人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

広上淳一 ✕ 小菅優 ✕ 東京交響楽団でベートーヴェン「交響曲第4番」、「序曲『命名祝日』」、矢代秋雄「ピアノ協奏曲」を聴く~東響第686回定期 / 東京フィル「2021シーズン定期」に申し込む

2020年11月16日 07時18分42秒 | 日記

16日(月)。わが家に来てから今日で2237日目を迎え、米大統領選でバイデン前副大統領の当選が確実になってから1週間がたった14日、「選挙の不正」を主張して敗北を認めていないトランプ大統領を支持する集会が首都ワシントンで開かれ、全米各地から集まった1万人以上のトランプ支持者らが中心部を行進したが、ほとんどの人がマスクを着けていなかった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     敗北者トランプが支持者を煽っている  これでコロナ感染者がまた増える  愚か者め

 

         

 

昨夕、東京フィル2021シーズン定期演奏会・サントリー定期シリーズ(全8回)のWEB優先販売に申し込みました 2021シーズンの強力なラインアップを見たら「今回こそ定期会員にならなければ」と思いました。一番の魅力はチョン・ミョンフンがマーラー「第2交響曲」とブラームス「交響曲第1番~第4番」を指揮することです

東京フィルの定期演奏会は①オーチャードホール、②サントリーホール、③東京オペラシティコンサートホールの3つのシリーズがありますが、プログラムは同一で 日程が異なるだけです 私はオーチャードホールは苦手で、サントリーホールが一番好きなので 迷うことなくサントリー定期シリーズを選びました

すでに現在の定期会員が優先販売で良い席を押さえているので、あまり良い席は残っていませんでした 結局、2階LDブロック2列目の席(A席)を辛うじて取りました。東京フィルについては 現在、文京シビックホール主催の「響きの森 クラシックシリーズ」で年4回公演を聴いていますが、年間定期会員になるのは、チョン・ミョンフンが東フィルのスペシャル・アーティスティック・アドヴァイザーを務めていた時(2001~2010)以来なので ほぼ10年ぶりです

海外在住指揮者には、何があっても来日して指揮をしてもらわなくてはなりません

サントリー定期シリーズの日程とラインアップは次の通りです

1⃣  1月22日(金)指揮=アンドレア・バッティスト―二

 ①ラヴェル「ダフニスとクロエ」第1組曲・第2組曲、②ストラヴィンスキー「火の鳥」

2⃣  2月24日(水)指揮=チョン・ミョンフン

 〇マーラー「交響曲第2番ハ短調”復活”」

3⃣  3月12日(金)指揮=ミハイル・プレトニョフ

 〇スメタナ「わが祖国」全曲

4⃣  5月13日(木)指揮=アンドレア・バッティスト―二

 ①ピアソラ「シンフォニア・ブエノスアイレス」、②プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」

5⃣  6月18日(金)指揮=尾高忠明

 ①ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」(P.上原彩子)、②同「交響曲第2番」

6⃣  7月2日(金)指揮=チョン・ミョンフン

 ①ブラームス「交響曲第1番」、②同「交響曲第2番」

7⃣  9月17日(日)指揮=チョン・ミョンフン

 ①ブラームス「交響曲第3番」、②同「交響曲第4番」

8⃣  11月1日(月)指揮=アンドレア・バッティスト―二

 ①バッティスト―二「フルート協奏曲」、②チャイコフスキー「交響曲第5番」

 

         

 

昨日、サントリーホールで東京交響楽団の第686回定期演奏会を聴きました プログラムは①ベートーヴェン:序曲「命名祝日」作品115、②矢代秋雄「ピアノ協奏曲」、③ベートーヴェン「交響曲 第4番 変ロ長調 作品60」です 演奏は②のピアノ独奏=小菅優、指揮=広上淳一です

この日のコンサートは元々ジョナサン・ノットの指揮でブルックナー「交響曲第6番」と矢代秋雄の「ピアノ協奏曲」が演奏される予定でしたが、コロナ禍の影響でノットが来日出来なくなったため、指揮者が広上氏に代わり、ブルックナーがベートーヴェン2曲に変わったものです

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置。コンマスは水谷晃です コントラバスに都響首席の池松宏らしき背の高い男性を発見。客演だろうか

1曲目はベートーヴェン:序曲「命名祝日」作品115です 萩谷由喜子さんのプログラム・ノートによると、この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1809年に着想し、途中に中断があって1815年に完成した作品で、オーストリア皇帝フランツ2世の命名祝日(1814年10月14日)での演奏を予定して作曲したためこの名があります 実際には完成がその日に間に合わず、1815年12月25日の聖マルクス市民病院基金募集のための仮装舞踏会で初演されました この曲は「コリオラン」序曲と同様、本編がなく、序曲のみの独立した作品です

この曲は初めて聴きましたが、堂々たる曲想で、ベートーヴェンらしい力強く推進力に満ちた音楽でした 他の序曲のようにもっと頻繁に演奏されても良いのではないかと思います

2曲目は矢代秋雄「ピアノ協奏曲」です この曲は矢代秋雄(1929-1976)が1964年頃から1967年5月にかけて作曲、1967年11月29日に森正の指揮、中村紘子のピアノ独奏により初演されました 矢代は22歳でパリ音楽院に入学し、メシアンの授業も受講したとのことです この曲は第1楽章「アレグロ・アニマート」、第2楽章「アダージョ・ミステリオーソ」、第3楽章「アレグロ~アンダンテ~ヴィヴァーチェ・モルト・カプリッチョーソ」の3楽章から成ります

ソリストの小菅優は2005年カーネギーホールで、翌2006年にはザルツブルク音楽祭でそれぞれリサイタル・デビューを果たし、その後、ソロ活動、国内外のオケとの協演など幅広く活躍しています

冒頭、独奏ピアノが主題を奏で、オケが加わって展開していきますが、「静」から「動」へ移る際の小菅の切り替えは鮮やかです オーボエ首席・荒木奏美の演奏が素晴らしい 第2楽章は1音(ド)の連打によるリズムが繰り返されるシンプルな曲想ですが、不思議に引き込まれる魅力を持った音楽です 第3楽章における速いパッセージでは、矢代が受講したメシアン特有のリズムや響きを聴くことが出来ました 終盤におけるティンパニとピアノとの丁々発止のやり取りでは小菅のパワー全開で、圧倒的なフィナーレを飾りました

繰り返されるカーテンコールに、小菅はショパン「ノクターン第5番  作品15-2」を穏やかに演奏、熱くなった聴衆のクールダウンを図り、パワーだけではないことを証明しました

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲 第4番 変ロ長調 作品60」です この曲は1806年に作曲され、翌1807年3月にウィーンのロブコヴィッツ侯爵邸で初演されました 第1楽章「アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

第1楽章が開始されます。広上は速めのテンポで演奏を進めますが、分厚い弦楽器の演奏に木管が華を添えます オーボエの荒木、フルートの八木、ファゴットの福井の演奏が冴えています 第2楽章では弦楽器が良く歌います 第3楽章では再び木管楽器群が素晴らしい演奏を展開します 第4楽章では福井のファゴット、ヌヴ―のクラリネットが冴え、清水のティンパニが小気味の良いリズムを刻みます

実に爽快な演奏でした 広上 ✕ 東響は 「交響曲第4番」が「交響曲第5番」以降の充実した作品群に決して劣らない素晴らしい作品であることを渾身の演奏を通して証明しました

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