人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ベートーヴェンの難聴 ~ NHKテレビ「偉人たちの健康診断 ~ ベートーヴェン」 から / 新国立オペラで藤倉大「アルマゲドンの夢」千秋楽を観る

2020年11月24日 07時17分29秒 | 日記

24日(火)。普段 テレビはニュース番組以外ほとんど観ないのですが、昨日午前10時ごろ、たまたまNHKをつけたらニュースに続いて「偉人たちの健康診断」という番組が始まり、ベートーヴェンが取り上げられていました 今年はベートーヴェン・イヤー(生誕250年)ということでヒューチャーされたのだと思いますが、興味深い内容でした

番組では主にベートーヴェンが20代で発症した難聴について取り上げ、「聴こえているのに意味が解らない」という症状について、かつては「耳小骨の損傷」という説が有力だったのが、現在では「内耳」の病気だという説が有力になっていることが紹介されていました これは高音部分が聴こえないため子音が聴き取りにくく、「あかさたな」が「あああああ」と聴こえてしまうという症状のようです アムステルダム大学がベートーヴェンの弦楽四重奏曲を分析したところ、難聴を発症した20代の頃と、音がほとんど聴こえなくなった40代の頃の作品を比べると、後者の方が高音を避けて作曲していることが判明したそうです

また、ベートーヴェンの功績として、王侯貴族のための娯楽音楽から 自分の感情表現のための音楽へという流れを作ったこと、貴族だけが聴けるコンサートから市民も聴けるコンサートへ(低料金の設定)道を開いたこと等が、「悲愴ソナタ」やオペラ「フィデリオ」などの作品を通して紹介されました

ベートーヴェンの死因についても取り上げられていました。彼は肝臓病の一種「黄疸」が原因で死去しましたが、毎日ワイン1本を空けていたという説明には絶句しました

確かNHKは過去の番組が観られるシステムがありましたね 興味のある方はチェックしてみてください

ということで、わが家に来てから今日で2245日目を迎え、米大統領選に敗れたことを認めず不正選挙だと主張し続けるトランプ大統領に対し、共和党のクリスティー前ニュージャージー知事は22日、「正直に言って、大統領の弁護団のふるまいは国民的な恥さらしだ。不正選挙があったと法廷の外ではしきりに主張するが、いざ法廷に入ると 不正選挙だと主張しないし、不正選挙だと陳述しない」と批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     弁護団はトランプが支持者から集めた金で雇われてるから 仕事としてやってるだけ

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラこんにゃく」と「生野菜サラダ」を作りました あとは娘が漬けた「キュウリとカリフラワーのぬか漬け」です。お酒は冷酒にしました

 

     

 

         

 

昨日、新国立劇場・オペラパレスで藤倉大「アルマゲドンの夢」を観ました このオペラは、新国立劇場の日本人作曲家委嘱シリーズ第2弾の作品で、イギリスを拠点に活躍する作曲家・藤倉大が、H.G.ウェルズの短編小説「アルマゲドン(世界最終戦争)の夢」をオペラ化したものです 全1幕約100分の作品です。キャストは、クーパー・ヒードン=ピーター・タンジッツ、フォートナム・ロスコー/ジョンソン・イーヴシャム=セス・カリコ、ベラ・ロッジア=ジェシカ・アゾーディ、インスペクター=加納悦子、歌手/裏切り者=望月哲也。管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=大野和士、演出=リディア・シュタイアーです

いつもならプルミエ(初日)公演を聴くところですが、他のコンサートとの関係で千秋楽を聴くことになりました 主催者側の用意した席は2階3列15番、センターブロック左通路側です。現代オペラにしては結構多くの聴衆が入っています

 

     

 

大都市に向かう通勤電車の中で、若い税理士フォートナムは本を読んでいたが、見知らぬ男クーパーに「その本は夢についての本か?」と問われる フォートナムは警戒心を抱くが、クーパーは、「夢と現実が入り混じることはないか? 自分は夢の中で殺された。別の時間に生きていたのだ」と畳みかける クーパーは美しく聡明な妻ベラと新婚生活を送っていた。ダンスホールに現れたインスペクターの扇動で、若者たちは戦争への恐怖を煽られ、ジョンソン率いる一派にあっけなく取り込まれてしまう 敢然と立ち向かおうとするベラ。なだめるクーパーを、ベラは自由を求め戦おうと必死で説得する。やがて巨大な飛行機や戦艦が近づき、興奮が渦巻く中、爆撃が始まる ベラが撃たれ、クーパーの腕の中で息絶える

 

     

 

驚くべきことに、H.G.ウェルズが1901年に短編「世界最終戦争の夢」を執筆したときは、まだ第一次世界大戦も 第二次世界大戦も起こっておらず、大量破壊兵器や国際的規模の衝撃的な残忍行為は行われていませんでした    その先見性には目を見張るものがあります     演出家のリディア・シュタイアーはリアルの舞台に加えて映像を駆使した演出により、近未来の残忍行為を鮮やかに再現していきます クーパーが列車から降りると、そこに夢の世界が再現され、最後にベラが撃たれた後、再び列車が現れ、クーパーは現実の世界に戻りますが、そこにいた何人かの乗客は皆死んでいます それは夢の世界が現実として続いているかのようです。この辺の演出は鮮やかでした

現代オペラということでかなり警戒していたのですが、予想していたよりもメロディーもあり、聴きやすい公演でした

クーパー・ヒードンを歌ったピーター・タンジッツは、アメリカ出身のテノールですが、伸びのある歌声で演技も優れていました

フォートナム・ロスコーとジョンソン・イーヴシャムの二役を演じ 歌ったセス・カリコは2010年から19年までベルリン・ドイツ・オペラ専属歌手を務めた実力者ですが、力強いバリトンで存在感を示していました

ベラ・ロッジアを歌ったジェシカ・アゾーディはオーストラリア出身のソプラノですが、美しくも力のある歌唱で聴衆を魅了しました

インスペクターを歌った加納悦子はエキセントリックな衣装で登場し、魅力のあるメゾソプラノを披露していました

ラストで「アーメン」を歌ったボーイソプラノは澄んだ声で美しい歌唱を披露しました

新国立劇場合唱団は、ソーシャルディスタンスを取りながらの歌と演技が求められましたが、見事に役割を果たしていました

ところで、開演前に2階のロビーでプログラム冊子を読んでいたら、近くにいた高齢者2人の会話が耳に入ってきました

「こんにちは。久しぶりです 今回の公演は初めてですか?」

「初日公演を観たんですが、一度聴いただけでは解らなかったので また観に来たんですよ

同じオペラ公演を2度観るなんて、よほどのオペラ好きか、お金が余って仕方がない人なんだろうなと思いましたが、確かに、現代もののオペラ公演を理解するには一度聴いただけでは分からないと思います 私はどんなオペラでも、「プログラム・ノート」などで作品内容や演出の意図などを事前に把握したうえで本番を聴くようにしていますが、それでも、初めて接する作品は1度聴いただけでは理解するまでに至りません 人によっては、事前知識をまったく得ないで いきなり本番を観たり聴いたりする主義の人もいますが、私の場合は、オペラに限らず映画を観る時も、事前にある程度調べてストーリーを把握してから観るようにしています。そうすると注意力が増します 皆さんの場合はどうでしょうか

 

     

コメント
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