人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新交響楽団 第245回演奏会(芥川也寸志 没後30年)のチケットを取る / エイゼンシュテイン監督「イワン雷帝(第1部・第2部)」を観る ~ プロコフィエフの音楽が全編を通して流れる:早稲田松竹

2019年02月01日 07時27分34秒 | 日記

2月1日(金)。わが家に来てから今日で1582日目を迎え、アポロ宇宙船が月から持ち帰った石は、実は昔、地球から月に飛んできた隕石だったことが米航空宇宙局(NASA)の研究で分かった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       地球の石を地球に持ち帰ったっていうことね? 君は知っていたのかい R2-D2?  

 

         

 

昨日、夕食に「豚小間生姜焼き」と「もやし豚汁」を作りました 豚肉がダブってるとか細かいことは言わないように、嫌われますよ

 

     

 

         

 

4月29日(月・祝)午後2時から東京芸術劇場コンサートホールで開かれる新交響楽団の第245回演奏会(芥川也寸志没後30年)のチケットを取りました プログラムは①芥川也寸志「オーケストラのためのラプソディ」、②バルトーク「舞踏組曲」、③シベリウス「交響曲第2番ニ長調」です 指揮は湯浅卓雄です

 

     

     

         

 

昨日、久しぶりに高田馬場の早稲田松竹に映画を観に行きました。1月16日から26日まで館内の椅子やカーペットなどの設備更新のため休館していたので久しぶりです  やっぱり 新しい椅子は気持ちが良いものです。昨日はエイゼンシュテイン監督映画「イワン雷帝(第1部・第2部)」を観ました

「イワン雷帝」はソ連の巨匠セルゲイ・エイゼンシュテインの監督・脚本により1944年から1946年にかけて製作された作品(第1部=1944年公開:白黒99分、第2部=1958年公開:白黒・一部カラー88分)です この映画は”イワン雷帝”と呼ばれたロシアのイヴァン4世の生涯を描いた作品で、第1部は時の権力者スターリンから高く評価され 第1回スターリン賞を受賞しましたが、第2部は45年に完成したものの、スターリンを暗に批判したとして「ジダーノフ批判」の対象となり改作を命じられました 第3部は完成されませんでした

 

     

 

物語のあらすじは以下の通りです

【第1部】

舞台は16世紀中葉のロシア。イワン大公は世襲貴族たちの分割政治を打破し、専制君主による帝政の確立を目指す 戴冠式に次いでイワン皇帝はアナスタシアを王妃に迎える。イワンの伯母エフロシニアはその子ウラジミルを帝位につけようと大衆の指導者マリュータをそそのかし、イワンへの謀反を画策する しかし、皇帝の祖国愛にうたれ、マリュータほか暴徒たちは皇帝への忠誠を誓う そして外敵カザンらを下し、イワンは皇帝の地位を確固たるものにする だが、イワンはモスクワ帰還早々重い病床についてしまう。彼には息子のディミトリ―がいたので彼を皇帝の座に就かせようとしたが、エフロシニアはウラジミルを皇帝にしようと必死で画策する しかし、イワンは奇跡的に回復する。イワンはもはや世襲貴族たちを信用しなくなっていた そのことは同時に貴族たちとの離反を招くことになった。エフロシアは王妃を皇帝から奪うため毒殺する。同時に遠征軍の敗北が報らされ、信頼していた部下の裏切りにも遭う。失意のイワンは退位しモスクワを捨てて一旦 田舎に引きこもるが、民衆の熱い要請を受けて再び帝位に返り咲く

【第2部】

モスクワに帰ったイワンは、精力的に旧体制からの脱却を図る政策を計画する しかし、宮廷内ではエフロシニアを中心とする反イワン派の貴族たちが皇帝に抵抗を示す この頃、イワンは王妃の死が毒殺だったことを知る。その張本人エフロシニアは今度はイワンの殺害を目論んでいた ある酒宴の夜、彼女はウラジミルに刺客をつけて宴会に送り込むが、事情を知ったイワンはウラジミルに皇帝の正装を着せたため、刺客は間違ってウラジミルを殺してしまう。エフロシ二アは半狂乱になる 国内の邪魔者を抹殺したイワンは、外敵との戦いを神に誓う

この作品では、イワン大公をはじめとする登場人物の顔のクローズアップが頻繁に見られます エイゼンシュタインは1928(昭和3)年に2代目市川左團次の歌舞伎初の海外公演をモスクワで観劇し、「仮名手本忠臣蔵」等を観て、花道の「見得」に大いに感銘を受け、第1部ではクローズアップ・ショットで主人公に「見得」を切らせるという歌舞伎様式の演出をしています

歌舞伎的な様式美ということでは、黒澤明監督の映画「影武者」などに共通点があるように思います ただし、黒澤監督の場合は、顔だけでなく、どの場面を切り取っても「絵になる」映像表現になっています

また、この映画の大きな特徴は、全編を通してセルゲイ・プロコフィエフ(1891‐1953)の音楽が流れることです

それで思い出すのは、2017年11月17日(金)のN響C定期公演です 当日のプログラムはプロコフィエフ作曲スタセヴィチ編曲「オラトリオ版 イワン雷帝」でした トゥガン・ソヒエフがタクトをとりN響・東京混声合唱団他を振りましたが、歌舞伎役者・片岡愛之助による見事なナレーションと相まって素晴らしい演奏だったと記憶しています(2017年11月18日付toraブログ参照)

第2部は疑心暗鬼に駆られたイワンが貴族たちを粛清する場面が描かれていますが、前述の通り 映画製作当時の大粛清を彷彿とさせる脚本にスターリンは激怒して エイゼンシュテインに改作を命じ、スターリン(1878 -1953)の死後までこの作品が公開されることはありませんでした 権力が文化を抑圧する、嫌な時代だったのですね。それに比べれば、コンピュータ・グラフィックス全盛の現代は 考えようによっては「何でもあり」の時代です しかし、エイゼンシュテインほど面白い映画はそれほど多くはありません

コメント
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