人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

イングマール・ベルイマン監督 「沈黙」 「仮面 / ペルソナ」を観る ~ 両作品ともバッハの音楽が静かに流れる

2019年02月02日 07時22分09秒 | 日記

2日(土)。わが家に来てから1583日目を迎え、参議院は1日午前 代表質問を行い、厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査で名目賃金の伸び率が下方修正された問題等を巡り 与野党と安倍首相との間で質疑応答があった というテレビニュースを観て感想を述べるモコタロです

 

     

      質問する与野党も答弁する安倍首相も 原稿読んでるだけ  これを予定調和という

     

         

 

昨日の夕食は「牡蠣鍋」にしました 最近、「金曜日は鍋料理」が定着してきました

 

     

 

         

 

現在、池袋の新文芸坐では「イングマール・ベルイマン  101年目の風景」を上映中です ベルイマンと言えば、モーツアルトの歌劇「魔笛」を映画化した作品(1975年:元はテレビ用)を思い出しますが、残念ながら今回の上演作品には含まれていません

 

     

 

昨日、「沈黙」と「仮面/ペルソナ」の2本立てを観ました

「沈黙」はイングマール・ベルイマン監督・脚本による1963年スウェーデン映画(白黒・96分)です

翻訳家の独身女性エステル(イングリッド・チューリン)は妹アンナ(グンネル・リンドブロム)とその息子ヨハン(ヨルゲン・リンドストロム)と共に汽車で旅行中に身体の不調を訴え、見知らぬ町に降りホテルに投宿する そこは夜中に戦車が通り過ぎるような東欧の町のように思われる エステルは部屋で翻訳の仕事に取り掛かるが、虚しさを覚えウィスキーをラッパ飲みし、自慰に浸る。奔放なアンナは夜の町に男を求め、部屋に連れ込んで愛し合う姿を息子に目撃される 甥にそれを聞かされた姉エステルは妹の部屋に忠告に来るが、彼女は受け付けずさらに行為に没頭する。その背景には 幼少時から優等生で皆のお気に入りの姉と、豊かな肉体を持ち行動的な妹との反駁があった。ショックに容態の悪化する姉に構わず妹は息子を連れホテルを後にし先を急ぐ ひと晩で人間の内側を覗いた甥の心中を察した姉は、彼のためにその国の言葉で「精神」と書いた紙片を手渡す

 

     

 

この映画は、ベルイマンの信仰と欲望をテーマとする「神の不在」三部作の終章に当たります 「人間の欲望は神にも止められない。人間は強い精神を持って生きなければならない」ということでしょうか

映画の序盤で、ホテルに投宿した3人が部屋でくつろぐシーンで、エステルがラジオをつけるとチェンバロの独奏曲が流れてきます エステルは言葉の通じないホテルのボーイ(老人)に「バッハ?」と尋ねます。すると老人は「セバスチャン・バッハ」と答えます。メロディーからバッハの曲であることは分かりますが、何の曲かは分かりませんでした しかし、ベルイマン監督が老人にわざわざ「セバスチャン・バッハ」と言わせたのには訳があるように思います 言うまでもなくヨハン・セバスティアン・バッハ(大バッハ:1685-1750)は、次男のカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)、末子のヨハン・クリスティアン・バッハ(1735‐1782)をはじめ多くの音楽家を世に送り出しました 会話から類推すると老人は英語もドイツ語もフランス語も話せないので、おそらく舞台は東欧のどこかの国だと思われますが、そんな見知らぬ国でも大バッハ(セバスティアン)の音楽を聴けば、それと判別できる、それほど彼の音楽は素晴らしいのだ、という意味を持たせていると思いました

 

         

 

「仮面/ペルソナ」はイングマール・ベルイマン監督・脚本・製作による1966年スウェーデン映画(白黒・82分)です

 舞台女優のエリザベート(リヴ・ウルマン)は、仕事も高く評価され、私生活でも夫は理解があり、子どもにも恵まれて何不足ない生活を送っていた しかし、ある日「エレクトラ」の舞台に出演中、突然セリフが喋れなくなり失語症になってしまう。女医からひと夏の転地療養を勧められ、付き添い看護婦アルマ(ビビ・アンデルソン)と共に海辺の女医の別荘を訪れる。アルマはエリザベートをよく理解し、懸命に尽くす やがて二人は患者と看護婦という結びつきを超えたところで親しく接するようになる。ある日アルマは、女医に宛てたエリザベートの手紙を盗み見て驚く そこには、アルマがエリザベートに語った、かつていきずりの男たちと浜で戯れ、その結果妊娠した子を堕胎したことが綴られていた。アルマは怒りエリザベートと仲違いする その頃から、夢ともうつつとも定かでない状態の中で、エリザベートとアルマの肉体は入れ替わり始める。やがてエリザベートは再び口がきけるようになる。彼女は幼い息子のことをアルマに語り、アルマは耐えられない吐き気に悩まされた。それはエリザベートが息子を身ごもった時の苦しみが、アルマの肉体に移ったのだった。また、エリザベートは夫との交わりにおいてもアルマの肉体を感じた。しかし、危機はいつまでも続かなかった。やがてエリザベートは女優としてカムバックし、アルマは病院に戻った

 

     

 

この映画でも、序盤の病院のベッドに横たわるエリザベートのそばで、アルマがラジオのスイッチを入れるとバッハのヴァイオリン曲が流れてきます これはヨハン・セバスチャン・バッハの「ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調」の第2楽章「アンダンテ」でした ベルイマンはバッハがお気に入りのようです

 

     

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