人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

大友直人 ✕ 木嶋真優 ✕ 新日本フィルでメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」&「夏の夜の夢」序曲、ドヴォルザーク「交響曲第9番」を聴く ~ 第35回ルビー定期演奏会

2020年11月14日 07時17分37秒 | 日記

14日(土)。わが家に来てから今日で2235日目を迎え、2019年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、公職選挙法違反(買収など)罪に問われた参院議員、河井安里被告の被告人質問が13日 東京地裁で始まったが、地元議員らに配った現金の趣旨についての弁護側の質問に対し、安里議員は「今後の県政運営を頑張っていただきたいと思っての当選祝いや陣中見舞いだった。私自身は票をお金で買うという発想がない。心がけてきたのは人間関係をつくること」と述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     当選祝いや陣中見舞いに使った? 自民党はそんなために1億5千万円も渡したのか?

 

         

 

昨日の夕食は「みそ鍋」にしました 材料は牛バラ肉、豚バラ肉、鶏肉団子、キャベツ、エノキダケ、モヤシ、水菜です 金曜の夜は鍋が多いような気がします

 

     

 

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「第35回ルビーコンサート」を聴きました プログラムは①メンデルスゾーン「夏の夜の夢」序曲、②同「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より”」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=木嶋真優、指揮=大友直人(イップ・ウィンシーの代演)です

午後2時からの本番に先立って、いつものように午前11時から音楽ライター・小室敬幸氏によるレクチャーを聞きました 受付でパトロネージュ部の登原さんに手首で検温してもらいましたが、体温が低すぎて反応しなかったようです 図らずも私は基礎体温が35度台の”冷血動物”であることが判明しました そういえば、よく「冷たい奴」と言われました。本人はクールのつもりだったのですが

小室氏からは、ペラ1枚・表裏のレジュメに沿って、「保守派と革新派~ドイツロマン派の対立軸」というテーマにより、ベートーヴェン以降①標題音楽よりも絶対音楽の立場を取るメンデルスゾーン、ブラームスと②絶対音楽に見切りをつけるリスト、ワーグナーの両派の流れを中心に、この日演奏されるメンデルスゾーンとドヴォルザークの曲目について解説がありました このレクチャーは講師の話が分かり易く、音による再生を交えた講演内容も充実しているので、毎回非常に勉強になります 1時間のレクチャーで500円は決して高くありません とくに「ルビー」公演を聴く人は是非受講することをお勧めします

 

     

 

さて、本番です。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び。コンマスは豊嶋泰嗣氏です オーボエに いつもの小畑善昭氏の姿が見えない代わりに、クラリネットに山本正治氏がスタンバイしています 山本氏は小畑氏 同様、元・東京藝大教授で、1990年から2007年まで新日本フィルの首席客員クラリネット奏者を務めていました なお、新日本フィルは現在、首席オーボエ奏者を募集中です。やっと腰を上げましたね また、コントラバス首席には若き俊英・菅沼希望が控えます 彼は大学3年次に新日本フィルのオーディションに合格し入団、大学院在学中に平成30年度文化庁新進芸術家海外研修員として渡独し、フランクフルト音楽・舞台芸術大学で学んだ経歴を持っています   名前の通り 新日本フィルの希望の星です

1曲目はメンデルスゾーン「夏の夜の夢 作品61」から「序曲」です  「夏の夜の夢」はフェリックス・メンデルスゾーン(1809ー1847)が、シェイクスピアの同名劇のために1842年(34歳の時)に作曲した作品ですが、「序曲 作品21」はその前、17歳の時に作曲されています 小室氏の事前レクチャーを聞いていたおかげで、演奏を聴きながら「夢幻」「妖精たち」「宮廷」「恋人たち」「職人たち」といった主題がよく理解できました これほどの充実した作品を17歳の時に作曲したのは驚きですが、名曲「弦楽八重奏曲」を16歳の時に作曲したことを考えると、つくづくメンデルスゾーンは天才だったと思います

2曲目はメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」です    この曲は1844年9月16日に6年越しで完成、翌45年にライプツィヒでゲヴァントハウス管弦楽団コンマスのF.ダヴィッドのヴァイオリン独奏により初演され、彼に献呈されました 第1楽章「アレグロ・モルト・アパッショナート」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグレット・ノン・トロッポ ~ アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります この曲の大きな特徴は①冒頭から独奏ヴァイオリンが登場すること、②カデンツァを再現部の前にもってきたこと、③全楽章を切れ目なく繋げたことーです

