人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

林真理子著「成熟スイッチ」を読む ~ 暴走老人にならないための4つの成熟=「人間関係の心得」「世間を渡る作法」「面白がって生きる」「人生を俯瞰する」

2023年01月04日 07時00分25秒 | 日記

4日(水)。昨日は、息子と2人で品川の義父の家に年始の挨拶に行ってきました   娘が仕事の都合で行けなかったので義父はガックリですが、息子が行けたので何とか気を持ち直してくれたようです たくさんご馳走になってきたので夕食はいりませんでした

ということで、わが家に来てから今日で2914日目を迎え、3日に開会する米国の新議会で、下院多数派となる共和党を率いるケビン・マッカーシー院内総務が議長就任を狙うが、共和党議員の一部が造反を公言し、過半数の支持獲得にてこずっている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これも 共和党内部のトランプ離れの大きな潮流の一部なんだろうな  無理もないよ

 

         

 

林真理子著「成熟スイッチ」(講談社現代新書)を読み終わりました 林真理子は1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍 1982年にエッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」がベストセラーとなる 1986年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞 以後、数々の文学賞を受賞。2020年に、週刊文春での連載エッセイが「同一雑誌におけるエッセイの最多掲載回数」としてギネス世界記録に認定される 2022年7月に日本大学理事長に就任し全国的に話題となる

 

     

 

著者は「まえがき」の中で次のように書いています

「人は年をとると外見だけでなく内面も変化していきます。よい方に変わっていくと、精神や人間性が成熟へと向かいます」「年齢を重ねたからといって、人は自然に成熟に向かっているわけではありません。『老害』という言葉には肌寒い思いがしますが、ご存じのように『暴走老人』やその予備軍になってしまう人もたくさんいます」「年をとって、後輩に成熟の素晴らしさを教えてくれる人と、老いの醜さを見せつける人がいます    若い頃には、それほど違いがなかったかもしれない人たちが、歳月を経ると、まるで別世界の住人のように振り分けられていきます。成熟にも格差が生じてくるのです」「『さあ成熟しよう』と思って成熟できるわけではありません   長い年月をかけて当人も気付かないような小さな変化を重ねていった結果、人は大きく変わっていきます

そして「序章」の中で、「心がければすぐにスイッチを探せそうで、なおかつ最も大事だと思う『4つの成熟』について」次のように説明しています

①人間関係の心得・・・「人間力のある人には、人望がついてきます。いざという時に自分のために喜んで力を貸してくれる人がいるか。人間関係は成熟にとって、最大の財産です

②世間を渡る作法・・・「とりわけ大切な作法といえば、感謝の気持ちを忘れないこと、そして常に相手の気持ちに立って考えること マナー本には載っていないマナーでこそ、人と差がつくのです」

③面白がって生きる・・・「いろいろなことを面白がって生きている人の姿というのは、後塵を拝する者を何よりも勇気づけてくれるものです 年をとっても好奇心を漲らせていられる人生の幸福度を決定づける仕事は、できるだけ面白がりたい

④人生を俯瞰する・・・「人生という長い時間の中で現在を俯瞰して考えると、見えてくるものがあります 客観的に現在の自分を見極めることも、俯瞰する力、すなわち『俯瞰力』です

そして上記①~④を第1章以降で著者自身の経験を交えながら解説していきます

私が本書を読んで「その通りだ」と思った”成熟スイッチ”の一つは「感謝の気持ちを忘れないこと、そして常に相手の気持ちに立って考えること」です 人が自分のために何かをしてくれて、それが回数を重ねると、それが当たり前にように思ってしまいがちです しかし、相手は自分のためにわざわざ時間を割き、ある時は経済的な負担をしてくれているのだということを、その都度認識すべきだと思います これは親子の関係でも言えることです。「親が子のために何かをしてくれるのは当然だ」と考えている人が少なくないと思いますが、それは間違いです 親がどんなに大変な思いをして育ててきたかを認識すべきです。親しき中にも礼儀あり。わが家では「ありがとう」の言葉を忘れません

もう一つは、「客観的に現在の自分を見極める『俯瞰力』」を持つことの大切さです 「自分のことは自分が一番よく知っている」と思いがちですが、実は他人から見たら「鼻持ちならない奴」と思われているかもしれません(ン、俺のことか) 自分では当たり前だと思っていることが、世間では当たり前ではなく、自分だけが例外だということもあり得ます 他人様のブログを拝見していると、中には「自分で自分の書いていることが分かっているのか?」と思うような支離滅裂なことを書いて、一人悦に入っている人がいますが、笑止千万です

「面白がって生きる」というのも良く分かります。「年をとっても好奇心を失わずに生きる」と言い換えても良いと思います 私の場合はクラシック・コンサートと映画鑑賞と読書を趣味にしているので、この3つについては日ごろからアンテナを張って情報を収集し、これからの行動に活かしています その点、新聞は情報の宝庫です またツイッターは最新情報を得るための最適のツールです 蛇足ですが、趣味が一つだけだといずれ行き詰まる恐れがありますが、複数あると「面白がって生きる」可能性が広がります この3年間のコロナ禍で、私の場合、百数十回のコンサートが中止となり、払い戻しとなりました また映画館は閉館し映画も観られない状況も続きました その間、私には読書という選択肢が残っていました。読みたい本をまとめ買いして、片っ端から読んでいきました

本書は暴走老人にならず、人間として成熟するにはどうしたら良いかについて具体的に解説を加えています これからどう生きていったらよいかを模索している方々に、特にお薦めします

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