21日(土)。わが家に来てから今日で2242日目を迎え、広島県選挙管理委員会は20日、県内の政治団体が提出した2019年分の政治資金収支報告書を公開したが、19年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公職選挙法違反の罪で公判中の元法相・河井克行議員と妻の安里参院議員が関係する4団体は、収支がすべて「不明」と記されていた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
自民党からの1億5千万円があるから不明で通す? 「不明」は「不名誉」に通じる
昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」を作りました 唐揚げは2週間に一度のペースが定着しました お酒はお酒はもちろんビールです
昨日、新文芸坐で「生誕95年・没後50年 三島由紀夫 文学と映画」特集のうち「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」と「人斬り」の2本立てを観ました
「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」は、若松孝二監督が、1970年11月25日に防衛庁内で割腹自殺へと至るまでの三島由紀夫と「盾の会」の若者たちの物語を2011年に映画化(119分)したものです
三島由紀夫は数々の名作を著し、ノーベル賞候補と目される文豪になっていた その一方で、学生運動全盛期の1968年(昭和43年)、三島(井浦新)は民族派の学生たちと民兵組織「盾の会」を結成し、有事の際には自衛隊とともに治安出動し、自衛隊国軍化に命を賭ける覚悟でいた。そのために自衛隊に体験入隊し訓練に勤しんでいた しかし、暴動が起きても警視庁機動隊が収拾を図り、自衛隊の出る幕はなく、三島と楯の会の森田必勝を筆頭とする若者たちは「これでは自分たちの存在意味がない」と苛立ちを募らせていく そして、ついに70年11月25日を迎え、三島は楯の会の4人と共に、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地へ向かう。5人は益田総監を総監室に人質に取り、三島はバルコニーに出て、多くの自衛隊の隊員に向かい自衛隊によるクーデターの決起を促すアジ演説をしたが、相手にされなかったため総監室に戻り、三島と森田は割腹自殺する
この映画では、2.26事件、浅沼稲次郎社会党委員長刺殺事件、東大安田講堂事件、10.21国際反戦デー事件など、過去のニュース映像を交えながら、いかに三島や楯の会の若者たちが左翼に反感を抱き、実力行使を持って自衛隊を軍隊として認めさせ、天皇を中心とする社会を構築しないと日本は堕落してしまうと考えるようになったかが描かれています この映画を観ると、三島は本気で日本刀で実力行使をしようと考えていたことが窺えます 三島夫人が「あなたはどういう死に方をするのでしょうね」と問いかけるシーンが象徴的です 三島は「武士道とは死ぬことと見つけたり」という「葉隠れ」の思想を持ち出し、いずれ意思を全うし自害することを暗示します 三島にとって、生きることはどう死ぬかということだったのです 「言葉に力があった時代」に、言葉だけではどうにもならないと限界を感じて行動に移し、花と散った三島由紀夫でした
映画を観ながら、学生時代のことを思い出しました 60年代から70年代の初めにかけては、あまりにも多くの出来事がありすぎました 一部の学生は過激な政治活動に身を投じていましたが、私は一人のノンポリ学生でした 三島の前に出たら、不甲斐ない顔を張り飛ばされていたことでしょう
「人斬り」は橋本忍脚本、五社英雄監督による1969年製作映画(139分)です
岡田以蔵(勝新太郎)は土佐の暴れん坊だった 土佐勤王党の首領・武市半平太(仲代達矢)は、滅法剣に強い以蔵に目を付け、”人斬り以蔵”と呼ばれるまでの刺客に仕込む 以蔵は薩摩の有名な人斬り田中新兵衛(三島由紀夫)と比較されるほど有名になる 冷酷な武市は以蔵を利用して反対勢力を次々と暗殺する しかし、坂本龍馬(石原裕次郎)から「いつかは主人から犬は捨てられる」とたとえ話を聞かされ、武市に反発するようになる 命令通りに働かない以蔵に怒りを覚えた武市は冷酷に以蔵を捨てる 以蔵は毒を盛られるが、九死に一生を得て、奉行所で武市一派の一連の暗殺を暴露する その結果、武市はやがて切腹、以蔵は武市から解放された喜びを味わいながら磔台に上がる
冷酷な武士を演じて仲代達矢ほど相応しい役者はいないでしょう 勝新太郎は、無学で剣だけは強いハチャメチャな以蔵にピッタリです その点、石原裕次郎の坂本龍馬はミスキャストとしか言いようがありません
この映画には三島由紀夫が人斬り田中新兵衛役で出演していますが、ちょんまげ姿がなかなか似合っています ただ、「人斬り」には見えません 姉小路が斬られた刀が自分のものだったため、暗殺の嫌疑をかけられた田中新兵衛が、その場でその刀を腹に突き刺して自害するシーンは、演技とは思えないリアリティがありました そんな三島が本当に割腹自殺をしたのは、その翌年のことでした。役者として生きる道もあったかもしれません。日本は惜しい人を亡くしました