ソリストの木嶋真優は1986年、神戸生まれ。2011年ケルン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門優勝ほか数々の国際コンクールで入賞しています 2015年秋、ケルン音楽大学大学院を満場一致の首席で修了、ドイツの国家演奏家資格を取得しています 小室氏のレクチャーによると、ドロシー・ディレイとザハール・ブロンの両教師に師事した日本人は彼女の他に神尾真由子と川久保賜紀のみとのことです どうでもいいことですが、彼女は留学時代から10年以上にわたりAKB48の指原莉乃の大ファンだそうです また、最近はテレビにも出演する機会が増えているそうですが、ヨーロッパのようにクラシック音楽を身近に感じてほしい、コンサートに足を運んでほしいという思いから出演しているそうです  その辺のチャラチャラした(才能がない)タレントとは一線を画しています

その木嶋真優が淡いオレンジと若草色のストライプの鮮やかな衣装で登場、演奏に入ります

まず驚くのはヴァイオリンが良く鳴っているということです 弱音でも芯があるので美しさとともに力強さを感じます 彼女はたぶん、美しいだけの演奏は求めていないのではないか、と思います 演奏は流麗で明快です。良く歌うヴァイオリンです 大友 ✕ 新日本フィルの確かなサポートを得て、スケールの大きな演奏を展開しました

客席側で残念だったのは、第3楽章に入るところでケータイの着信音らしき音が鳴ったことです 私のすぐ前列の男性でしたが、指揮者の大友氏の様子を伺ったら、音に気が付いたようでした どこのホールでも演奏前にケータイの電源を切るようアナウンスで徹底しています それでもなお こうした不祥事が起こるのはどうしたことでしょう    指揮者や演奏者、ひいては周囲の聴衆にとって大きな迷惑です   そこで合言葉は「入口ではチケットの半券を切らなくても 会場ではケータイの電源を切れ」です

今回のことで思い出すのは、演奏中にケータイ着信音が鳴ったために指揮者が指揮台から落ちた事件です 時は20世紀、今から21年前の1999年9月30日にトリフォニーホールで開かれた井上道義 指揮 新日本フィルによるマーラー「交響曲全曲演奏シリーズ」ライブ収録コンサートです この日はシリーズ第1日ということでマーラー「交響曲第1番」が演奏されましたが、第1楽章が始まって2~3分経ったところで会場の後方でケータイ着信音が鳴り出したのです    しばらくして、指揮をしている井上道義が「あ~」という大きな叫び声とともに指揮台から転げ落ちたのです 言うまでもなく、演奏を”強制終了”させて、最初からやり直すために一芝居打ったのです 川柳風に言えば「指揮者殺すにゃ刃物はいらぬ  ケータイひとつもあればいい」といったところでしょうか この事件の経緯は2015年4月23日付toraブログに書きましたので、興味のある方はご覧ください

いずれにせよ、総合的・俯瞰的にみて、21世紀に入って20年も経つ現在でもなおケータイのマナー違反はなくなりませんが、時にケータイ着信音は演奏を止めることもある、ということを知ってほしいと思います

 

     

 

プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より”」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)がニューヨークの私立ナショナル音楽院の院長に招かれ、アメリカ滞在中の1893年に作曲、同年ニューヨークで初演されました 第1楽章「アダージョ~アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォッコ」の4楽章から成ります

大友氏の指揮で演奏に入ります この曲はライブで何回聴いたか分からないくらい聴きましたが、まったく飽きません 小室氏の解説で「親しみやすさゆえに、通俗名曲と侮られることも少なくないが正真正銘の傑作」と語っていましたが、まったくその通りだと思います この曲のキモは第2楽章「ラルゴ」のコーラングレ(イングリッシュホルン)による「家路」で知られるテーマですが、小室氏の解説によると、元々はクラリネットで演奏するように指定したものの、実際に演奏して音を聴いてみて、コーラングレの方が良いと判断し 変えたとのことです いつものように森明子さんがテーマを吹きましたが、いつもより若干テンポが速いように感じました でも すぐにいつものテンポに戻り 郷愁を誘いました 第3楽章では川瀬達也のティンパニの打ち込みが心地よく響きます 第4楽章の冒頭は、ドヴォルザークの大好きな蒸気機関車が発進するときの音楽です 推進力に満ちた音楽が展開します。この曲でも、オーケストラが良く鳴っていました

大友 ✕ 新日本フィルは満場の拍手に応え、ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調作品88」から第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ」を民族色豊かに演奏、再び喝采を浴びました

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