伊藤圭氏とピアニスト清水和音氏が登場し配置に着きます 1曲目はドビュッシー「美しき夕暮れ」です この曲は元々クロード・ドビュッシー(1862‐1918)が1880年頃(18歳頃)に書いた歌曲です。静けさを湛えた名曲ですが、クラリネットの優しい音色が会場に沁みわたります 私はバーブラ・ストライザンドが歌ったCDアルバム「クラシカル・バーブラ」(1976年)の第1曲に収録されたこの曲が大好きで何度も聴いたものです。まさに名曲名唱です


     

     


ここで進行役を兼ねる清水氏が「実は、この日のプログラムは、全部演奏しても時間が余ってしまうことが分かったので、チェロの伊東君に何か弾けないかと尋ねたらドビュッシーの『チェロ・ソナタ』はどうですか、という答えだったので、プログラムには載っていませんが、ここで演奏します まったく人気のない曲ですが、とても良い曲です」と説明し、ドビュッシーが1915年に作曲した「チェロ・ソナタ  ニ短調」(1.プロローグ、2.セレナード、3.終曲)を演奏しました 伊東君、素晴らしい演奏でした

曲目はブラームス「クラリネット三重奏曲イ短調作品114」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833‐1897)が晩年近い1891年に作曲した作品です ブラームスはこの年に、マイニンゲン宮廷楽団のクラリネット奏者ミュールフェルトの演奏を聴いて創作意欲を刺激され、クラリネットのために「三重奏曲」「五重奏曲」「ソナタ」(2曲)の4曲を作曲しました 清水氏の解説を待つまでもなく、これらの曲はクラリネット奏者の貴重かつ重要なレパートリーになっています 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アンダンティーノ・グラツィオーソ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

第1楽章は、まず伊東君のチェロから入ってきますが、このチェロが素晴らしい 次いで清水氏のピアノに伴われて伊藤氏のクラリネットが入ってきますが、これがまた素晴らしい 全楽章を通して3人の演奏を聴いていて「枯淡の境地」「内に秘めた情熱」という言葉を思い浮かべました 3人のアンサンブルは見事でした

4曲目はフォーレの「夢のあとに」です この曲はガブリエル・フォーレ(1845‐1924)が1878年頃に書いた歌曲がオリジナルですが、今回はチェロとピアノで演奏されます 過去の思い出を懐かしむようなメランコリックなメロディーを伊東君のチェロが美しく奏でます

5曲目はレイナルド・アーン(1875‐1947)の「私の詩に翼があったなら」です この曲は1888年に作曲された作品です。伊藤氏のロマンティックな演奏が会場に響き渡ります プログラム・ノートに「この曲は13歳の時の作品」である旨が書かれていましたが、とても信じられません 曲想を聴く限り、喜びも悲しみも十分に味わい尽くした往年の作曲家が作った作品としか思えませんでした

最後の曲はフランシス・プーランク(1899‐1963)の「愛の小径」です この曲は1940年に「レオカディア」という劇の付随音楽として書かれたそうです。どこかで聴いたようなメロディーは、シャンソン歌手が歌った曲とのことです この曲を聴いて、ジャズにクラリネットも良いけれど、シャンソンにクラリネットも良いものだ、と思いました

この日のゲストは二人の「イトウさん」だったので、進行役の清水氏はクラリネットの伊藤圭氏を「ケイ君」、チェロの伊東裕君を「ユウ君」と呼んでいました。それでいくと、清水和音氏は「カズ君」になるのでしょうか

次回以降の芸劇ブランチコンサートは下のチラシの通りですが、前述の通り、チケット代が2400円に値上がりしています それでもプログラムと出演者を見る限り どの回も充実しており、コストパフォーマンスは極めて高いと思います


     


また、芸劇ブランチコンサートに5月から新たに「名曲リサイタル・サロン」が加わります 従来のブランチコンサート「清水和音の名曲ラウンジ」が偶数月開催(2、4,6,8,10,12月)なのに対し、「名曲リサイタル~」は奇数月開催(5,7,9月~)となるので、毎月1度はブランチコンサートが聴けることになります 「名曲リサイタル~」は出演者が一人なので、初年度のブランチコンサートでナビゲーターを務めた「アド街ック天国」でお馴染みの八塩圭子さんがカムバックします

昨日のコンサート終了後、ロビー入口の前売券売り場で「名曲リサイタル~」の先行発売があったので5~9月の3枚セットを購入しました 現在と同じ2階センターブロック最前列の席を押さえました なお、一般のチケット発売は2月15日(金)から、東京芸術劇場ボックスオフィス、チケットぴあほかで購入できます


     

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