5日(火)。昨日の朝日新聞の社説は「中国の人口 人権に配慮した政策を」というタイトルでした 「中国は人口が多いから色々な面で大変だろうな、現在中国の人口はどれくらいいるんだろう」と思って最後まで読んでみたのですが、どこにもその数値が見当たりません 社説の中で人口に関して出てくる数値は「昨年の出生数は前年比200万人減の1523万人」と「昨年末での65歳以上の人口は全体の11.9%にのぼる1億6658万人」の2つだけです つまり、中国全体の人口を知るには1億6658万人÷0.119の計算によって約13億9983万人を算出しなければならないのです 「中国の人口は驚異的なスピードで増減し続けているので明確な数値は出したくない」という意識が働いているのかもしれませんが、タイトルに「中国の人口~」と謳っているからには最新データによる総人口を表記すべきではないかと思います 「習近平政権はすぐにでも産児制限の制度を撤廃すべきである。そのうえで、人口問題にどのように取り組んでいくのか。人権問題に十分配慮したうえで、持続可能で透明性をそなえた政策を示さなければならない」という朝日の主張は立派ですが、その前に読者が知りたい基礎データを示すべきではないか タイトルに託せば「朝日の社説 読者に配慮したデータを」と言いたい
ということで、わが家に来てから今日で1586日目を迎え、麻生太郎副総理兼財務相は3日、支持者らを集めて開いた地元・福岡での国政報告会で「子どもを産まない方が問題だ」と発言した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
麻生氏の辞書には「反省」と「人権意識」という言葉は載っていないようですよ
昨日、夕食に「野菜と挽肉のドライカレー」を作りました 娘も私も大好きなので時々作りますが、すごく美味しいです
昨日、早稲田松竹で瀬々敬久監督「友罪」と「菊とギロチン」の2本立てを観ました
「友罪」は薬丸缶原作、瀬々敬久監督・脚本による2018年製作映画(129分)です
ジャーナリストの夢を諦めて町工場で働き始めた益田純一(生田斗真)は、同じ時期に入社した鈴木秀人(瑛太)と出会う 無口で影のある鈴木は周囲との交流を避けている様子だったが、同じ年齢の益田とは少しずつ打ち解けていく そんな中、児童殺害事件が起こり、17年前に日本中を震撼させた凶悪事件との類似性が囁かれる 当時14歳だった犯人の少年Aはすでに出所していて、今度も彼の犯行ではないかという。ある出来事をきっかけに、益田は鈴木が17年前の連続児童殺傷事件の犯人・少年Aなのではないかと疑いを抱くようになり、調査を始める しかし、それは17年前に自分が犯した罪に向き合うことにも繋がることだった
益田と鈴木の物語と並行して、交通事故で3人の子供の命を奪った息子と、彼の罪を背負う父でタクシードライバーの山内修司(佐藤浩市)の物語が描かれる 結婚して子供が生まれそうだという息子に対し、山内はそれが許せず、他人を不幸にした者は幸せになってはいけない、と言うのだった
映画を観終わって分かるのは、再犯ではないかと疑われていた鈴木は しっかりと更生して生きており、まっとうだと思われていた益田こそ17年前、いじめに苦しんでいた親友の自殺を食い止めることが出来なかったことで罪の意識に苛まれていた、ということです
この映画を観て一番感じたのは、交通事故で子ども3人の命を奪った人間は刑務を務め上げた後においても、人並みの人間らしい生活=結婚も子供を持つことも許されないのか、という重いテーマです
益田がカラオケで歌う鈴木の動画をスマホで録った映像を、益田の週刊誌記者時代の同僚の女性記者に見せたのが、結果的に週刊誌に写真が載せられてしまったことに対し、益田は出版社に抗議に行きますが、その時の編集長のセリフは「我々は読者が求めているものを報道するんだ」というものでした。これに対し益田は怒りをぶつけるわけですが、週刊Bや週刊Sなどの週刊誌はそのような”編集方針”で報道しているんだろうな、と想像します 報道される側のプライバシーがどんな風に暴かれようが、その家族が不幸になろうが、要は”雑誌が売れれば良い”という方針です 雑誌記者も生活がかかっているので、大変なのでしょうが、”こんなくだらない記事を載せて恥も外聞もないのか”と思う時が少なからずあります
「菊とギロチン」は瀬々敬久監督・脚本による2018年製作映画(189分)です
時は大正末期。人々が閉塞感にあえぐ関東大震災直後の日本。ある日東京近郊に、女力士たちに交じって元遊女などワケあり娘が集う女相撲の一座「玉岩興行」がやってくる 新人力士の花菊ともよ(木竜麻生)は、夫の暴力に耐えかねて家出して女相撲に加わり、「強くなって自分の力で生きていきたい」という一心で厳しい練習を重ねていた 興行当日、会場には師と仰ぐ思想家の大杉栄が殺害され、その復讐を画策するためにこの地に流れ着いた中濱鐵(東出昌大)と古田大次郎(寛一郎)らアナーキスト・グループ「ギロチン社」の若者たちの姿があった 「格差のない平等な社会」を標榜する彼らは、女力士たちの戦いぶりに魅了され、彼女たちと行動を共にするようになる
タイトルの「菊」は言うまでもなく、主人公の新人力士・花菊の「菊」ですが、ギロチン社=無政府主義者集団との対比で考えると、「菊」=「天皇家の紋章」を象徴しているように思えます それを裏付けるように映画の中で、「天皇陛下万歳」を何度も叫ぶシーンが出てきます。それにしてもギロチン社の構成メンバーは、中濱にしても古田にしても何と格好悪い奴らだろうと思います 頭の中で革命とか無政府主義を唱えていても、すぐに殴られて倒れてしまう その点、女相撲の力士たちは頼もしい
「女相撲」は山形で発祥し、かつて実際に日本全国で興行されていたそうです それを考えると、つい最近まで「土俵に女を上げてはならない。神聖な場所が汚れる」とか言っていたのは時代に逆行しているのではないか、と思います 日本人横綱が一人もいないのも情けないけど、「女を土俵に上げるな」というのも情けないと思います
新人力士・花菊を演じた木竜麻生は本作が映画初主演とのことですが、全体の雰囲気が広瀬すずに似ています これからの活躍を期待したいと思います