人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」のチケットを14枚取る / 女性指揮者・沖澤のどかさんのインタビュー記事 / ジェフリー・ディーヴァー「スキン・コレクター(下)」を読む

2019年02月10日 07時20分07秒 | 日記

10日(日)。昨日の朝日朝刊「ひと」欄に、昨年秋の「東京国際音楽コンクール〈指揮〉」で優勝した沖澤のどかさんのインタビュー記事が載っていました 超訳すると

「青森の警察官の家庭に育ち、子どもの頃は内気で人と話すのが苦手だった 音楽好きの伯父の影響でピアノ、チェロ、オーボエに夢中になった 姉がチェロで音大に進み、お金がかかると知っていたので楽器を買ってと言い出せず東京藝大の指揮科を受験し、1学年2人の狭き門を通った そこで壁にぶつかる。独りでは実践練習ができず、オーケストラを振るのは文化祭と試験の年2回ほど。手をどう動かせばどんな音が鳴るのかも分からなかった 転機は23歳の時に参加した指揮者向けの講習会で、音楽が体から自然に出ていくような感覚を味わった 講師の井上道義氏から『モーツアルトの音がした』との言葉をもらった 4年前にベルリンへ留学した。コンクールに挑みオケを振る機会を増やしたいが、皮肉を感じることもある 人と話さずにすむ音楽の道を選んだのに 指揮は奏者とのコミュニケーションがすべて。『いまでも時々つらくなって、こもりたくなる』」

たしかに、学生にとっては「文化祭と試験の年2回ほど」しか実践のチャンスはないのが実情でしょう それは国内にいても海外に留学しても同じことかも知れません。それでもベルリンに飛び立ったのは 彼女自身”閉塞感”を感じ 海外に希望を託したのかも知れません

日本人の女性指揮者は、私が知っている範囲では、古くは松尾葉子(ブザンソン国際指揮者コンクール優勝)から、宝塚歌劇団花組トップ並みの容姿でイルミナート・フィルを率いる西本智実(国際コンクール入賞歴なし)、新田ユリ(ブザンソン国際指揮者コンクール・ファイナリスト)、三橋敬子(トスカニーニ国際指揮者コンクール第2位)、田中祐子(ブザンソン国際指揮者コンクール・セミファイナリスト)、齊藤友香理(ブザンソン国際指揮者コンクール・最優秀)まで何人かが活躍しています 沖澤さんはどんなタイプの指揮者になるのでしょうか? 将来が楽しみです

ということで、わが家に来てから今日で1591日目を迎え、タイのワチラロンコン国王は8日夜、姉のウボンラット王女が総選挙でタクシン元首相派の政党の首相候補になったことについて、「王室の高位の者が政治の世界に入ることは、いかなる理由や方法であれ、非常に不適切だ」と批判した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      「なんで僕じゃなくてお姉ちゃんなの?」と ダダをこねないところはさすが国王!

 

         

 

いつもは、土・日に夕食作りはしないのですが、昨夜はあまりにも寒かったので豚肉と白菜を中心とした「鍋料理」にしました 初めて餃子を入れてみましたが、これが本当に美味しくて病みつきになりそうです 風邪を引いたら餃子を食べると良いと聞いたことがありますが、多分ニンニクが入っているからかも知れません

 

     

 

〆はラーメンです

 

     

     

         

 

昨日は6月1日から16日までサントリーホール「ブルーローズ」で開かれる「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」のチケット会員先行発売日だったので、午前10時ジャストにWEBサイトにアクセスし14公演押さえました

 

     

 

確保した公演チケットは次の通りです。

①クス・クァルテット「ベートーヴェン・サイクルⅠ~Ⅴ」(6月2日、5日、8日、11日、13日)=5公演セット券

②ENJOY!室内楽アカデミー・フェロー演奏会(6月8日)出演=練木繁夫(P)、トリオ・デルアルテほか

③同(6月15日)出演=トリオ・ムジカほか

④エラールの午后(6月9日)出演=トマシュ・リッテル(P)、新倉瞳(Vc)ほか

⑤プレシャス1pm「クラリネット五重奏の深淵」(6月5日)出演=コハーン・イシュトヴァ―ン(Cl)、渡辺玲子(Vn)ほか

⑥同「服部百音の室内楽」(6月7日)出演=服部百音(Vn)、青柳晋(P)ほか

⑦同「親密な至極のデュオ」(6月12日)出演=小山実稚恵(P)、堤剛(Vc)

⑧同「第一人者の華麗な交歓」(6月14日)出演=吉野直子(Hp)、池松宏(Kb)

⑨アジアンサンブル@TOKYO(6月10日)出演=ハン・スジン(Vn)、宮田大(Vc)、パヴェル・コレス二コフ(P)

