人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

都響スペシャル2020の12月度公演のチケットを取る / エミリオ・エステべㇲ監督「パブリック 図書館の奇跡」 & ジム・カミングス監督「サンダーロード」を観る ~ 早稲田松竹

2020年11月17日 07時19分29秒 | 日記

17日(火)。東京都交響楽団から「2020年12月演奏会のお知らせ」が届きました ①12月5日(土)、②同10日(木)、③同17日(木)の3公演あります ①は大野和士の指揮でドヴォルザーク「交響曲第8番」他、②はロッセン・ゲルゴフの指揮でサン=サーンス「交響曲第3番」他、③は小泉和裕の指揮でベートーヴェン「交響曲第5番」他です 私はこのうち、②10日の公演を聴くことにしました プログラムは①メンデルスゾーン:序曲「ルイ・ブラス」、②ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調」、③サン=サーンス「交響曲第3番 ハ短調 ”オルガン付き”」です。演奏は②のヴァイオリン独奏=南紫音、③のオルガン=大木麻里、指揮=ロッセン・ゲルゴフです    都響は「フェスタサマーミューザ」に参加しなかったので、私が都響を聴くのは1月16日の定期演奏会以来11か月ぶりになります

ということで、わが家に来てから今日で2238日目を迎え、新型コロナウイルスの感染者と接触したとして、英国のジョンソン首相が15日、自己隔離を始めたことを明らかにしたが、3月末には一時 集中治療室に入るほど重症化していた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     米国に 早く敗北宣言して 次期政権に引継ぎしてから 自己隔離してほしい奴がいる

 

         

 

昨日、夕食に「ポーク・クリームシチュー」と「生野菜サラダ」を作りました 寒い夜はシチューとかカレーとか温かい料理が食べたくなります

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「パブリック 図書館の奇跡」と「サンダーロード」の2本立てを観ました

「パブリック 図書館の奇跡」はエミリオ・エステべㇲ監督による2018年製作アメリカ映画(119分)です

オハイオ州シンシナティの公共図書館のワンフロアが約70人のホームレスたちによって占拠された   記録的な大寒波の影響で、市の緊急シェルターがいっぱいになり彼らの行き場がなくなってしまったからだった 彼らの苦境を察した図書館員スチュアート(エミリオ・エステべㇲ)は図書館の出入口を閉鎖するなどし、立てこもったホームレスたちと行動を共にする スチュアートたちにとってその行動は、避難場所を求める平和的なデモのつもりに過ぎなかった しかし、選挙を前に候補者としてのイメージアップを狙う検察官やメディアのセンセーショナルな報道により、スチュアートは心に問題を抱えた危険な容疑者に仕立て上げられてしまう

 

     

 

この映画は、ある公共図書館の元副理事がロサンゼルス・タイムズに寄稿したエッセイにインスピレーションを得て、エミリオ・エステべㇲが完成まで11年を費やして製作・監督・主演を務めたヒューマンドラマです

冒頭、ある図書館員がホームレスの匂いがキツイとして館外への退去を求めたことに対し、そのホームレスから”差別”だとして訴えられた事件が紹介されます その図書館員の言い分は「多くの入館者から『あの人は匂いがひどい』と苦情を言われたので、館外に出るように伝えた。図書館員としては当然の行為だ」というものです。それに対し、ホームレス側の弁護士は「公共図書館は誰も差別することなく入館を許すーという方針に反するものだ」と主張します。このケースでは、個人の権利意識が高いアメリカらしく、図書館側が示談金を支払うことで決着します この映画の原題は「PUBLIC(公共)」ですが、図書館がPUBLIC(公共)であるからこそ起こる問題です どこまで個人が尊重されるのか、どこから公共が優先されるのか、という大きな問題を孕んでいます この問題は、何もアメリカに限ったことではないのではないか、日本の図書館だって同じような問題が起こる可能性は決して低くはないと思います

ところで、図書館員スチュアートが何故ホームレスたちと共に館内に籠城したかと言えば、彼自身が現在の職業に就く前は彼らと同じ立場だったからです 寒波の夜に家もなく外で過ごすしかない者にとっては死ねというのと等しいことを身をもって知っているからです

図書館には様々な質問が寄せられます。最高傑作は次の会話です。

来館者:地球儀はありますか?

図書館員:ございます(と言って、近くの地球儀を指さす)

来館者:そんな小さいのじゃなくて、実物大のありますか?

図書館員:あいにく貸し出し中です(と言って、にっこり笑う)

最後にスチュアートとホームレスたちが籠城を解いて館外に出てくるときの彼らの姿はサプライズです 武器も何も隠している物は何もないことをひと目て分かるように投降します 検察官や刑事や機動隊員たちは、目のやり場に困ったでしょう

 

         

 

「サンダーロード」はジム・カミングス監督による2018年アメリカ映画(92分)です

テキサス州の警官ジム・アルノー(ジム・カミングス)は私生活では妻と別居し、仕事でもトラブルが続く 最愛の母親が亡くなったジムは、葬儀で母が好きだったブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」に合わせて踊ろうとするが、ラジカセの故障により音楽が流れず、涙ながらに無音の中でダンスを踊る それはバレエ教室を主宰していた母への息子からの思いを込めた踊りだったが、後日、小学4年生の一人娘の親権を巡る調停で、母の葬儀で踊る映像が奇行の証拠として提出されてしまう 腹を立てたジムは相棒の黒人警官ネイトに八つ当たりし、警官を解雇されてしまう

 

     

 

この映画は、ジム・カミングスが監督・脚本・編集・音楽を担当して主演も務め、2016年のサンダンス映画祭でグランプリを受賞した短編を、自身のメガホンで長編映画化した作品です

これほど男の しかも警官の主人公が泣く映画も珍しいでしょう まず、冒頭の10分以上にわたるワンショットでは、愛する母親を亡くした警官ジムが葬儀の席で弔辞を述べるのですが、自分は母親に対して良い子供ではなかったと悔恨の情を訴え始め、本当に言いたいことが言えなくなり、泣き出してしまいます その後も母親に捧げるつもりだったブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」はカセットプレーヤーの故障で音が流れず、無音でバレエを踊るという醜態をさらけ出す結果になってしまいます

ジムはこの冒頭シーンをはじめ、様々な場面で急に情緒不安定になり泣き出します 観ているわれわれは笑っていいのか、同情して頷けばいいのか、慰めてあげればいいのか、複雑な心境に陥ります そういう風に思わせるところが監督であり主演でもあるジム・カミングスの不思議な魅力になっています

ところで、この映画のタイトルにもなった「サンダーロード」の元歌「涙のサンダーロード」を歌ったブルース・スプリングスティーンとは、どんな歌手だったのでしょうか 11月3日にギンレイホールで観たグリンダ・チャーダ監督の「カセットテープ・ダイヤリーズ」(4日付toraブログ参照)もブルース・スプリングスティーンに影響を受けた高校生が出てきました 私は1曲も知りませんが、よほど ある時期の若者たちに影響を与えた歌手なのでしょうね

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