27日(水)。モコタロが強制給餌(注射器のようなシリンジに水で溶かした餌を入れ、口から注入する)が必要になったので、昨日駒込の動物病院に行って微粉末のラビットフードを買ってきました これです 100グラム入りですが、皆さん、いくらだと思いますか? 私は明細書を見て 思わずのけ反りそうになりました
3,880円です。100グラムで ペットの世界も人間と変わりませんね もっとも、入院させると1日15,000円かかるということなので、まだ良い方かもしれません
昨日、夕食に「豚バラ肉のエリンギ炒め」と「野菜と豆腐とホタテのプチ鍋」を作りました 「豚バラ~」は何度も作っていますが、娘の大好物です
昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、フランチェスコ・チレア「アドリア―ナ・ルクヴルール」を観ました これは今年1月12日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です キャストは、アドリア―ナ・ルクヴルール=アンナ・ネトレプコ、マウリツィオ=ピョートル・ベチャワ、ブイヨン公妃=アニータ・ラチヴェリシュヴィリ、ミショネ=アンブロージョ・マエストリ、ブイヨン侯爵=マウリツィオ・ムラ―ロ。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、演出=ディヴィッド・マクヴィカー、指揮=ジャナンドレア・ノセダです
舞台は1730年のパリ。有名劇場コメディ・フランセーズの看板女優アドリア―ナ・ルクヴルールは、ザクセン伯爵の旗手マウリツィオと恋仲になっている アドリア―ナを密かに愛する舞台監督ミショネは、恋人との再会を喜ぶアドリア―ナの姿を見て、自らの想いを諦める(以上第1幕)。
舞台はブイヨン侯爵の別荘。ブイヨン公妃がマウリツィオを待っている。実はマウリツィオはザクセン伯爵その人で、かつては彼女の愛人だったが、今は政治的職務のため繋がっていた 公妃はマウリツィオの冷淡さをなじるが、夫である公爵が現われたので身を隠す。マウリツィオは続いて現われたアドリア―ナに、政治的に重要な女性だからと公妃を逃がして欲しいと頼む。彼女の正体も知らずに引き受けたアドリア―ナだが、やり取りするうちに相手が恋敵であることを知る(以上第2幕)
舞台はブイヨン侯爵邸の大広間。夜会が開かれている。アドリア―ナと公妃は初めて顔を合わせるが、互いの声から相手が別荘の夜の恋敵と知る 余興に朗読を所望されたアドリア―ナは、夫を裏切った女性フェードルの物語を朗読する。侮辱された公妃は怒りに震える(以上第3幕)
公妃との対決以来、病に伏せったアドリア―ナのもとに、かつて彼女がマウリツィオに贈ったスミレの花が届く。実はマウリツィオはその花を公妃に渡してしまい、公妃がアドリア―ナに届けたのだった。そうとは知らないアドリア―ナは、贈った花を突き返す恋人の冷たい仕打ちを嘆く マウリツィオが駆けつけて誤解を解くが、突然アドリア―ナは苦しみ始める。スミレの花には毒が仕込まれていたのだった(以上第4幕)
「アドリア―ナ・ルクヴルール」はフランチェスコ・チレア(1866-1950)が1902年に作曲した彼の代表作で、主役のアドリア―ナ・ルクヴルール(1692‐1730)は実在したパリの名門劇場コメディ・フランセーズの看板女優です ザクセン(現在のドイツ東部にあった国)選帝侯の庶子で武勲の誉れ高かった伯爵マウリツィオと恋仲だったことや、ブイヨン公妃が恋敵だったのも事実です 本物のアドリア―ナは舞台上で倒れて2週間後に亡くなる劇的な死を遂げたため、公妃による毒殺説が流れましたが、真偽は不明とのことです
開幕を前に、別室でMET総裁ピーター・ゲルブとヒロインのアドリア―ナ・ルクブルールを歌うアンナ・ネトレプコとの対談がありました ネトレプコは「本番が始まったら集中して役に成り切るので、幕間のインタビューは避けてほしいとお願いしました」と語っていました 彼女のパフォーマンスを観れば良く理解できます
1971年ロシア生まれのアンナ・ネトレプコは今やMETを代表する看板スター歌手に上り詰めています 今回、第1幕で歌われるアリア「私は芸術の卑しいしもべ」を聴いて、いつも通りビロードのような高音にしびれましたが、これまでと比べて、若干声が低くなったように感じました 円熟味が増してきたと言うべきでしょうか。幕前の”宣言”通り、役に成り切って身体を張って歌に演技に没頭していました
マウリツィオ(=ザクセン伯爵)を歌ったピョートル・ベチャワは1966年ポーランド生まれのMETを代表するスター・テノールです いつも歌と演技に全力投球する姿勢は多くの人々の支持を得ています
迫力満点だな、と思ったのはブイヨン公妃を歌ったアニータ・ラチヴェリシュヴィリです METライブ「アイーダ」でネトレプコと共演、アムネリスを歌って存在感を見せつけたメゾ・ソプラノです 幕間のインタビューで、進行役のテノール歌手ポレンザ―二に「あなたは、あのリッカルド・ムーティから現在 最高のメゾ・ソプラノと言われたそうですね」とマイクを向けられていましたが、今が絶頂期かも知れません この人は恵まれた体格から出る迫力ある歌声と迫真の演技力で圧倒します
ミショネを歌ったアンブロージョ・マエストリは1970年イタリアのパヴィア生まれのバリトンです METライブビューイングでは、ヴェルディ「ファルスタッフ」のタイトルロールやドニゼッティ「愛の妙薬」のドゥルカマーラ博士など、喜劇的なオペラでの活躍が目立った歌手ですが、今回、ヒロインに想いを寄せながらも相手がいると知って身を引く初老の舞台監督の悲哀を見事に演じ 歌っているのを見て、マエストリのもう一つの魅力を発見したようで嬉しくなりました 幕間のインタビューにブイヨン侯爵役のムラ―ロらと3人で登場した際、いきなりイタリア語で話し出したので、進行役のポレンザ―二から「あのぅ、ここはアメリカで・・・」と言われ、「英語は苦手なんで、通訳してくれるかな」と頼んだら、「それじゃ、他の2人を先にして、あとで」と言われお預けを食ってしまいました 結局、時間切れで「あとで」のインタビューはなくなってしまいました METでは自国語の他に英語が話せないと存在自体を無視されるようです マエストリ、かわいそ~
1966年スコットランド生まれのマクヴィカーによる演出は、METライブの「イル・トロヴァトーレ」「ノルマ」「トスカ」と同様、緻密な時代考証をベースとした伝統的でオーソドックスなもので好感が持てました オペラの演出はこうであってほしいと思います
1964年ミラノ生まれのジャナンドレア・ノセダは、幕間のインタビューでメトロポリタン歌劇場管弦楽団について訊かれ、「世界のメジャー・オケと肩を並べる実力を持っているが、柔軟性の高さにおいては最高峰のオーケストラだ」と語っていました。ノセダはオケを煽り立て局面に応じてよく歌わせていました
2回の休憩、幕間のインタビュー等を含めて約3時間20分の上映です 上映は28日(金)まで、新宿ピカデリーは午前10時から、東銀座の東劇は15時からと19時からの2回上映です 現在望みうる最高のキャストによる上映です。お薦めします