⑩フィナーレ2019(6月16日)出演=原田幸一郎(Vn)、毛利伯郎(Vc)、福川伸陽(Hr)、クス・クァルッテットほか

 

     

     

 

上記のうち①クス・クァルテット、④エラールの午后、⑨アジアンサンブル、⑩フィナーレ2019は「指定早割」対象公演になっており、①5000円⇒3500円(5公演セット17500円)、④4500円⇒4000円、⑨6000円⇒5000円、⑩7000円⇒6000円と格安の料金設定になっています

 

     

 

多くの公演が学生@1000円となっていますが、サントリーホール主催公演ならではの良心的な対応だと思います

 

     

 

「サントリーホール・メンバーズ・クラブ先行発売」は下のパンフレットの通り2月22日(金)まで、一般発売は3月2日(土)からとなっています 公演によっては先行発売で完売するケースが予想されます 是非聴きたい公演があれば、先行発売で確保することをお勧めします

 

     

 

         

 

ジェフリー・ディーヴァ―著「スキン・コレクター(下)」(文春文庫)を読み終わりました ジェフリー・ディーヴァーは1950年シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て40歳でフルタイムの小説家となる。本書「スキン・コレクター」をはじめとする科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズなど、出す作品が全世界でベストセラーとなっている

 

     

 

ニューヨークの地下で女性が拉致され毒針で刺青を刻まれて死亡していた事件は、その後も繰り返される 過去の「ボーン・コレクター」事件の被害者で当時3歳だったパム・ウィロビーは現在19歳になっていたが、犯人は彼女に迫る ライムとサックスら捜査グループと犯人との智恵合戦が繰り広げられるが、犯人は事故で死亡したと思いきや、そう簡単には死なない 犯人の本当の目的は単なる毒針殺人ではなくアメリカ全土を揺るがすスケールの大きなものだった ライムたちは犯人を追い詰めることが出来るのか? アメリカを大混乱に陥らせる企みを阻止することが出来るのか

まさに「どんでん返しのデパート」ジェフリー・ディーヴァーの真骨頂の長編小説です 途中、犯人が地下の水道管の事故で死亡する場面では、「随分あっけなく死んでしまったなあ」と思っていたら、そこはディーヴァーです。犯人は先を読んで危険を回避します

ところで、物語の終盤で犯人が、サックスのバッグの中に入っている鎮痛剤のボトルを毒入りのものと素早く交換するシーンが出てきますが、そこには次のように書かれています

「どこにでもある用途の広い元素で、現在もさまざまな産業で活用されている しかし、アンチモン、元素記号Sb、原子番号51は、古くから人々に激しい苦しみを伴う死をもたらしてきた もっとも有名な犠牲者の一人はウォルフガング・アマデウス・モーツァルトだろう(彼の死は殺人だったのか否か。その最大の疑問はいまだに解決されていない。真実はアントニオ・サリエリに確認するしかないだろう)」

この記述は、知らない人が素直に読んだら本気にする恐れがあります 著者が言っているのはサリエリによる「モーツアルト毒殺説」です この説が広く知られるようになったのは、ピーター・シェーファー原作・脚本、ミロス・フォアマン監督による映画「アマデウス」(1984年)です。その概要は

「サリエリは音楽への愛と敬虔な信仰心に生き、作曲家として人々から尊敬されていた しかし、彼の前にモーツアルトが現われたことからサリエリの人生は大きく変わってしまう モーツアルトは類まれな音楽の才能を持っているが、天真爛漫かつ下品で礼儀知らずな人間性しか持ち合わせていない そんなモーツアルトを見たサリエリは『モーツアルトの才能こそが神の寵愛を受ける唯一最高のものだ それに比べ、自分はモーツアルトが天才であることが分かる才能しか持たない凡庸な人間に過ぎない』と思い知らされる。彼はモーツアルトへの激しい嫉妬心を抱き、精神を病んで病院に入院する。彼は病床で『許してくれ、モーツアルト、君を殺したのは私だ』と言い続けた」

モーツアルトの死因については諸説があります。Wikipediaによると「実際の死因は『リューマチ性炎症熱』だったと考えられている モーツアルトは自分自身がアクア・トファーナ(別名ナポリ水とも呼ばれた亜砒酸が主成分の水溶液)で毒殺されかけていると考え、それを妻コンスタンツェに伝えている」と書かれています。しかし、それを実行したのがサリエリだったかと言えば、そういう”噂”はあったものの、本当に彼が毒殺したという根拠はどこにもありません 毒を盛ったとしたら、もっと身近な人物でしょう したがって、ディーヴァーが「真実はアントニオ・サリエリに確認するしかないだろう」と書いたのは、必ずしも正しくありません ”真実”は誰にも分らないというのが本当のところでしょう

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